腰椎椎間板ヘルニアに固定術は不要です!

.16 2016 腰椎椎間板ヘルニア comment(26) trackback(0)
 最近、腰椎椎間板ヘルニアと診断され、腰椎固定術を医師から勧められていると相談に訪れる患者さんが散見されます。
これに対する私の答えは、「固定術は不要」です。医師から固定術を勧められるヘルニア患者の特徴は、中心型のヘルニア、ヘルニアの再発、狭窄症を伴っているヘルニアなどです。

 私は、ヘルニアにすべり症が関係していない限り固定術は不要と考え、MD法による神経除圧術を行ってきました。
この場合、神経除圧のためにヘルニアの摘出が可能であればそうしますし、ヘルニアの摘出が困難な場合には、ヘルニアの摘出は行わず、脊柱管拡大術を行い、神経を除圧します。

 ヘルニアを摘出せずとも、脊柱管を拡大し神経の除圧を行うと、症状はよく改善されるのです。
ヘルニアだから、それを摘出しなければならないという考え方には落とし穴があります。例えば、内視鏡でヘルニア摘出を試みたが、十分に摘出できないため、症状の改善が得られなかったという患者さんが少なくありません。このような手術失敗には、手術技術はもとより、手術の考え方に問題があるのです。

 このような場合には、脊柱管を拡大して、神経の除圧を図ることで、症状を改善するという手術の目的を達成できます。
侵襲の大きな固定術には合併症が起こることがあり、術後の腰痛に悩む患者さんも稀ではありません。さらに、固定隣接椎間に
ヘルニアや狭窄症、すべり症などが発生するリスクも無視できません。

 腰椎椎間板ヘルニアでは、固定術は避けるべきです。ただし、ヘルニアや狭窄症の再発例に対する神経除圧には高度の手術テクニックが必要です。医師選びを慎重になさることです。
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腰部脊柱管狭窄症の手術後、間もなく椎間板ヘルニアを合併した70代女性

.11 2014 腰椎椎間板ヘルニア comment(7) trackback(0)
 県外から来られた70代の女性がMD手術を受けられました。
その方は、地元の大学病院で腰部脊柱管狭窄症に対する内視鏡手術を受けられました。
術後、間もなく右臀部から下肢に激痛が発現して、痛みのため歩行の困難な状態になりました。
保存治療による効果は得られず、再手術が検討されたようです。
その結果、腰椎固定術の適応となったようです。

 私のブログを読まれた家族の方が、痛みの真の原因を知りたいと思われたことと、固定術はできるだけ
避けたいとの思いから、私の外来受診を決められました。
症状からは、右L4とL5の神経根症状でした。
MRI画像検査では、L4/5で除圧術が行われていましたが、脊柱管の外側部から椎間孔内に椎間板ヘルニアの
所見を認めました。このヘルニアによるL4とL5神経根症と診断しました。
手術以外には症状の改善を期待することは不可能と判断されたため、再手術を行うことを決定しました。
私は、固定術ではなく、MD法によるヘルニア摘出術を行うことにしました。

 前回の手術部には瘢痕組織ができており、硬膜やL5神経根と強く癒着していました。その瘢痕組織を
下から押し上げるように椎間板ヘルニアが出ていました。このヘルニアは脊柱管の外側部では、L5神経根を圧迫し、
椎間孔内ではL4神経根を強く圧迫していました。ヘルニアのタイプは後外側型と外側型の混合型でした。
脱出したヘルニアを摘出して、L5とL4神経根を除圧し、さらに椎間板内の変性して脆くなった椎間板をできるだけ
摘出しました。手術時間は1時間15分、出血量は10mlでした。

術後は翌日から離床開始しましたが、術前の痛みはよく軽減し、歩行はしやすくなっていました。

 この患者さんは、先の病院では腰椎固定術が検討されていましたが、これは再手術例に対して一般的な手術方針であろうと思います。しかし、私はヘルニア摘出術を優先しました。もし、それで改善が得られない場合には、最終手段として腰椎固定術を考える場合もありますが、殆どの場合は再除圧術で改善され、固定術が必要になることは希といってよいでしょう。再発例でも、神経根除圧術で症状の改善を図れますので、脊椎外科医は的確な神経根除圧の技術を習得することが不可欠です。


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「神の手を持つ」腰痛の名医が断言! 椎間板ヘルニアの9割は「誤診」です・・という記事がネットにありました???

.08 2014 腰椎椎間板ヘルニア comment(13) trackback(0)
ネットには色々な記事があるものだと思うとともに、患者さん達が迷い、悩むはずだと改めて思いました。
腰痛の9割は仙腸関節が原因で、椎間板ヘルニアや狭窄症などではないという記事です。
用手的に痛みを取り除くとのことですが、そういうケースもあるのだろと思うとともに、私が手術で痛みを取っているヘルニアや狭窄症の患者さん達は1割に過ぎないのかと首をかしげながら、この記事を読みました。
私の外来にくる患者さんの殆どは腰椎に痛みの原因があります。仙腸関節症を疑わなければならない患者さんは、滅多にいないと思うのですが、病院が変わると、こんなにも腰痛の原因が変わるものかと驚いてさえいます。
記事の一部を次に紹介します。私がここで取り上げる理由は、腰痛治療の現場は混沌としているなという私の素朴な驚きを知って頂きたいためです。勿論、仙腸関節症が腰痛の原因になり得ることを否定するつもりはありません。
この治療効果の持続性はどうなんでしょうか。もし、経験をお持ちの方がおられるなら、コメントを頂ければと思います。




「神の手を持つ」腰痛の名医が断言! 椎間板ヘルニアの9割は「誤診」です
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140820-00040164-gendaibiz-soci
現代ビジネス 8月20日(水)8時1分配信
9割の腰痛の原因は「ヘルニア」でも「脊柱管狭窄」でもなかった!
長い間の腰の痛みがついに耐え切れなくなり、整形外科に行き、レントゲンやMRIなどを撮られたあと、「椎間板ヘルニア」あるいは「脊柱管狭窄症」と診断される。その後、医者の勧めるままに、電気治療やブロック注射を受けに通院して、もらったクスリを飲んでもなかなか痛みが消えない・・・。
こんな悩みを抱えている方、両親はじめ家族が腰痛に苦しめられている人も多いのではないだろうか。
「腰痛の原因が、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄ではないのに、そう診断されている人は実に多いのです。私が実際に患者さんを治療した実感では、9割以上の腰痛の原因は別のところにあります。本当の原因を直した結果、腰痛がウソのように簡単によくなった方はたくさんいらっしゃいます」
 こう話すのは、「かただ整形外科」(神奈川県小田原市)の片田重彦院長だ。 1946年生まれ、慶応大学医学部を卒業後、同医学部の整形外科助手、国立小児病院整形外科医長などを経て、93年に「かただ整形外科」を開業、現在も腰痛に悩む患者と朝から暗くなるまで向き合っている。
 「他の病院ではいつまでたっても治らなかった腰痛が、片田先生に腰のあたりを5分間ほど指で治療してもらったら、あっという間にラクになった。片田先生は神の手の持ち主だ」
 こんな評判が口コミで広がって、神奈川県はもちろん、首都圏から腰痛に悩む人が次々訪れ、最近予約制を導入せざるをえなくなった。
 整形外科医の間でも有名な「腰痛の名医」の一人である。
 「いや、神の手とか名人芸の世界ではありません。腰痛の原因となっている仙腸関節の不具合を、私の指で押して正常に戻すのですが、力と方向、時間など根拠ある科学理論に基づいて治療しているのです」




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手術して良くならなければ、原因不明の慢性腰痛と医師から話された患者さん、それは本当?

.21 2014 腰椎椎間板ヘルニア comment(3) trackback(0)
 腰椎椎間板ヘルニアによる腰痛と診断され、手術やそれに準じた治療の説明の中で、もし、良くならなければ、原因不明の慢性腰痛なので、どうしようもないというニュアンスで医師から説明されたと患者さんからの相談がありました。

 これは誠におかしな説明です。椎間板ヘルニアが腰痛の原因であるなら、それなりの特徴をもった腰痛になり、その腰痛の特徴とMRIを併せて検討すると、診断にそう狂いは生じないはずです。従って、腰椎椎間板ヘルニアによる腰痛と診断しておき、治療で良くならないなら、ヘルニアによる痛みでなく、原因不明と言い切る説明はまさに自己弁護、素人だましと私は思います。

 ヘルニアと診断し、それに対して自分が行った治療が効果を示さないからと言って、原因不明の腰痛と決めつけることは余りにも身勝手で、ご都合主義と言わざるを得ません。

 もし、結果が良くなければ、診断や治療法に問題がなかったか、謙虚に見直し、再検討する真摯な姿勢が脊椎外科医に求められます。
 
 自ら行った治療法を顧みることなく、安易に患者の腰痛を原因不明や難治性と言い切る医師には注意してください。

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腰椎椎間板ヘルニアの症状は3つの要素から成り立つ

.20 2014 腰椎椎間板ヘルニア comment(12) trackback(0)
腰椎椎間板ヘルニアの症状は、次の三つの要素から成り立ちます。
 一つ目は、ヘルニアを起こした局所の炎症です。
 二つ目は、ヘルニアが神経根を圧迫・刺激するための症状です。
三つ目は、ヘルニアが神経根を障害するための症状です。

一つ目の局所の炎症とは、靱帯の炎症によって起こる腰痛です。
二つ目の神経根の圧迫・刺激による症状は、坐骨神経痛のようなお尻から太ももの痛みです。
三つ目の神経根の障害による症状は、障害を受けた神経根領域に発生する痛みやしびれ、筋力低下です。すなわち、ふとももやすね、足の症状です。

実際には、これら三つが色々な程度に重なりあうことが多いです。ヘルニアを起こした急性期では、痛みが強く、慢性期ではしびれが強い傾向になります。慢性期から急性期に変化し、これを繰り返しながら、慢性化を示すケースもあります。ふとももやすね、足に症状が移行し、強くなるほど、ヘルニアの神経根への影響は強くなっていると受け止めて下さい。

一つ目と二つ目の要素からなるヘルニア症状は、自然治癒する可能性が高いです。勿論、ヘルニア次第ですが。
三つ目の要素からなるヘルニア症状は、神経根の障害自体を起こす強い圧迫が神経根に加わっていることを示す症状ですので、手術が必用になる可能性があります。しかし、これも発症後3ヵ月以内なら、ヘルニアが吸収縮小することで自然治癒することが多くみれます。しかし、この期間を過ぎても改善の進まない方では、手術が必用ではないか、検討が必要です。神経根障害を進めてしまっては、手術をしても後遺症状が残るからです。

私の経験から、腰椎椎間板ヘルニアの症状を上記したように理解し、適切に対応することが、生活の質を良く保つために必用と断言します。

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