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腰ヘルニアの進行段階に応じた治療 part 2: 腰ヘルニアの時期に応じた治療法

.29 2012 腰椎椎間板ヘルニア comment(3) trackback(1)
I)ぎっくり腰が起こり、腰痛の強い時期の治療
  椎間板により裂けた靱帯周囲に炎症が起き、局所は痛みが起こり易い状態になっているので、腰を安静に保つことが必要です。炎症が痛みを起こしている時には、炎症を強くする原因になるものを避けることが重要です。具体的には次のようなものがあります。
1)腹筋・背筋を鍛えることが治療と勘違いし、歩行などの運動をすること
2)お風呂で身体を温めること。
3)アルコールで痛みを紛らわすこと。
4)整体、骨接ぎなどで行われる腰への手荒な治療

 炎症が痛みの主因になっている時期には局所の安静が先ず必要です。さらに、炎症を取り除く効果のある薬剤が有効です。
1)局所の安静が何よりも重要です。動き回らず、痛みの楽な姿勢で横になることです。通常は、痛みの強い側を下にすると痛みが強くなるので、上にして、膝を曲げて休むことが痛みを軽減します。膝を伸ばして、真っ直ぐに寝ていると、痛みが起こり安くなります。姿勢で悪いのは中腰やあぐらをかくことです。長く坐位でいることも痛みを強くします。どうしても、動く必要のある人は腰に軟性コルセットを着用することが良いですが、コルセットで腰を締め付けると却って痛みが強くなる人もいますので、後者の場合には無理に着用することはありません。

2)炎症を取り除く薬として、通常は消炎鎮痛剤が用いられます。よく痛み止めが効かないと訴える方がいますが、そのような人は安静が保たれていないことが多いです。鎮痛剤で痛みが軽減すると、家事や仕事が気になり、どうしても動いてしまいます。それによって痛みがぶり返し、再び動くことが困難になります。炎症が治まる時期まで安静を保つことが理想です。通常は1週間を過ぎると炎症は軽減していきます。

3)腰ヘルニアの痛みには安静と消炎鎮痛剤が有効です。痛みの強い部位への湿布も効果あります。湿布の効果については以前にこのブログで書いていますので参照してください。消炎鎮痛剤は胃を荒らすことが多いので、注意が必要です。痛みのためのストレスも胃炎や胃潰瘍を起こしやすくしますので、慎重に使用することが必要です。消炎鎮痛剤の座薬を用いることも有用です。

II)坐骨神経痛などの下肢の痛みやしびれに対する治療
  ヘルニアが神経根を圧迫・刺激すると臀部から大腿・下腿の痛みが強くなります。神経根の圧迫刺激で発現する坐骨神経痛についてはこのブログで説明済みです。神経根も圧迫刺激を受けると、急性期には神経根炎といって神経根に炎症が起こり、痛みが強くなります。激痛で身動きできない人も多く見られます。腰痛と同様に下肢の痛みも急性期には炎症が痛みを起こす主因ですので、安静が必要です。下肢の痛みを悪くする原因は前述した腰痛の場合と同じです。薬物治療の効果も同様です。炎症が治まっていくと、下肢の痛みも軽減します。

坐骨神経痛に対してはよく神経ブロックが行われます。根性痛に対しては有効な治療ですが、効果は一定せず、長引くと効果を失っていきます。

このように炎症が痛みの中心の時期には安静と消炎鎮痛剤、ブロック、湿布などで治療を行います。この時期に腰の牽引が行われる場合がありますが、炎症期には却って痛みを悪くしますので、控えるべきと思います。実際、牽引で痛みが悪くなったとの訴えが多く見られます。急性期の牽引療法は理論的にも誤りがあると思います。

安静と薬物治療で腰痛や下肢痛が順調に軽減し始めたなら、次第に生活上の負荷を腰にかけていき、痛みの再燃が起こらないか慎重に経過をみることが必要です。靱帯が破れた部位は弱くなっているので、腰に無理をかけると、靱帯が更に破れ、ヘルニアが悪化することがありますので、ぎっくり腰や下肢の痛みが起こってから2~3ヵ月は安静を心がけることが必要です。

2~3ヵ月を過ぎても下肢の痛みが治まらず、痛みの他にしびれが発現する場合や、歩行障害が改善しない場合には、手術を検討すべきです。

ヘルニア発症後、早期に手術すべき場合として次のものがあります
1)排尿障害や排便障害が発現した場合:肛門周囲や会陰部などの感覚麻痺を伴います。肛門括約筋の締まりが悪くなりますので、自分で肛門括約筋を締めてみて、締まりが弱い場合には急ぎ手術が必要です。排尿・排便障害は進むと改善が悪いので、早急な手術が必要とされています。

2)下肢の痛みが軽減してきたが、膝や足首の力が弱くなり、歩きにくくなった場合:神経根の麻痺が進んでいるために、痛みが軽減しているのであって、改善しているわけではなく、悪化している事を示しています。筋力低下状態を長く放置すると手術をしても改善不良になることが多いので注意が必要です。

腰椎椎間板ヘルニアは椎間板が靱帯を破ることで腰痛を出し、神経根や馬尾神経を圧迫障害して下肢に痛みやしびれ、冷感、排尿・排便障害を出す疾患です。ヘルニアによる神経の影響が軽い場合には自然治癒が大いに期待できます。軽い程度のヘルニアには種々の保存治療が効果を示しているように思われますが、自然治癒力で治っているというべきです。
しかし、神経への影響が強い場合には、どのような保存治療を行っても改善不良となります。症状が進行性に悪化しなくても、痛みやしびれと手の切れない慢性的な状態が続きます。長い時間をかけて悪化していく人たちも少なくありません。
このように神経への影響が強く残るヘルニアでは手術が必要になります。なぜなら、脱出した椎間板組織が神経を圧迫して症状が起こっているからです。手術で神経の圧迫を取ることが根治治療なのです。この際注意すべきは、ヘルニアによる神経への影響は必ずしもヘルニアの大きさで決まるわけではなく、ヘルニアと脊柱管の構造と神経の三者の関係で決まるものなのです。

手術適応の判断はこれらのことを熟知した医師でなければ、適切な判断は困難です。誤った判断が誤った治療法につながり、患者の治癒への期待は遠のくばかりになるのです。


腰痛・坐骨神経痛で悩むより多くの方に読んでいただきたいと
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