女性に多い腰椎すべり症の症状からみた自然経過と手術治療を考える時期について

.11 2012 腰椎変性辷り症 comment(3) trackback(0)
腰椎すべり症、正確には変性すべり症と呼ばれる腰椎疾患は女性に多い。それは女性では腰椎のズレの起こり易い骨の形と靱帯・腹筋・背筋の弱さが関係している。

 先ず、症状は腰痛から始まる。中腰での仕事や腰椎に負荷をかける動作・運動などの後に腰痛が起こりやすい。動作の変わり目にぎくっとした痛みを感じる人も多い。腰椎の病的なズレと動きによるこのような慢性腰痛が中心の期間が人によって異なるが、長く続く。私はこれを腰痛期と呼んでいる。30代に始まる人が多い。

 腰痛期の次に来るのは臀部から大腿部の痛み、しびれである。腰を伸ばして立っていたり、仕事をしていたり、歩いていたりすると感じるようになる。この神経圧迫による症状も初期には一時的で休んでいると消失していく。しかし、繰り返すのが特徴である。この時期はまだ生活に大きな支障はない。これが神経圧迫初期である。

 神経圧迫初期に続く症状は臀部・大腿から更に下腿・足に及ぶ痛みやしびれである。これらの症状が生活の中で起こりやすくなり、生活の支障度は大きくなる。この時期には休んでいると症状を殆ど感じないこともある。しかし、ヘルニアを合併している人では痛みは起こりやすく、改善が悪くなる。これが神経圧迫後期である。40~50代に多い。

 神経圧迫後期に続くのは、神経障害期である。この時期にはどんな姿勢をとっていても常に下肢に痛み・しびれが持続し、消失することはない。下肢の力が落ちたり、冷感をつよく感じたりする人も多くなる。生活の支障は著しく大きくなる。50代以後に多い。
この神経障害期も二期に分けられ、
神経障害前期は手術により神経の圧迫を除去すると神経機能の障害が完全に回復する時期と神経障害後期は神経機能の回復が不良になる時期である。後期には排尿障害も見られることがある。

このような腰椎すべり症における症状の進行は、すべりの悪化とすべり症に合併する脊柱管狭窄症が関係している。つまり、脊柱管狭窄の進行と合わせて病期が進むのが普通です。ヘルニアの合併による突発的な症状の悪化が起こることもあります。
狭窄症の程度と併せて症状に関係するのはすべりの存在する部位の骨同士の病的な動き、いわゆる腰椎の不安定性と呼ばれる状態です。不安定性が強いほど腰痛が強い傾向があります。
我々の腰椎は神経の痛みやしびれが起こると、それを軽減しようと無意識に腰椎を横や後ろに曲げて神経の影響を軽くします。これが腰椎の側弯や後彎の原因になり、腰椎の病的状態の悪化を引き起こすのです。

治療は病期と症状程度、生活の支障度に応じて行われる必要があります

私の経験では、神経圧迫期後期からは保存治療の効果は失われますので、手術治療を考えるべきです。その理由は、神経機能障害が進むと、手術をしても神経機能の回復が不良になるからです。手術で歩きやすくなったが、下肢に痛みやしびれが残ったというのはそのためです。
手術治療は神経機能の障害程度ばかりではなく、腰痛期であっても、神経圧迫初期であっても、仕事の内容によっては、症状が強く、生活の維持が困難になりますので、患者個々で治療法は判断される必要があります
すべり症の手術では、基本的に神経除圧と固定術が必要になります。私は最小侵襲除圧固定術を行っています。回復が早く、手術による腰痛が残らないのが大きな利点です。



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Y
いつもありがとうございます。
先日脊椎専門医の先生に内視鏡のみによる腰椎固定術の話をしていましたら、視野が一瞬なくなるので固定術を内視鏡のみで行う意味がない、とおっしゃっていました。では全開のが視野がひろくていいのではと、とまどってしまいます。実際はどうなのでしょうか。宜しくお願いいたします。
2012.03.11 17:39
drshujisato
それが内視鏡の限界と思います。私が使う手術顕微鏡は目で見ている対象が拡大されて見えるので、すべて手術顕微鏡下で操作ができるんです。それに私は私独自の方法でやっていますので、他の外科医とは手術のやり方が相当に違います。全開は外科医にはやりやすくなりますが、患者にはその分、痛みを伴います。輸血も必要になることが多いようです。私のやり方が特殊と思ってください。私は、患者の負担を軽くする手術を追求してきました。それが完成し、手術を希望する患者さんが全国から来られています。
2012.03.12 12:14
drshujisato
追加
 内視鏡は手術顕微鏡で見えない部位を見ることができますが平面視です。全体として見える範囲は手術顕微鏡よりも狭くなります。その点、手術顕微鏡は、見える範囲は広く、立体視できる点が優れています。
2012.03.12 12:25

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