県外から受診された内視鏡手術無効の60代の腰椎椎間板ヘルニア患者

.03 2012 腰椎椎間板ヘルニア comment(0) trackback(1)
 急性の腰痛と左臀部から大腿・下腿外側の激痛があり、ある県で1泊の内視鏡手術を受けた患者が私の所へ受診した。L5/S1(腰椎5番と仙椎一番の間)の左外側型ヘルニアとの診断であった。内視鏡によるヘルニア摘出を受けたが、術後もまったく症状の改善はなかったとのことである。その後、痛みは続き、気持ちは滅入り、うつ気分に陥っていたようだ。次第に、左足の反らす力が落ちていき、身体を支えないと靴下をはけないようになっていった。歩行にも支障がでてきた。

 私の所へ来られた時点では、左足の反らす力は著しく落ちており、下垂足寸前の状態であった。左L5神経根領域にしびれと痛み、知覚障害を認めた。 腰椎MRIでは。左L5/Sの外側~超外側部に存在する椎間板ヘルニアを認めた。先の内視鏡手術でヘルニアの摘出に失敗したと推測された。

 この患者の場合、内視鏡を用いた最小侵襲手術であるが、確かな技術の脊椎外科医なら、きちっとヘルニアを摘出し、患者の苦痛を取り除くことに成功していたであろう。椎間板ヘルニアの手術は、内視鏡を使おうが、私のように手術顕微鏡を使おうが、未熟な技術では、患者の期待に応えるような結果を出すことが出来ないという、良い例である。

 その患者の件で残念に思うことは、手術を執刀した医師が他の熟練した医師に相談や紹介をしなかったことである。患者は無効な手術を受けたため、失望と不安でさらにうつ気分が増大していた。

 今日は、このような患者を見て、うつ病による痛みなどと見当違いなことを言う医師も少なくないご時世である。手術の失敗により引き起こされた精神的なトラブルを精神の問題とされたのでは患者は浮かばれない。確かな診断力と技術力がなければ、どんな道具を用いても患者を治すことはできない。これはいつも私が強調することである。

 この患者の再手術を手術顕微鏡を用いた最小侵襲手術で予定した。


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2012.07.05 17:54 まとめwoネタ速neo