腰椎手術の可能性は超高齢者へと向かう:80歳女性の腰椎固定術を可能にした最小侵襲手術

.27 2012 腰椎最小侵襲手術 comment(0) trackback(0)
80歳女性の腰椎固定術が無事成功した。
2年前から腰痛と左下肢の痛みとしびれがあり、次第に悪化を示した。立位保持や歩行が困難が進んできた。右足にもしびれが発現するようになった。

神経機能では、左側に強い足関節の背屈力低下があり、L5神経根領域に知覚障害を認めた。
腰椎レントゲン撮影では、高度の腰椎症性側彎症があり、L4腰椎の回旋も認めた。
腰椎MRIでは、L4/5の左の椎間孔狭窄と両側L5/S1の椎間孔狭窄を認めた。脊柱管内には狭窄病変は認めなかった。

このまま歩けなくなることへの患者・家族の不安と持続する痛みを軽減するため手術治療を決定した。

手術は圧迫を受けている神経根の除圧のため左L4/5と両側L5/S1で椎間孔解放を行い、L4~S1の両側でペディクルスクリュー固定を行った。手術顕微鏡とチューブレトレクター(直径18mm)、O-ARM、ナビゲーションシステムを用いた。皮膚切開は左右に5cm。手術時間は2時間50分、出血量は55mlであった。

患者は翌日からトイレ歩行を開始した。創部痛はあるが、術前の下肢の痛みは消失していた。神経の圧迫が取れたことで、下肢の痛みは速やかに消失した。創部痛も鎮痛剤でコントロール可能である。

側彎変形が進み、椎間孔がつぶれ、その中を通る神経根が圧迫されている患者は、強い腰痛や下肢の痛みを持ち続け、立つことにも困難が増し、歩行障害も進む。

従来では、このような患者への手術治療は殆ど行われる事はなかった。患者は効果のない薬物治療を続けながら、症状に耐え、悪くなっていくしかなかった。

私が進めるこのような高齢者の腰椎疾患を直すための手術治療は着実にその成果を上げている。
その最大の要因は、最小侵襲手術の導入と改良によって小切開、小出血、手術時間の短縮、少ない痛み、早期離床などが可能になったことである。

私は今までの手術法では限界のあった高齢者・超高齢者の腰椎疾患に対する手術治療を確立することが私に与えられたミッションと考えている。

来週には91歳の腰部脊柱管狭窄症と椎間孔狭窄症を合併した患者の手術を控えている。91歳と言っても頭脳は若々しく、肉体年齢は70代後半と言っても良いくらいの方である。効果を示さない保存治療はその患者を生殺しにしてしまうであろう。なぜなら、痛みで動けなくなり、気力が落ち、肉体と頭脳の衰えが加速するからである。

生きている限り、痛みのない、自分の足で動ける状態を維持することは、誰もが望むことである。従来の腰椎治療学では、それを叶えることは不可能である。
新しい腰椎疾患の治療学の確立こそが超高齢化社会を迎える本邦において必要である。

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