俗にぎっくり腰といわれる急性腰痛の原因の多くは、特に若い人では椎間板が関係していることをこのブログで繰り返し説明してきました。
腰痛だけでしたら、通常は安静と薬物治療で1ヵ月くらいで消失します。その場合にはMRI検査は必須ではありません。
しかし、腰痛に続いて臀部や下肢に痛みやしびれが発現した場合には、椎間板ヘルニアが骨の中の神経に影響を与えたと判断して、MRI検査を受けることをお勧めします。なぜなら、MRIを行うことで、ヘルニアの部位や神経圧迫の程度が解るからです。
その結果に基づいて治療は保存治療で良いのか、手術治療が必要なのかを検討できます。
ヘルニアの多くは自然吸収され、治癒の方向へ向かいますが、そうならない物も少なくありません。
腰痛や下肢の痛みが続くのに保存治療を漫然と行うことは勧められません。保存治療は自然治癒が期待できる場合のみ、その値があるのです。言い換えるなら、自然治癒の形をとらないヘルニアでは、いくら長く保存治療を行っても、良くなりません。それどころか、慢性化して、より複雑に悪化していく危険性があります。
保存治療で経過をみて良い条件は、腰痛のみか、下肢の痛みやしびれがあっても発症後1ヵ月くらいには軽減する傾向を示す場合です。
腰痛や下肢痛・しびれが1ヵ月以上、長引く場合にはMRIや腰椎レントゲン撮影を行い、ヘルニアの状態やすべり症や分離症などがないか、検討が必要です。
腰痛・坐骨神経痛で悩むより多くの方に読んでいただきたいと
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