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ぎっくり腰や坐骨神経痛、腰椎椎間板ヘルニアが疑われる場合、どんな時にMRI検査が必要になるか説明しましょう

.28 2012 腰椎椎間板ヘルニア comment(7) trackback(0)
俗にぎっくり腰といわれる急性腰痛の原因の多くは、特に若い人では椎間板が関係していることをこのブログで繰り返し説明してきました。
 腰痛だけでしたら、通常は安静と薬物治療で1ヵ月くらいで消失します。その場合にはMRI検査は必須ではありません。
 しかし、腰痛に続いて臀部や下肢に痛みやしびれが発現した場合には、椎間板ヘルニアが骨の中の神経に影響を与えたと判断して、MRI検査を受けることをお勧めします。なぜなら、MRIを行うことで、ヘルニアの部位や神経圧迫の程度が解るからです。
 その結果に基づいて治療は保存治療で良いのか、手術治療が必要なのかを検討できます。
ヘルニアの多くは自然吸収され、治癒の方向へ向かいますが、そうならない物も少なくありません。
腰痛や下肢の痛みが続くのに保存治療を漫然と行うことは勧められません。保存治療は自然治癒が期待できる場合のみ、その値があるのです。言い換えるなら、自然治癒の形をとらないヘルニアでは、いくら長く保存治療を行っても、良くなりません。それどころか、慢性化して、より複雑に悪化していく危険性があります。
保存治療で経過をみて良い条件は、腰痛のみか、下肢の痛みやしびれがあっても発症後1ヵ月くらいには軽減する傾向を示す場合です。
腰痛や下肢痛・しびれが1ヵ月以上、長引く場合にはMRIや腰椎レントゲン撮影を行い、ヘルニアの状態やすべり症や分離症などがないか、検討が必要です。

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drshujisato
15/05/29のYMさんへ  Re: ありがとうございました

 L3/4の脊柱管内でも病変が偏在(片方に偏っている)している場合には、坐骨神経痛のような症状をだすことはあります。私が本などで書いていることは、一般的な内容ですが、例外的なことは少なくありません。
主治医が自信をもって判断されているのであれば、受け入れて良いのではと思います。
それでは、成功を祈ります。

FROM SHUJI SATO、
2015.05.30 00:07
YM
ありがとうございました。排尿障害の点、安心しました。

主治医も考えられる原因をすべて排除してから、L3/L4間の脊柱管狭窄が下肢しびれ痛みの原因と特定したうえで、一椎間の除圧手術と進める、というお考えです。。
「椎間孔狭窄症ではないか」という質問もしましたが、「それはない」と横断面の画像を診ながらおっしゃっていました。

母の症状は左大腿部と下肢外側の痛み、痺れを言いますので、L3/L4間の脊柱管狭窄が原因というのは、先生の御本を読むと「合わないなあ」という疑問は持っています
2015.05.29 16:55
drshujisato
15/05/28のYMさんへ

 もし、脊髄や馬尾の障害で排尿障害が起こっているのなら、夜間も日中も関係なく、尿閉といって、排尿ができなくなります。排尿のできる状態があるのでしたら、主治医の説明どおり、神経障害性の排尿障害ではないと思われます。飲水を控えてはいないでしょうか。脱水でも尿量の減少が起こりますのでチェックしてみてください。
馬尾障害が発現する脊柱管狭窄はかなり高度の場合ですので、画検査でそれほどの脊柱管狭窄でないのであれば、夜間の尿量の減少は別の原因を考えるべきかと思います。
骨の状態が余り良くないようなので、手術法に制約があるのはやむを得ないでしょうね。それでも、どのような治療が可能か、よく検討していただくと良いと思います。

それではお大事に。

FROM SHUJI SATO
2015.05.28 23:06
-
このコメントは管理者の承認待ちです
2015.05.28 17:16
drshujisato
パーキンソン病と腰椎すべり症がおありのようですね。現在は痛みが強いため重症感があるように感じられているのだと思います。腰椎疾患で重症とは腰椎の障害の程度と神経障害の程度の両方で判定すべきと私は考えていますが、特に神経障害は後々の回復に関係しますので骨自体の問題より私は重視しています。具体的には、下肢に感覚障害や筋肉の動きの悪さや力の低下がなければ神経障害はあっても軽いのが普通です。痛みの程度ではなく、神経機能障害の程度で判断してください。椎間板ヘルニアでは神経障害が急に進むことはありますが、辷り症や狭窄症では急速に進むことは少なく、もし、あるとしたならヘルニアを合併した時です。
脊椎専門医や指導医であることは脊椎疾患の専門として一定のレベルに達していることを意味しますが、どれだけ熟練しているかはわかりません。医師個々で判断するほかありません。これが医師選びの難しいところですね。
最後に手術が必要か否かは、生活の質を重視して判断することが必要です。痛みや下肢の麻痺などで、通常の生活を続けることが3ヵ月以上の間、困難な状態にある方では手術治療を検討すべきと私は考えています。
パーキンソン病をもった患者の腰椎手術を私はある程度経験していますが、パーキンソン病による運動障害があっても腰椎部分の症状は改善できると思っています。

佐藤秀次、
2013.11.04 21:52
NM
51歳女性です。42歳の時にパーキンソン病を発症しK大学病院に通院しています。5年前に少し腰に痛みを感じMRIを撮ったところ少し戻りが悪い腰椎があるとの事でした。そして1年前に痛みを感じMRIを撮ると、第4腰椎が前にズレていて、同病院の整形外科を受診したところすべり症と診断されましたが、痛みが酷くなれば痛み止めを出すからまた来るようにと言われました。

先週の土日に旅行に行き月曜日から左足の痺れと痛みで歩行が困難になり、家事も仕事も出来ません。主治医が整形外科に予約を入れてくださいましたが木曜日です。同病院は脊椎専門外科もありますが以前見て頂いた先生は教授で専門外来の先生ではなかったようです。
同病院はどちらかというと関節の手術のスペシャリストのようです。

自宅の近くにヘルニア手術では有名な日赤やリハビリを重視する県立病院、ペインクリニックなどありますが、このまま木曜日まで自宅待機で大丈夫でしょうか

お医者様の良し悪しはわかりませんが同病院のお二人の専門医は日本脊椎脊髄病学会指導医とあります。日赤の先生は脊椎内視鏡技術認定医でもあります。
勝手にブロック注射などしない方が良いかと思い、今は自宅でゴロゴロしている状態です。歩かなければそれほど痛みはありません。

今の私の症状がどれ位で何を重視して治療を受けたら良いのでしょうか

仕事もまだ続けたいと思っています。丁度、一段落したところで良かったのですが、フリーのグラフィックデザイナーです。パソコンの前に座る時間は長いです。
2013.11.04 03:09
drshujisato
ご報告ありがとう。このまま良くなっていくことを祈っていますよ。
困った時にはいつでもどうぞ。
2012.07.30 00:47

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