患者にできる腰椎失敗手術の見分け方

.10 2012 failed back surgery syndrome comment(6) trackback(0)
9月5日のブログでfailed back surgery(失敗した腰椎手術)について、最近、私が経験した椎間孔内外狭窄の患者を紹介しました。その患者は再手術後5日目で、まだ下肢に痛み・しびれは残るものの、再手術前よりも軽減しており、何よりも歩行状態が改善している。再手術前は歩行器につかまり、腰を前に曲げてやっと歩いている状態であった。さらに、当然のことながら、歩行中の表情は暗かった。しかし、今回、再手術後はまだ下肢に痛みやしびれは残るものの、改善が進んでいることを実感しているため、患者の表情は明るい。さらに、傍目にはまだ歩きにくさを感じさせるが、歩行器も不要になり、笑顔で病棟を歩いている。こうなると、後は時間が薬で、時間と共に改善していく。

手術によって、神経の圧迫が取れ、姿勢や動きの影響を神経が受けなくなると、姿勢・動作や歩行で増強していた腰や下肢の痛みやしびれは速やかに消失していく。勿論、神経に加わってしまった障害による持続的な痛みやしびれが改善するのにはそれなりの時間が必要になる。

椎間板ヘルニアであれ、脊柱管狭窄症であれ、すべり症であれ、病気の種類にかかわらず、患者は術後すぐに手術の効果を実感できるものだ。私は、術後、患者の言葉から手術が成功か否かを判定している。通常、この判定は術後2、3日で可能と考えている。もし、術後すぐに症状の改善徴候が見られない場合には、私は術後2週間までには再手術が必要かの検討を行い、再手術が必要な患者では、できるだけ早く再手術を行う事にしている。それが、failed back surgeryを出さないための私の方針だ。

今回の患者は初回手術から約50日過ぎて、再手術を行った。初回に椎間孔外から神経の除圧は十分にできたと判断していたことが誤りであった。患者は術後、一貫して症状の改善はないこと、姿勢によって痛みが増強することを実感していたのだ。手術治療の困難な患者ではあったが、もっと早くに不完全手術であったことに気づき、再手術を行うべきであったと反省させられる。

手術を行ったが、手術が結果を出せずに失敗に終わったなら、手術を失敗のまま終わらせるのでなく、見落としがなかったか、手術が不完全でなかったか、再手術でよくできないか、慎重にしつこく検討すべきことを強調したい。



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木村
先生のお仕事に対する真摯な態度が、本当に患者にとって救いになっています。
感謝です。
2012.09.10 22:17
drshujisato
ありがとうございます。
治療で困っている、悩んでいる患者の一助になればと
この医療相談質を開設しました。
色々な立場の方や相反する経験をなされてきた方、
色々ですので、意見も考えも異なって当然と思っています。
私は、私の経験を通じて知り得たことをブログで伝えていきたいと思います。
これからも宜しくお願いします。
2012.09.11 00:41
あさ
こんばんは。
いつもblog拝見しております。

突然ですが、
手術しても治らない腰の痛みには
もう諦めるしかないのでしょうか。
毎日つらいです。
別の病院での手術後に来院する患者は
ドクターにとっては迷惑なのでしょうか。
2012.09.12 23:09
drshujisato
回答します:
こんばんわ、
病名とどんな手術を受けられましたか?
手術前の痛みと現在の痛みは同じですか? 異なりますか?
どんな痛みで、どうすると痛みが強くなったり、弱くなったりしますか?
その他の症状はどうですか?

医師次第だと思いますが、一般的には
歓迎されないかもしれませんね。手術を受けられた所から
変わられた理由はどういうことだったのですか?
差し支えなければ教えてください。
2012.09.12 23:36
あさ
先日質問をさせていただいたものです。
腰椎椎間板ヘルニアと診断され、
摘出術をうけました。その後も状態が改善しないため、もう一度検査をすると、不安定症だと診断をうけ、固定術をうけました。
座骨神経痛などはだいぶ軽くなりましたが、
手術前とは違う痛みで手術後のほうが、
辛い感じがします。
座っている間もつらく、あさ起きて行動すると、時間の経過とともに、腰全体が固まった感じになり痛みも強くなります。

以前の病院を変わったのは、上京したためです。先日は詳しく質問せずに申し訳ありませんでした
2012.09.13 16:57
drshujisato
腰椎不安定性のために固定術を受けられたとのことですね。
術前の坐骨神経痛が改善していることは、手術の一つの目的である
神経の除圧は得られていると思われます。
しかし、術前よりも腰痛が強いようですが、これは
固定術の影響と思います。何センチ切開されていますか?
10cm前後か、それ以上なら、標準的な固定術で、腰の筋肉の
剥離、圧迫などが強いため、術後に強い痛みや鉛がはいっているような
重だるい不快感を訴える人が多いです。時間の経過とともに
軽減していくことが多いですが、残る人もいます。
術後、どのくらいたっているのかがわかりませんが、半年から1年位、同様な症状を
訴えることがあります。時間をかけて、経過を見るしかないと思います。
痛みには対症治療を受けて下さい。

2012.09.14 00:03

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