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腰椎手術の落とし穴、それを知ることが防止につながる

.09 2012 failed back surgery comment(7) trackback(0)
二日間の外来診療で、二人のfailed back surgeryの患者がいた。共に脊柱管狭窄症としてL4/5の神経除圧術を受けている。

一人は70代女性で、L4/5の脊柱管狭窄症として除圧術を受けた後も、腰から右下肢の痛みが持続し、入院して1ヵ月の安静と加療を受けたが、よくならないため私の外来を受診した。
症状は右L5神経根の症状であり、MRIでは手術されたL4/5にはL5神経根の圧迫は認めなかった。しかし、L5/S1の左に超外側型ヘルニアを認め、これが左L5神経根症の原因と診断された。再手術を予約された。

もう一人は腰椎症の高度な60 代男性で、他院でL4/5とL3/4の腰部脊柱管狭窄症として2椎間の除圧術を受けた。しかし、術後も右に強い両側大腿から下腿の痛みとしびれが改善せず、立位保持や歩行困難な状態が続いている。主治医からはもう治すべき所はないという説明であったという。
神経所見では、左足関節の背屈力低下と両側L5神経根領域に知覚障害を認めた。痛みは右で強く、筋力低下は左で強い。この場合、患者は痛みのある右側が問題が大きいと受けとめるが、神経障害は筋力の低下している左側で強いことになる。神経障害が進み、痛みはむしろ軽くなているのだ。
MRIでは、L4/5とL3/4の脊柱管は拡大され、神経の圧迫所見はない。しかし、L5/S1の両側の椎間孔狭窄が高度であり、特に左で強い。これはL5神経根障害の強い側と一致する。この患者の真の原因はL5/S1の椎間孔狭窄であり、そのためのL5神経根症である。
L5/S1の両側の椎間孔拡大術が必要と説明した。

この2例は脊柱管狭窄症として除圧術を受けたが、いずれも症状の改善が得られていない。そして担当医はその原因が診断できていない。私が再手術を行う症例の中で最も多いパターンである。このまま行くとfailed back surgeryで終わることになる。

手術をしても症状の改善がない場合には診断か手術のいずれか、あるいは両方に原因があると疑い、原因追及を諦めてはならない。、


腰痛・坐骨神経痛で悩むより多くの方に読んでいただきたいと
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脊柱管狭窄症患者
ご存知と思いますが裁判で上級裁判所が下級裁判所に審理を差し戻すケースがあります。相当な理由があり再度審理せよと云うものです。佐藤先生は尻拭いされているだけです。これでは何時まで立っても今の状況は改善しません。再診断、再手術を差し戻したら如何でしょうか?椎間孔狭窄、外側ヘルニアなどは何年も前に学会で発表されているもので、それを知らない医師はいない筈なのにまだ見落としが繰り返されている事に情けないない気持ちと怒りを覚えます。素人の私でもブログで勉強したので容易に想像出来る原因なのに、先生はどう思いますか?アフリカなどでまだ医療が未発達な国なら理解できますが日本で起きている事に正直信じられない気持ちです。
2012.10.09 15:54
drshujisato
ご指摘のように、椎間孔狭窄や椎間孔外狭窄はその存在を専門医なら誰でも知っているはずです。しかし、自分で診断し、手術するとなると、その診断法や手術法がきちっと習得されていないのが現実です。教育できる医師が少ないのだと思います。手術失敗後、私を受診し、椎間孔外狭窄と判明したのですが、私の病院の手術待ちが長いため、待ちきれず、今回の診断結果を先の執刀医に伝えてもらい、そこで再手術を受けたいといわれたので、奇異な気持ちをもちましたが、請われるまま、所見と診断を書いて患者に持たせました。そして、再手術を受けた患者が二度までも私を受診し、再手術で良くならなかった訴えました。画像をチェックすると原因部位が治されていないのです。紹介する際に一抹の不安があったのですが、不幸にも的中してしまいました。依頼、診断のつかない医師には紹介することをやめました。診断をつけられないということは当然、手術法も熟知していないと推測されるからです。患者を何度も犠牲者にするわけにはいきません。このようなことが実態としてあります。閉鎖的なまさにガラパゴス化した医療の縮図を脊椎外科に見ている気持ちになります。
2012.10.09 23:05
脊柱管狭窄症患者
この実態に何と表現して良いか分かりませんが、人災ではないかと思います。私は当初手術のリスクは後遺症がメインだと思っていましたが、驚きのひとことです。正にガラバコスですね。環境の変化についていけない、進化しない生物は死しかないと云うことです。また個人的には、患者はもっと怒るべきです。酷い事されたのだから当然です。そうでもしなければ駄目な医師が蔓延るばかりで患者は救われません。
2012.10.10 13:27
70歳男性
本日のブログで核心部分に触れたように思います。私も現実を見て驚きました。後はそう云う目に合わない方法を患者が考えなくてはならないと思います。それが佐藤先生がブログを開始した理由なのですから、その気持ちは医師として現実があまりに酷い事を訴えたかったからだと思います。お陰で防衛策が自分なりに出来ました。是非皆さんも自身で防衛策をそれぞれつくるようお願いします。有難うございました。
2012.10.10 16:46
55歳男性
整形外科の先生に坐骨神経痛と言われ保存治療をしています。自身で専門書を買って勉強しました。①坐骨神痛はL4,L5,S1,S2,S3からなっている。そこで質問あります。②各神経根障害によって症状は違うのですか?③先生のブログにはL5神経根障害が多いのですが、他の神経根障害はないのですか?以上宜しくお願いします。
2012.10.11 13:03
55歳男性
再度質問あります。L5神経症はL4/L5の脊柱管内とL5/S1の椎間孔内外に多いとブログで拝見しました。またMRIで確認出来る。しかし先生は独自の撮影方法により出来ると思いますが通常の撮影方法だと無理なのでしょうか?他の医療機関でのMRI画像で問題が無いのが先生の撮影で発見される事が多いですか?以上重ねてお願いします。
2012.10.11 17:56
drshujisato
質問①
 坐骨神痛はL4,L5,S1,S2,S3からなっている。
  回答:その通りですが、L4神経根は坐骨神経よりも大腿神経への関与が大きいです。

質問②各神経根障害によって症状は違うのですか?
  回答:違いますよ。皮膚の感覚と筋肉の支配が神経根によって異なります。私のブログでも説明したことがありますので、調べて見て下さい。    

質問③先生のブログにはL5神経根障害が多いのですが、他の神経根障害はないのですか?
  回答:勿論、他の神経根症もありますが、L4/5が狭窄症やヘルニアなどの好発部位であること、さらに、
   L5/S1の椎間孔や椎間孔外など障害を受ける部位が多いのがL5神経根症の特徴です。

質問④L5神経症はL4/L5の脊柱管内とL5/S1の椎間孔内外に多いとブログで拝見しました。またMRIで確認出来る。しかし先生は独自の撮影方法により出来ると思いますが通常の撮影方法だと無理なのでしょうか?他の医療機関でのMRI画像で問題が無いのが先生の撮影で発見される事が多いですか?

   回答:私は横断、矢状断、冠状断をルーチン検査で行い、横断撮影は椎間板の部位のみではなく、連続的に輪切り状に横断撮影を行います。椎間板レベルのみの横断像だと外側へ遊離したヘルニアを見落とすことがでてきます。さらに椎間孔内外狭窄は横断と矢状断と冠状断の組み合わせて診断していきます。撮影の仕方もありますが、読影法の違いも大きいと思います。私は自分で画像所見を読影します。症状・所見と合わせてMRIを読影しますのでフォーカスを絞った読影ができるのです。


2012.10.11 22:48

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