脊椎最小侵襲手術の普及を願って

.18 2014 脊椎最小侵襲手術 comment(4) trackback(0)
 ヘルニアや狭窄症などの腰椎変性疾患に対する手術治療は神経除圧のために腰の筋肉に傷害を与え、骨を削る。この程度が大きいほど、患者にとって術後の痛みは強くなり、回復に時間を要する。

 最小侵襲手術は、神経除圧という同じ目的を達成するために、可能な限り筋肉を傷めず、骨の削りを少なくする。その結果、術後の痛みは軽微であり、鎮痛剤が必要なほどの痛みを感じる患者は極めて少ない。退院時には大部分の患者で鎮痛剤は不要である。さらに傷が小さく、手術時間が短いため、手術感染はゼロである。入院期間の短縮も可能である。

 腰椎分離症や分離辷症、変性すべり症、側彎症などで行う腰椎固定術も最小侵襲手術は患者にとって極めて有益である。通常の開創法による固定術と比べて、術後創部痛の痛みは少なく、鎮痛剤の必要性も少ない。さらに、開創範囲が狭く、筋肉などの軟部組織の傷害が少ないため、さらに手術時間の短縮化をはかることで術後感染はほぼゼロである。輸血の必要もなく、入院期間の短縮化をはかることが可能である。

 腰椎の最小侵襲手術は患者にとって、望み得る多くの利点を持つ。しかし、どこに手術を行うかの正確な診断と極めて狭く深い術野での高度の手術技術が求められる。

 私は、この正確な診断力と的確な技術力がこれからの脊椎外科医には必須と考えている。私の経験から,ヘルニアや狭窄症、腰椎症、すべり症などは手術で治し得る疾患と私は信ずる。治せないのは私たち脊椎外科医の力が及ばないためとあえて言いたい。腰椎外科手術の現状に満足することなく、脊椎外科医は患者のためにもっと外科医としての高みに自らを押し上げていくことが必要である。そのために私の経験が役に立つのであれば、希望する脊椎外科医にそれを伝えたいと考えている。私へのコンタクトを待っています。


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佐藤
どんな分野の職業でも一線を超えるレベルに到達できる人は一握なんだと思います。
どんなに勉強して努力してもどうしても超えることのレベルがあると思います。
先生のレベルの診断力・手術技術を100人の脊椎外科医が目指して何人が到達できるのかは素人にはわかりませんが。

腰痛に苦しむ患者としては日本全国に増えて欲しいです。

2014.02.18 15:30
drshujisato
ご指摘の通りと思います。野球を例にとっても、日本のプロ野球なら通用する人、一方、大リーグでも通用する人がいるように個人の努力だけでは超えられない壁があります。手術における外科医の技術にも同様のことがいえると思います。しかし、腰椎疾患の診断力はセンスも必要ですが、理論的に学ぶことはできます。その診断に基づいて、個々の外科医の技量に見合った手術法で原因治療を的確に行うなら、手術結果をよくすることは可能と思います。私は、手術侵襲を最小化する取り組みを行ってきましたが、それが無理なら、ある程度、開創しても痛みやしびれを起こしている腰椎の原因自体を的確に取り除くことによって、患者の症状改善を図ることができます。個々の外科医の技量に見合った手術法の指導を受け、それをマスターできたなら、患者の満足の得られる手術になるでしょう。腰椎疾患の診断と手術治療の原理・原則を学ぶ気概が外科医には必要と考えます。
2014.02.18 23:23
長谷川
腰部椎間板圧迫力について。

下記サイトに腰部椎間板圧迫力について記載があります。
http://homepage2.nifty.com/aseo/bpress.htm
このサイトを拝見するとL5/S1椎間板に不可逆的な損傷を与えない腰部椎間板圧迫力は3.4kNとあります。性差、年齢差を加味すると、この値(しきい値)は変わるようです。

《先生への質問》
このサイトに記載してある腰部椎間板圧迫力は正常な椎間板が不可逆的な損傷を受けないためのしきい値ですが私のような髄核摘出術を受けた者が再発しないためのしきい値は、どのくらいで見積っておけばいいのでしょうか?
先生に診断、手術を受けたわけでないので回答しようがないかもしれませんが、目安としてのしきい値で構いませんので、ご教示頂けませんでしょうか。
何卒、よろしくお願い申しあげます。
2014.02.23 12:28
drshujisato
腰椎についても、色々な研究が行われていますが、
ヘルニアの摘出を受けた患者の椎間板がどれだけの負荷に耐えうるかを知る方法はないと思います。
それよりも、減量を守り、腹筋と背筋を鍛えることの方が現実的な予防対策だと思います。
それでも、再発したなら、再手術で治せばよいと私は考え、そのようにやっております。
貴方の知りたい答えにはなっていませんが、私はそう思います。
ヘルニア手術後は3ヶ月ぐらいは無理を避け、その後は徐々に筋力をつけながら、通常の生活に戻していくことを私は指導しています。
2014.02.24 23:53

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