首や腰で整体やカイロプラクティック、矯正を受ける方々に注意して欲しいこと

.24 2014 整体、カイロプラクティック、矯正 comment(5) trackback(0)
2012年9月3日のブログで、国民健康センターが国民に向けて次の注意を勧告したことを紹介しました。

PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)に2007年から5年間、整体やマッサージ等、器具を使用しない手技による医業類似行為を受けて危害が発生したという相談が825 件寄せられており、その件数は増加傾向にある。

具体的には、マッサージ」という語句を含む施術に関する相談が281件(34.1%)で最も多く、次いで「整体」という語句を含む相談240件(29.1%)が多かった。

国家資格との関連では、国家資格制度のない施術である「整体」、「カイロプラクティック」、「矯正」などでの相談は366 件(44.4 %)でした。
一方、国家資格を持つ者のみが行うことのできる施術に関する相談は、「接骨院や整骨院での施術」が112 件と「指圧」が27件で、合計139件(16.8 %)でした。

危害部位は、「腰部・臀部でんぶ」が164 件(21.7 %)で最も多く、そのうち112件
は腰に危害が発生したという相談でした。また、「首」135 件(17.8 %)でした。その他は省略します。

危害内容は、「神経・脊髄の損傷」が177 件(21.6 %)でした。その他は省略します。

この勧告内容からは、国家資格を持つ施術と持たない施術間で危害発生数に明らかな相違のあることがわかります。さらに、腰部と頚部に関する危害が多く、その内容としては、神経・脊髄の損傷が21.6%に発生しているという実態が明らかにされました。

これらの相談件数はいわば氷山の一角であり、実数はいかばかりか想像さえつきません。
私は、手技による医療類似行為は脊椎患者に対しては特にリスクが高いと感じてきました。なぜなら、頚椎や腰椎の伸展や屈曲、回旋などを行うことは、脊髄や神経根が脊椎の中で圧迫状態にある患者では、それらを悪くすることは明らかなことだからです。施術中にすぐに手や足に痛みやしびれが発現する場合と、その時は大丈夫でも翌日から痛みやしびれが発現する場合があります。早くに症状が発現するほど、頚椎や腰椎の状態が悪いと注意しなければなりません。
 
 首や腰に関して、整体やカイロプラクティック、矯正などの手技を受ける方に注意して頂きたいことを次にあげます。

(1)首では、自分で頚椎を軽くゆっくり反らしていった時、一側あるいは両側の肩甲部や、二の腕、腕になどに痛みやしびれが走る場合は、危険なサインと受けとめて頂きたい。なぜなら、このサインは脊髄や神経根が頚椎内で圧迫された状態にあることを示すからです。痛みやしびれのある側に首を傾けて、痛みやしびれが誘発される方も同様に危険なサインと受けとめて頂きたい。

(2)腰では、腰椎を伸ばした時や仰向けで両下肢を伸ばして寝た状態から、下肢を伸ばしたまま足を上げていった時に臀部から太ももに痛みが強くなる方や痛みで足を上げられない方では、神経根の危険なサインと理解してください。腰椎内で神経根の圧迫があることを示すからです。腰ヘルニアによる腰痛の方では、前屈み姿勢で腰痛やヘルニアが悪くなる危険のあることを知っておいて頂きたい。

また、普通の状態でも、既に上肢や下肢に痛みやしびれを感じる人では、整体などの手技は避けることが安全上必要と思われます。

手技による医療類似行為を職とする方々は、頚椎や腰椎には危険な問題が潜むことを充分に認識して、施術を行って頂きたいと思います。国家資格の有無で、危害の発生状況に差が生じているのは、頚椎や腰椎疾患の知識や教育の差であるのかどうか私には判りませんが、患者さん達にも危険を伴う治療行為であるとの認識が必要です。以前にも書きましたが、頚椎や腰椎では、病気を知らずして、型のごとく、安易に行う治療手技が思いもよらぬ結果に繋がることを知っておくことが必要です。

私の診療圏では、鍼灸院の方々から、時々、患者の紹介を受けます。原因診断と治療方針の判断を求めてです。私は大変良いことと考えていますし、患者さんによっては安全に治療を行うために大変大事なことと思います。


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佐藤
一つ前の記事ですが私の近所でも似たようなことを言われた方がいます。

脊柱管狭窄症で手術を受けて嘘のように楽になったそうですが、半年後には手術前の状態に戻ってしまい今では手術前より酷くなり症状は悪化してます。
年齢は80歳近いので本人も諦めていますが・・・。

症状が元に戻った時に医師に、「あなたは手術しても治らないタイプだったんだと思います」と言われたそうです。

手術後半年間楽になったということは手術は成功したけど再発したのか、除圧がしっかりできてないのか私には分かりませんが、再手術をする医師はなかなかいません。
それだけ難しいということだと思いますが(先生のブログで学びました)

しかし、24時間両足の痺れは気の毒です。
いくら80歳でも生きてる間は楽なまま生活したいと思うのが人間だと思います。
この気持に年齢は関係ないと思います。
2014.08.26 20:51
drshujisato
14/08/26 佐藤さんへ  

私が明日手術する患者さんは、二人ともかって私が腰を手術をした方々です。一人は以前の手術とは別の場所に狭窄症が発生し、もう一人の方は前回2カ所の神経除圧をしましたが、その内の1箇所に再発が起こりました。すべり症が起こったための再発です。私は、腰椎変性疾患とは、このような病気と受けとめています。繰り返す人は、何度でも繰り返します。それは確かに患者さんの身体に起こしやすさがあるからかもしれませんが、大事なことは、それを治す医師が必要ということです。医師がギブアップしたなら、患者さんは救われません。高齢者にでも再発にでも挑戦できる診断力と技術力を兼ね備えた脊椎外科医が今後増えないなら、腰椎変性疾患は高齢化社会で悲惨な問題になると危惧するのは私だけではないと思います。

from 佐藤 秀次
2014.08.26 22:12
佐藤
ありがとうございます。

先生のブログをずっと読んでると素人でもそこそこ知識がつきますね。

少し前にもここで書きましたが、現在20歳~50歳くらいの方の場合は、先生に手術をしてもらっても、治った後の再発まで計算します。

先生のブログを読むことで知識がついてるので再発は珍しくないこと、そして他の医師では再手術を受けてくれないこと。
つまり、先生しか手術をしてくれてる医師がいないということになります。

これは、常に将来に不安をかかえてることになります。
先生よりも高齢な患者は良いとしても先生よりもずっと下の年齢の患者は先生が手術できなくなったら終わりなんです。
おそらく先生より長生きする患者です。

脊椎脊髄のプロの医師がもっと増えて欲しいと願ってます。

少し前に、日本脊髄外科学会の「訓練施設」に認定されてるような病院は良いという話を聞きました。

http://square.umin.ac.jp/jsss-hp/system/public/

若手の医師を育てる病院だから指導する医師がいるわけなので手術の腕も良いのではないかということです。

腰痛に悩む人はいろいろ調べてますね。
何が良いのか混乱するばかりですが・・・。
手術件数、低侵襲、内視鏡、顕微鏡、指導医、、、。
選ぶ基準がたくさんありますがどれも決定打にはなりません。
2014.08.27 21:00
drshujisato
14/08/27の佐藤さんへ

 私は医療を変えるためには、患者に病気に対する正しい知識をもってもらい、医師のいいなりにならない賢い患者になることが必要だと考えています。そのため、できるだけ患者視点のブログ内容にしています。

 今の脊椎医療のあり方には、私も大いに問題を感じています。それに対して患者自身が異論を唱えなければ何も変わらないのではと私なりに長く医療界をみてきて、そう思うのです。

 患者さんの意識を変えることが、医療を変えることに繋がると信じるようになったことが、私がブログを始めた一番の理由です。
一般の方々に腰や首の病気の正しい知識を持ってもらいたいと切に希望しています。

 なかなか道は遠いですが、諦めずに患者さんのために働くことに喜びを感じる医師を増やす努力をしていきましょう。

FROM 佐藤秀次

2014.08.29 09:17
佐藤
お忙しい中ありがとうございます。
勉強になりました。
2014.08.29 20:22

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