腰部脊柱管狭窄症と診断され、病院を転々、身体は不自由になるばかり!

.11 2011 腰部脊柱管狭窄症 comment(0) trackback(0)
私の脊椎専門外来に70後半の男性が杖をつきながら入ってきた。右の臀部から大腿から下腿の外側に痛みとしびれが起こり、歩けなくなってきたとの訴えである。症状が始まってから、すでに1年以上が経過している。この間、病院を転々とされたそうだが、ある病院では、腰部脊柱管狭窄症の診断、ある病院では坐骨神経痛などである。結局のところ、治療は薬物療法が中心。しかし、症状は一向に良くならず、悪くなる一方であった。左下肢には症状はないという。話を聞きながら、私には病名がぴーんと来た。確かに、症状は右下肢だけだが、脊柱管狭窄症に似た症状である。なぜなら、腰を伸ばすと痛みが強くなり、腰を前に曲げると痛みが軽くなる。立っていることや歩くことがだめで、座っていると楽である。診察をすると、右の腰椎5番目の神経領域、すなわち下腿外側と足の甲にしびれと感覚障害があり、足を反らす力が落ちている。その他の神経症状はない。なるほど、脊柱管狭窄症、坐骨神経痛と診断されたのにはそれなりの根拠があるのだ。そこで、MRIを見た。すると、脊柱管は広々としていて、狭窄症などない。通常は腰椎の4番と5番の間の脊柱管に狭窄症やヘルニアがあるのだが、何もない。なるほど、薬物療法しかできなかった理由がわかった。わたしは、原因不明と言われた坐骨神経痛の患者さんを沢山診せていただいてきた。それらの患者さんに共通しているのは、MRIで脊柱管内に症状を説明出来る病変がないことである。実は、私も随分昔にこの問題に行き当たり頭を悩ませた時期がある。明らかに腰椎5番の神経の症状であるにもかかわらず、MRIでは、あるべきはずの異常所見がない。試行錯誤の末にMRIを通常の取り方から変えて、腰椎5番の神経が骨の中から外に出ていく様子が描出されるようにした。すると、腰椎5番の神経根が腰椎の5番と仙椎の1番の間で骨のトンネル(椎間孔と言って、神経の骨の外への出口)の直ぐ外で椎間板と仙骨翼(せんこつよく)と呼ばれる骨の間で圧迫されていることに気づいた。それ以来、200例以上の同様の患者さんを診断し、手術してきた。この患者さんもこの骨のトンネルの外で腰椎5番の神経根が圧迫されていたのです。脊柱管狭窄症などではなかたのです。これは昔、外国の外科医がFAR-OUT SYNDROME(ファーアウト症候群)として報告したものですが、私は椎間孔の外で神経の圧迫が起こるので、椎間孔外狭窄症と呼んでいます。この病気も17mmの切開によるMD法で治すことができるのです。患者さんは手術を予約され、謎が解けた喜びで診察室を出られていきました。私には、杖なしで歩く患者さんの姿が重なりました。





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