腰椎手術は成功したが、良くならないのは精神的な問題とされ、真の原因を求めて 遠く県外から受診された高齢女性の一人旅

.19 2017 脊椎疾患 comment(4) trackback(0)

 「坐骨神経痛の原因は椎間孔狭窄症」の診断で、右L5/S1の椎間孔内でL5神経根除圧術とL5/S1のペディクルスクリュー固定術を受けたが、術後症状の改善が得られず、次第に悪化していると訴え、81歳の女性が遠く県外から受診されました。


執刀医から手術は成功しており、痛みが良くならないのは精神的な問題とされ、色々と強い薬を投与され、その副作用にも苦しんでこられた。セカンドオピニオンも必要ないと言われ、無効な治療が続けられてきたと言う。


私の本「腰椎手術はこわくない」を読まれ、何としても真の原因が知りたいと、1年がかりで受診が実現したと言う。精神的なものではない、必ず解き明かされない原因があるはずと、その強い思いが施設住まいの高齢女性を動かしたのである。


私は話を聞きながら、やるせない気持ちになりました。患者さんの症状についての説明を聞きながら、脊柱管狭窄症の症状、それもL4/5の狭窄症と診断できたからです。MRI画像では、診断されなかったL4/5の脊柱管狭窄症の所見が認められました。確かに、脊柱管は全体としては狭くないが椎間関節の変形肥大によって脊柱管外側部が狭くなっており、そこでL5神経根が絞扼されていました。狭窄は最初に症状が発現した右側で強く、左側はそれよりも軽い状態でした。


L5/S1でのL5神経根の除圧と固定術が無効であったのは、真の原因部位が違っていたためです。さらにL5/S1で固定されたために、隣接椎間であるL4/5に負荷が増し、脊柱管絞窄が進行し、症状が悪化したと診断致しました。


患者さんは原因が解明され、執刀医から精神的なものとあしらわれてきた惨めで不安な気持ちから、やっと抜け出せることに安堵された様子でした。そして、当院での手術を予約されていきました。辛い痛みから解放されたくて、高齢にも関わらず大手術を受けることに同意したのに、最後には心の問題とされてしまい、どれほど納得いかなかったことか、胸の痛む事例でした。それにしても私の本を買われ、独学して受診につなげられた知力と行動力に感服しました。なんとしても良くして差し上げなければ、私ども脊椎外科医の存在意義はないでしょう。

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ねこさん
昨年9月に、腰椎椎間板ヘルニアの手術をしました。
退院後、腰の痛みは良くなったり悪くなったり繰り返し、4月に両足に痺れが広がっりました。
現在は、腰の骨の痛みに両足の痺れに悩まされており、二時間程しか立って居られないので、働く事もできません。

主治医に予約を入れましたが、1か月後とあり、リハビリで通っている整形外科で、見てもらうと、MRIは異常はないようで、もう治らないとの事。

先生の話では、手術をして、感覚症状は治せないので、折り合いをつけて生活するしかないとの事です。

ネットで色々と調べて、ペインクリニックの診察を薦められましたが、そこで治ったと言う声が、少ないです。
ペインクリニックは対処療法にしかならず、分からないみたいです。

やはり、もう治らないのでしようか?
出来れば手術したくありません。

精神的にも肉体的にも、経済的にも疲れてしまいました。

私はどうすれば良いのでしょうか?
2017.04.22 20:26
drshujisato
16/04/22のねこさんへ   Re: はじめまして、

誠に残念な結果であり、医師による術後の対応に疑問を感じます。
椎間板ヘルニアの術後経過としては明らかに問題があります。
しっかりと原因を診断できる医師を探すしかないと思いますよ。
必ず周囲にいると思いますので諦めず医療機関を当たって下さい。
もし、周囲に適当な医師が見つからないのであれば、
私の外来を受診していただいても宜しいですよ。
ご検討ください。
繰り返しますが、諦めないことです。ヘルニアなら良く出来るはずですので。

FROM SHUJI SATO
2017.04.23 23:22
RAM
佐藤先生、はじめまして。
55歳女性です。
今年3月中旬より、腰の痛みがあり、整形外科での検査の結果、第5腰椎分離すべり症、と説明を受け今治療中です。2年前にも痛みがあり同じ病院でその事は、検査で判明していましたが、その時は、痛み止め飲み薬とシップで、おさまりました。
今回再発してから、最初は、軽い腰の痛みでしたが、この一カ月で急激に状態が日に日に悪くなって行きました。主治医の説明では、すべり具合も、通常よりあり、1、2、3段階だと、2のレベルだそうです。そして、それに加えて私の場合、第5関節?だったと思いますが、椎間板間がすり減ってない状態という事です。

今は、トラムセットという痛み止めを飲みながら、コルセットを着けて、それでも、家の中を動くのがやっとの状態です。長く歩く事はできませんし、起き上がりも大変で、前にかがむ動作も全くできません。痛み止めを飲んでも、動作を変える時には、痛みが走ります。薬が切れる頃には、足をちょっと上げただけでも痛みが走り、動けなくなります。
左側の腰が痛いのですが、右足の膝から下がしびれていて、両足の外側にヒリヒリ感が若干あり、下半身が全体的になまりが付いてるように重いです。もともと頻尿ではありましたが、夜中に起きる、などさらに症状が出ている感じはします。
主治医は、なるべく手術はせず、最後の手段で取っておいた方が良い、との説明です。痛み止めトラムセットで、過ごしています。これも飲み続けても大丈夫なのだろうか?という不安もあります。
このように、身体が自由が効かず、痛み止めを飲んでも、外を歩けない、では、この先どうしたものか、と悩んでいます。
ブロック注射も、最初は、仙骨ブロックをうちましたが(それは1日ぐらいは効きました)色々な箇所に打って試す事により、痛みの発症源を突き止める、実験的なものを試しています。(そうしないと、どこが原因かわからないと、手術もできないように説明を受けました)
最初は、神経ブロック、そして、分離している骨への、分離ブロックを打ったのですが、どちらも効き目はありませんでした。
そして、今度は、椎間関節ブロックを打つ、(椎間板への注射)との事なのですが、こちらは、麻酔科医の先生からも、難しい注射である、と説明を受けました。
後遺症も残る場合も、稀にある、との説明を受けたので、若干恐ろしさも感じています。もしも、希望しないならば、受けなくても良い、と、ドクターからのお話でした。
それで、ご質問ご相談なのですが、この椎間関節ブロック注射は、打っても大丈夫なものなのでしょうか?
それから、もしもこの注射を受けたとして、この椎間関節ブロック注射に効き目があったとして多少痛みがひいたとしたら、この部分が原因であることがわかり、今後の治療や手術の方向性がわかるのでしょうが、このブロック注射に効果が、ない場合、どこが原因が特定できないので、私は、いつまでたっても、手術が受けられない、ということになるのでしょうか?
又、痛み止めのお薬もずっと飲み続けて大丈夫なのでしょうか?
私としては、手術をしてでも、この痛みがなくなり、今より自由に動けるようになりたい、と思っています。
佐藤先生のブログにたどりつき、拝見しているうちに、先生にぜひアドバイスをいただきたいな、と思いまして、勝手ながら、メッセージさせていただきました。
何卒よろしくお願いお願いいたします。
2017.04.28 15:29
drshujisato
17/04/28のRAMさんへ   Re: 腰椎分離すべり症

 L5/S1の分離すべり症による椎間孔狭窄による両側のL5神経根症状であろうと思われます。
あなたの年齢と症状の進行状態から、手術が必要な状態にあります。
ブロックはあくまでも対症療法であって、根本を直すわけではありません。
このままでは生活の質がより損なわれていくと思いますよ。
腰椎分離すべり症も最小侵襲固定術によって良好な改善が期待できます。
詳しくは私の本「腰椎手術はこわくない」に書かれていますので、参考にしてください。
神経障害が進んでからでは、症状の改善が不良になりますのでご注意ください。

FROM SHUJI SATO
2017.04.30 00:26

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