たかが腰ヘルニア、されど腰ヘルニア

.20 2011 腰椎椎間板ヘルニア comment(0) trackback(0)
私は、マイクロラブ法とMD手術を併せると、腰ヘルニアだけでも過去に1000例以上の手術を手がけてきました。ヘルニアは椎間板が骨の間からはみ出して、骨の中や外を通る神経を圧迫して、腰痛や臀部痛、下肢の痛みやしびれを出すわけですから、これを取ってやれば治るのは当然の事です。なぜなら、ヘルニアが出るまでは、そのような症状はもともとなかったわけですから。では、なぜ、手術成績が安定せず、手術をしても良くならない人、変わらない人、悪くなる人がでるのであろうか。その答えは二つです。一つはヘルニアの診断の困難さです。MRIでは、歳と共にヘルニアが複数発見される機会が増えることは普通といっても言い過ぎではありません。2カ所、3カ所、4カ所とヘルニアが出ている方がいます。それでは、これらのヘルニアのどれが現在の症状の原因であろうか、となると正確な診断を下すことは容易ではなくなるのです。例えるなら、事件が起こり、その容疑者が複数でてきた。真犯人は誰か。単独犯か、複数犯か。刑事の腕のふるいどころであります。腰ヘルニアでも同様の状況が起こり得るのです。ヘルニアは複数あるが、現在の症状の原因はどのヘルニアか、一カ所だけか、二カ所関係しているか。この見極めが難しい場合が多いのです。どれが原因か分からないから全部、取ってしまえとなると、事件の場合と同様に冤罪で摘出されてしまうヘルニアがでるのです。幸い、腰ヘルニアは冤罪が問題になることは、表面上は起こらないため、下手な鉄砲数打ちゃあたる式に患者の症状は良くなるから、手術は成功となります。患者によっては、容疑者を発見できない場合もでてくるのです。前回説明の超外側型ヘルニアがその良い例です。幻の坐骨神経痛となってしまうのです。このように先ず、腰ヘルニアの診断は必ずしも容易ではないということが、手術成績を出せない原因の一つとしてあります。そのほか、脊柱管狭窄症が合併していたり、すべり症が合併していたりして、ヘルニアの診断はますます困難になります。このようにヘルニアの診断自体が難しい場合が多いのです。そうして、手術成績が安定しない二つ目の理由は、術者の腕と関係するのです。経験が不十分な外科医がヘルニアの手術をすると、ヘルニアによって圧迫されている神経を傷害することを恐れて、不完全な手術に終わったり、手術操作の過程で神経に障害が加わってしまう場合があるのです。これを手術ミスということは外科医に取って酷というものです。神経を扱う怖さを知るからこそ、何とかしてヘルニアを取って良くしてあげたいと思うからこその結果であるからです。どんな職業でも熟練した方とそうでない方との間で、結果に差がでます。当然なことです。外科医も同じです。だからこそ、手術治療に慎重になり、保存治療に傾くことは私には十分に理解できます。熟練した外科医が手術しても、ヒヤヒヤすることがあるのですから、腰ヘルニアはたかがヘルニア、されどヘルニアなのです。




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