患者から学び、目から鱗落ちる

.17 2011 腰椎椎間孔狭窄 comment(0) trackback(0)
60歳代の男性患者の腰部脊柱管狭窄症の手術を4年前に行い、術後は、腰痛や下肢の痛みはとれたが、しびれが残った。その後、下肢のしびれは次第に強くなり、立位や歩行で腰痛や大腿部の痛みを伴うようになった。今年、再度診察した。症状は間違いなく根性坐骨神経痛である。しかし、MRIを見ても、以前手術した部位には問題なく、坐骨神経痛の原因を特定できなかった。仕方なく、保存治療で経過みることに。しかし、坐骨神経痛は持続し、次第に腰椎第5番目の神経根症状であることが明らかになってきた。MRIを再検すると、腰椎5番と仙椎1番の椎間孔の狭窄があるが、その所見は以前からあり、その程度は強くはない。腰を伸ばすと症状が悪化し、前に曲げると改善する。明らかに神経根の圧迫による症状である。その椎間孔狭窄しか原因は考えられないと判断した。保証はできないが、手術により改善できる可能性があることを説明すると、是非手術を受けたいとの返事であった。手術はMD法により椎間孔を拡大し、神経根の圧迫を取り除いた。術後速やかに痛みとしびれは消失した。この患者が私に教えてくれたことは、神経根の圧迫自体は強くなくても、もともと狭い椎間孔内では腰椎の生理的な動きによっても神経根の症状が発現することである。MRI画像だけでは、診断は困難である。患者の正確な症状申告と神経機能障害に基づく障害神経根の診断が原因部位の特定に重要なのである。脊椎外科医の目からまた一つ鱗が落ちた瞬間であった。結局、最初の手術後にも下肢にしびれが残ったのは、その時に見逃した椎間孔狭窄がその原因であった。


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