FC2ブログ

頚椎椎間番ヘルニアに対するMD法によるヘルニア摘出術

.05 2012 頚椎椎間板ヘルニア comment(0) trackback(0)
頸椎椎間板ヘルニアの手術治療
  
患者:30歳男性。左C5/6の椎間番ヘルニア 
症状経過:2年前から、両手のしびれと右足のしびれあり。近医で頸椎椎間板ヘルニアの診断を受ける。手術を勧められるも、そのまま放置した。次第に、左に強い巧緻運動障害と歩行障害が発現し、階段昇降に手すりが必要となったため私の外来を受診した。

診断は左に強い神経根・頸髄症。
MRI画像所見を下に提示する。

頸椎椎間板ヘルニア C5-6   術前矢状断 
術前MRI矢状断像:C5/6の左側に椎間板ヘルニアを認める。

頸椎椎間板ヘルニア C5-6   術前横断 
 術前MRI横断像:C5/6の左側に椎間板ヘルニアを認める。

頸椎椎間板ヘルニア C5-6   術後矢状断 
 術後MRI矢状断像:ヘルニアが摘出されている

頸椎椎間板ヘルニア C5-6   術後横断 
 術後MRI横断像:ヘルニアが摘出されている。

手術ビデオ
 頚部後部の正中近くに18mmの皮膚切開
 チューブレトレクター 直径16mm、長さ60mmと手術顕微鏡を使用
 手術所要時間:1時間35分
 出血量:55ml


[広告 ] VPS


手術図
渡辺 亮太 30歳 男 頸椎 H21 3 11
術後12日目に退院する。術前の両上肢と手のしびれは軽減し、指先に残る程度であった。手指の巧緻運動障害が歩行障害はほぼ消失していた。
その後は安定した経過で受診はない。

腰痛・坐骨神経痛で悩むより多くの方に読んでいただきたいと
思っております。応援クリックお願いいたします。

人気ブログランキングへ にほんブログ村 健康ブログ 腰痛・ギックリ腰へ

頚椎椎間板ヘルニアに対する仕立て屋手術:術後カラーのいらないMD手術とは?

.17 2011 頚椎椎間板ヘルニア comment(0) trackback(0)
 40歳代の男性が10年来、左肩から腕に痛みとしびれがあり、今年の4月頃からは人差し指・中指にしびれが強くなり、夜は痛みが強く睡眠が十分取れなくなったと受診されました。他の病院では頚椎には特に問題はないとの診断を受けていました。症状からは、左の頚椎7番目の神経根の症状であり、MRIとCTから頚椎6番と7番の左の椎間孔(神経根が骨の中から外にでるトンネル)に古い石灰化した椎間板ヘルニアを認めました。長い経過ですので、ヘルニアが固くなり、次第に椎間孔が狭くなり、7番の神経根の圧迫が進み、痛みと手指のしびれが強くなったのです。長い経過と根性痛(神経根が出す痛み)が強いいため、手術治療を決めました。この場合、通常ですと前回説明した前方固定術が行われるます。頚椎の前方から椎間板を摘出し、椎間孔内の硬化したヘルニアを摘出して神経根の圧迫を取り除き、チタンケージを空になった椎間板腔に挿入して骨の固定を行います。術後は入れたチタンケージがずれたりしないように首にカラーをつけます。そのカラーをつける期間は外科医によって異なります。この患者のように、椎間孔内や脊柱管の外側部のヘルニアの場合には、私は首の後ろの真ん中付近に17mm位の切開を加え、直径16mmのチューブ状の開創器(チューブレトレクターといいます)を骨まで挿入し、手術顕微鏡下に骨を僅かに削り、その下の靱帯を切除して、神経根を出し、その下からヘルニアを摘出します。腰のヘルニアに対するMD手術と同様の手術を行うのです。この患者の場合には、ヘルニアが固くなり簡単には摘出できませんので、無理をすると神経根を傷めてしまいます。そのため、神経根除圧といって、ヘルニアと骨とで神経根が板挟みになり、圧迫されていますので、骨を少し削って板挟み状態を解消し、神経根の圧迫を取り除く手術を行いました。この患者の手術時間は丁度1時間、出血量は30mlでした。頚椎のMD手術の方が腰椎のMD手術より、時間はやや長く、出血量もやや多い傾向があります。この頚椎MD手術の良さは、術後、首にカラーは必要ないことです。なぜなら、骨の固定は行わないからです。翌日から、カラーなしで患者さんは起きることができ、2週間までには退院ができ、カラーが不要ですから、退院後は車の運転も直ぐにできるわけです。このように、ヘルニアの出る場所(前回の説明ではCやB)によっては、このようなMD手術で治療ができるのです。しかし、ヘルニアが骨の真ん中付近に出る(前回のA)では、従来の前方固定術が必要です。MD法では骨の真ん中付近のヘルニアを摘出することはでません。私は、頚椎椎間板ヘルニアでは、このようにヘルニアの出る部位によってMD手術と前方固定術を使い分けています。患者のヘルニアに応じた仕立て屋手術が可能な時代なのです。




にほんブログ村 健康ブログ 腰痛・ギックリ腰へ人気ブログランキングへ
↑ 腰痛・坐骨神経痛で悩むより多くの方に読んで
      いただきたいと思っております。
   1クリックお願いいたします。



頚椎ヘルニアの手術治療: これからはヘルニアに合わせた仕立屋手術の時代

.16 2011 頚椎椎間板ヘルニア comment(0) trackback(1)
 今回は私の本業である手術治療について説明しましょう。その前に、椎間板ヘルニアが腰の場合と同様に、脊柱管内のどこにどの程度に出ているかが手術を計画する医師には重要な情報になります。その情報を最も多く提供するのがMRIであることは腰の場合と同じです。勿論、頚椎レントゲン撮影もCTも補助的情報を提供する大事な検査です。MRIを取ったのにCTまで何故必要なのか?と外来の看護師に質問する患者がいます。両方の検査が必要な理由は、ヘルニアに石灰化がないか、靱帯に骨化がないか、頚椎症による椎間孔狭窄がないか、などを知ることです。これらがある場合には、手術のやり方を工夫する必要があるからです。診断するだけなら、MRIだけでもいいかも知れませんが、手術をするとなると病気の情報を十分に集めて望むことは、孫子の兵法ではないですが「彼を知り、己を知らば」ということで、手術も戦と同じであると言えます。さて、ヘルニアの出方にはおおよそ3つの場合があります。一つは、ヘルニアが脊柱管の真ん中あたりに出て脊髄を圧迫する場合(これをAの場合とします)、二つ目はヘルニアが脊柱管の外側に出て脊髄とそこから分かれる神経根の両方を圧迫する場合(これをBの場合とします)、そして、三つ目はヘルニアが椎間孔といって神経根が脊柱管の中から外に出て行く骨のトンネルの中に出る場合(これをCの場合とします)。これらヘルニアの出方によって症状は変わります。例えば、Aの場合には脊髄の症状である手指や上肢のしびれ・使いにくさが症状の中心となり、痛みは脊髄性の不快な痛み、物に触れてもびりびり痛いという特徴ある性質を示します。脊髄の圧迫が強くなると、下肢にもしびれが起こり、歩きにくさや排尿障害なども出ることがあります。Cの場合は神経根の症状となり、片方の頚部から肩、肩甲部、上腕などの激痛が主症状になり、患者にとってはまさに地獄のつらさとなります。手指のしびれや使いにくさも出ますが、Cの場合には下肢に症状がでることはありません。そして、Bの場合にはAとCの両方の症状がでることになります。また、ブラウン・セカール症候群と言って、ヘルニア側の上下肢の筋力低下と反対側の感覚障害を特徴とする変わった症状の出方を示す場合もあります。私達、脊椎外科医は患者の症状からこれらA~Cの診断を行います。さらに、MRIを行い、症状とヘルニアのMRI所見との一致性を検討するわけです。これらの知識を持って、次からの手術治療を読んでいただくと理解しやすいと思います。頚椎のヘルニア手術の歴史は長いわけですが、近代的治療法として確立され、現在においてもゴールドスタンダードな手術法は前方固定術です。これは首の前横に切開を加え、気管や食道を横によけて、頚椎の前面を出し、前方から椎間板を摘出して、その奥で脊柱管内へ脱出し、脊髄や神経根を圧迫している椎間板組織、すなわちヘルニアを摘出するのです。すると、手術した部位には椎間板がなくなりますから、以前は、骨盤の腸骨から小骨を採取して、それを椎間板代わりに移植したのです。ところが、骨盤の骨の採取した部位の痛みが強く、それが治るのに長い時間がかかったり、骨を取る際に大腿部に行く神経の障害が起こり、大腿部にしびれが残る患者もあったりで、その後、腸骨を取ることをやめ、その代わりに、人工骨であるセラミックを用いたり、チタンで出来たケージといわれる金属を空いた椎間板腔に入れるようになり、現在に至ったのです。前方固定術と言われるのは、摘出した椎間板の代わりに入れる物が何であれ、最終的な目的は椎間板を摘出した上下の骨同士が新しい骨が出来ることによって二つの骨が一つの骨に癒合することにあるのです。この上下二つの骨の癒合がうまく進むように色々な工夫も行われています。手術部に新しい骨ができて、骨同士が癒合するには2~3ヵ月くらいかかりますので、術後は頚部カラーを装着し、安静を保つことが必要なのです。この頚部カラーの装着が短く済むように工夫が色々行われています。現在、私は術後1週間にはカラーを外す手術方法を行っています。頚椎の椎間板ヘルニアに対する前方固定術は、脊椎外科医によって随分とやり方が異なるので、術前によく説明を受けられることが良いと思います。熟練した外科医なら、平均1時間30分位の手術時間ですが、手術時間の長い・短いよりも、安全で的確な手術を心がける外科医が安定した良い成績をだしていますので、外科医を選ぶ参考にしてください。術後、症状の改善の仕方については、ヘルニアが摘出され、脊髄・神経根の圧迫が完全にとれたなら、神経根の痛みは速やかに解消していきます。しかし、脊髄や神経根が障害されたための症状の改善には時間がかかることは、これも腰のヘルニアの場合と同様です。この前方固定術はヘルニアの出方にかかわらず、すなわちA,B,Cのいずれの場合でも適応となる全ヘルニア対応型の標準的手術法です。通常は、この手術が頚椎椎間板ヘルニアに対して行われています。次回は、私が行っている仕立屋手術、すなわち、患者さんのヘルニアの出方によっては頚椎の固定を必要としない最小侵襲のヘルニア摘出術、MD手術について説明します。





にほんブログ村 健康ブログ 腰痛・ギックリ腰へ人気ブログランキングへ
↑ 腰痛・坐骨神経痛で悩むより多くの方に読んで
      いただきたいと思っております。
   1クリックお願いいたします。


頚椎椎間板ヘルニアの保存治療と手術治療について

.15 2011 頚椎椎間板ヘルニア comment(0) trackback(0)
 頚椎椎間ヘルニアの診断がついたら、治療をどう進めるかが次の問題である。保存治療か手術治療か。腰の場合でもそうであるが、原則論では、先ず保存治療である。勿論、すべての治療方針には例外があり、その例外を知ったdoctorでなければならないことは言うまでもない。例えば、ヘルニアにより脊髄が高度に圧迫され、脊髄の障害が進む場合には早期手術が必要になる。それは脊髄傷害による後遺症を残さないためである。話を戻して、保存治療は、先のブログでも書いたように、炎症主体の症状期は頚部の安静が必要で、カラー装着は有効であり、消炎鎮痛剤の服用は単なる痛みどめとしてだけではなく、局所の炎症を取り除き症状を軽減する効果がある。根性痛が強い時には、使用に問題のない患者であれば、ステロイドの注射はかなり有効だが、連用はだめである。夜間、痛みで睡眠が十分取れない場合には、座薬鎮痛剤や安定剤、睡眠薬の服用も考慮する。これも腰の場合と同じだが、家事や仕事で動きが激しい人やパソコンを長時間使う人、上や下を向くことの多い仕事に従事する人では、なかなか保存治療の効果がでにくいことになる。頚椎でも神経ブロックが行われているが、腰椎以上に安全で有効なブロックをするには技術が必要なので、ペインクリニックなどの経験豊富なdoctorに依頼することをお勧めします。この保存治療の期間に注意が必要なことは、手のしびれや使いにくさが強くなったり、腕の力が落ちていっていないかを定期的にチェックすることです。神経機能の評価は患者自体では難しいのでdoctorが行うことです。首でも腰でも、ヘルニアは痛みだけが問題ではなく、神経機能の障害の有無と程度を合わせてチェックすることが必要です。保存治療で症状が改善傾向にある方は、保存治療を続けて、経過をみるのでよいと思います。頚椎の牽引に対するdoctorや他の治療者の理論は色々あるようですが、私の考えはヘルニア発症の急性期には行わない。脊髄障害が中心の患者では行ってはいけない。牽引が有効なのは、ヘルニアの急性期が過ぎてからも、神経根の圧迫によるしびれなどが続いている患者であると思います。椎間板の変性が強く、椎間板が硬化して、頚椎に柔軟性の失われた患者での牽引効果には疑問があります。これも腰の場合にも当てはまりますが、牽引後に痛みやしびれの増強する場合には中止した方が良いでしょう。その外、生活上知っておくと良い点は、頚椎ヘルニアで上肢の痛みの強い方は手を下に下げていると痛みが強くなり、手を上にあげると痛みは軽くなります。知らず知らず、日中でも手を頭の上にあげている人がいますが、身体が発見した痛みを軽くする術なのです。それから、寝るときには痛みのある側を下に横になると痛みが強くなりますので、痛みのない側を下にしてください。さらに、仰向けで寝る時には、頭の低い位置では痛みが強くなりますので、枕は頭が少し上がる位の高さのものにしたら良いでしょう。このような生活の中での工夫も痛みを軽くするために必要なんですよ。次は、保存治療の効果のない患者や神経症状の悪化する患者のために、手術治療について説明します。手術治療も外科医によって手術のやり方に違いがあります。そのあたりも素人の方にわかりやすく説明いたしましょう。



にほんブログ村 健康ブログ 腰痛・ギックリ腰へ人気ブログランキングへ
↑ 腰痛・坐骨神経痛で悩むより多くの方に読んで
      いただきたいと思っております。
   1クリックお願いいたします。

頚椎椎間板ヘルニアに悩む方へのメッセージ

.14 2011 頚椎椎間板ヘルニア comment(0) trackback(0)
腰ヘルニアと同じく、痛みとしびれで患者を苦しめる病気に首のヘルニアがある。首から肩、肩甲骨の付近や上腕にかけて激痛が起こる。一日中、痛みが続き、睡眠もとれない状態に陥る患者も多い。首を動かすことができず、腰ヘルニア同様に患者の生活をひどく脅かす。私の外来を受診される患者の中には、持続する激痛のためノイローゼになってしまい、家族までもが途方にくれた生活を送っていた人もいる。首のヘルニアも腰と同様に、首の骨と骨の間にある椎間板が骨の中を通る脊髄や神経根などの神経組織を急激に圧迫することで発症する。椎間板が加齢とともに脆くなり、それを支える靱帯が劣化して破れやすくなり、発症することは腰ヘルニアと変わりがない。それまで、何変わりなく、元気に生活していた人がある日、突然に激痛に襲われるのである。首から頭まで痛みが広がる人もいる。これらの症状を訴えて、医療機関を受診したが、寝違いによる痛みとか、肩関節の痛みとか言われてしまうこともある。確かに、寝ている時の首の姿勢が悪く、寝違いとヘルニアを合併したと思われる患者もいる。しかし、首ヘルニアの患者に特徴ある症状は、上腕や腕に放散する痛みやしびれを伴っていることが多いことだ。患者によっては、前腕にも痛みが起こり、手や指までしびれる人もいる。さらに、手や腕の力が入りにくくなり、生活に支障を来す人もいる。これらの症状をもった患者では首のヘルニアが疑われる。肩関節炎や肩関節症で肩から上腕にかけて、痛みが強い人達では、痛みのため、腕を上げることができなくなる。首のヘルニアの患者では、稀に腕の筋肉の麻痺のために、腕を上に挙げられなくなる患者がいるが、その時には片方の健康な手で持ち上げてやると難なく上にあげられる。肩の患者は痛み自体によって肩を動かすことができないのである。肩関節の痛みも夜間、寝ていて強くなったりするので、首ヘルニアの痛みと紛らわしい。首ヘルニアが疑われたら、頚椎のMRIで診断がつくが、診断は必ずしも容易でない患者もいる。腰ヘルニアの時と同じように、首のヘルアの誤診も少なくないのである。診断が誤れば、治療も誤ることは、これも腰の場合と同じである。ヘルニアを起こした急性期、すなわち2週間くらいは安静にして、消炎鎮痛剤で炎症をとり、痛みを和らげる治療を行います。アルコールや温泉は厳禁です。首の安静のため、ソフトカラーを装着することが良いでしょう。次の機会に首ヘルニアが自然に治る人、治らない人、治らない人にはどんな治療があるかを説明いたします。



にほんブログ村 健康ブログ 腰痛・ギックリ腰へ人気ブログランキングへ
↑ 腰痛・坐骨神経痛で悩むより多くの方に読んで
      いただきたいと思っております。
   1クリックお願いいたします。