患者さんからの喜びの声― 巨大腰ヘルニアが治った!  

.15 2016 巨大腰ヘルニア comment(17) trackback(0)
患者さんにとっては、同じ患者さんの声が最も説得力があります。
このたび、巨大ヘルニアの治療に悩んだ末に、MD法による手術を受けられた県外の患者さんからの声が
届けられましたので紹介します。

この方は行動力で自身の幸運を掴んだのであり、棚から牡丹餅の幸運ではありません。


佐藤先生、先日は大変お世話になりました。
三重県から、伊勢志摩サミット中に手術をして頂きました。

皆、ここのブログにたどり着く方々は、悩みに悩み、痛みに耐え先生に頼るのだと思います。
私もその一人なのですが、手術の決断をする事は簡単な事では、ありませんでした。

私は5年前から座骨神経痛の症状はあったんですが動けるし、これくらいの痛みは耐える程ではなかったので3年間は病院も行かずにいました。
2年前から寝返りがうてなくなり、夜寝るのが苦痛になったので、地元の病院でMRIを撮ってもらいました。
その時のショックは忘れられません。

すぐに手術が必要です。愛知県の大学病院を紹介されました。
「巨大ヘルニアですね、排尿障害が出る可能性があるので手術しないと治りませんよ…」私は、その時痛みがなかったので「痛みがないのに手術してこの先痛みが出てこないでなおるんですか?」と質問したらわかりません…でした。
とりあえず経過観察で一年間MRIだけの診察に通ってました。
ですが去年の年末からとうとう身体が思うように動かなくなり、本気でこのヘルニアに向き合う事になりました。
私の通院していた大学病院の先生はとても名医だと有名でした。ですが私には何となく合わず、質問すらうまく聞いてもらえない状態で、手術するならこの病院ではないと決心し、ネットで佐藤先生のブログに出会いました。

ブログを熟読している間に自分の頭の中の常識がくつがえりました。
本気でこの先生に診てもらいたい…
金沢まで5時間かかります。家族と話し会い予約をとりました。

佐藤先生は凄いヘルニアだねーって…
納得のいく説明をしてくださり手術の予約をとりました。

手術は絶対したくなかった私が、早く手術してほしくてたまらなくなっていました。

佐藤先生はじめ主治医の飯田先生、麻酔科の先生皆さんとても気さくで優しい先生方で患者の目線で話してくれて不安感は全くなくなりました。
オペ室の看護師さんには、遠い所来ていただいてありがとうございます。と言って頂き、私は病院は本来、上から物を言われ傷つく事の方が多いのに優しいなーと、心に残っております。この病院の素晴らしさを再確認しました。

術後の痛みは大変辛かったですが、2日目には歩けるようになり、何より下肢の痛みが全くなかった事が嬉しかったです。
腰のだるさはあるものの術前にあった症状は全てなくなりました。私にとって何年ぶりの直立でしょう…嬉しいです。
腰を曲げて、歩くこともできず何処にも行けなかったのに今は真っすぐ立って歩けます。上を向いて眠れます。凄い事です。


元気な時の自分に戻りたいと思って手術を受ける方がほとんどですが、本当にそうなれるのか?と不安で手術に踏み込めない方々が多いと思います。私もそうでした。
この世の中、偉そうな事をいいますが、患者が医者を選ぶ時代になってきていると思います。金沢まで遠いからと諦めるのは言い訳にはなりません。私の回りにも地元で手術して良くならなかった方の話をよく聞きます。佐藤先生の言うように患者さんは自分で病院を探す努力をして下さいって本に書いてありますが本当にその通りですね…

長くなりましたが本当に今、悩んでる方に手遅れにならないように病院選びを間違わないでほしいと思います。
私は佐藤先生に助けて頂き普通の生活を取り戻しました。
本当にありがとうございました。 先生もお元気でいて下さいね。

メールありがとう。私たちを信じて手術を任せてくれたことにこちらこそ感謝です。




腰椎椎間板ヘルニアに固定術は不要です!

.16 2016 腰椎椎間板ヘルニア comment(26) trackback(0)
 最近、腰椎椎間板ヘルニアと診断され、腰椎固定術を医師から勧められていると相談に訪れる患者さんが散見されます。
これに対する私の答えは、「固定術は不要」です。医師から固定術を勧められるヘルニア患者の特徴は、中心型のヘルニア、ヘルニアの再発、狭窄症を伴っているヘルニアなどです。

 私は、ヘルニアにすべり症が関係していない限り固定術は不要と考え、MD法による神経除圧術を行ってきました。
この場合、神経除圧のためにヘルニアの摘出が可能であればそうしますし、ヘルニアの摘出が困難な場合には、ヘルニアの摘出は行わず、脊柱管拡大術を行い、神経を除圧します。

 ヘルニアを摘出せずとも、脊柱管を拡大し神経の除圧を行うと、症状はよく改善されるのです。
ヘルニアだから、それを摘出しなければならないという考え方には落とし穴があります。例えば、内視鏡でヘルニア摘出を試みたが、十分に摘出できないため、症状の改善が得られなかったという患者さんが少なくありません。このような手術失敗には、手術技術はもとより、手術の考え方に問題があるのです。

 このような場合には、脊柱管を拡大して、神経の除圧を図ることで、症状を改善するという手術の目的を達成できます。
侵襲の大きな固定術には合併症が起こることがあり、術後の腰痛に悩む患者さんも稀ではありません。さらに、固定隣接椎間に
ヘルニアや狭窄症、すべり症などが発生するリスクも無視できません。

 腰椎椎間板ヘルニアでは、固定術は避けるべきです。ただし、ヘルニアや狭窄症の再発例に対する神経除圧には高度の手術テクニックが必要です。医師選びを慎重になさることです。

情報交換会シンポジウム「中小病院における医師事務作業補助者の活用」への参加呼びかけ

.24 2016 日本医師事務作業補助研究会 comment(17) trackback(0)
第16回「中小病院委員会情報交換会」が石川県白山市で開催されます。
          日時:平成28年2月20日  情報交換会 14:00~17:30
                           懇親会  17:30~19:00
          会場:グランドホテル白山
 シンポジウムのテーマは、「中小病院における医師事務作業補助者の活用」
 
  今回、中小病院委員会情報交換会の白山市での開催は、私が日本病院会中小病院委員会の委員であることと
私どもの金沢脳神経外科病院には、NPO法人 日本医師事務作業補助研究会を主宰する矢口智子理事長が在職し、
さらに研究会本部事務局が置かれていること、さらに中小病院委員会の医師事務作業補助研究会活動へのご理解のもとに実現致しました。

  研究会は設立後、全国の医師事務作業補助者の教育研鑽の場、情報交換の場として、その役割を果たす一方で、将来へ向けては職種確立を目指して活動を展開して参りました。研究会は「医師事務作業補助者による医師事務作業補助者のための会」であり、会の運営は医師事務作業補助者が中心となり、主体的に行われてきましたし、今後もその方針に変わりはありません。

 今や、全国の医師事務作業補助者が研究会を通して、連携・連帯し、職種として一大勢力にならんとする強い意気込みが全国に満ちています。しかし、その一方で広く社会に理解・認知された職種にはなり得ていないという現状があります。
 日本医師事務作業補助研究会が最大の目標とするのは、専門職としての確立です。そのためには、多くの組織や団体の協力・支援が必要です。この度は、日本病院会がこれからの医療における医師事務作業補助者の役割と存在意義、
さらに研究会活動の実績を広く社会に伝える素晴らしい機会を与えてくれました。

 中小病院のみならず、大病院、診療所においていも医師事務作業補助者の活用の基本は変わりません。
どうか、多くの管理者や医師事務作業補助者の方々には、2月20日に白山市に参集していただき、社会に広く医師事務作業補助者をアピールして頂きたいと思います。医師事務作業補助者と管理者の一人一人が医師事務作業補助者を医療界に定着させ、発展させる原動力になっていただきたいと思います。

 私は医師事務作業補助者がこれからの医療界には不可欠な職種になることを確信しており、質の向上と発展のためには専門職化しなければならないと考えている多くの管理職の一人として、今後も応援を続ける決意でおります。
全国の医師事務作業補助者の強い結束力・団結力を広く社会に示すためにも、多くの皆様のご参加をお待ちしています。
                         

腰椎変性疾患による痛みの特徴  (1)腰椎椎間板ヘルニアによる痛み

.11 2016 腰椎椎間板ヘルニアによる痛み comment(19) trackback(0)
 遅ればせながら、明けましておめでとうございます。
昨年は、前半は病気治療と療養、後半は仕事復帰の一年でした。
復帰後は、徐々に手術を増やしていき、一昨年から待って頂いていた手術を含めて
約80件の手術を行うことができました。
本年は既に5件の手術を行っており、完全復帰を果たしております。

 本年も医療相談を続けながら、ブログ訪問者に役立つ情報・記事を載せていきたいと思います。
それでは、今年最初の記事は「腰椎変性疾患による痛み」についてです。
腰痛や下肢痛の原因を特定することは困難なことが多いですが、痛みの特徴からその原因に迫ることが可能です。
従って、各種の腰椎変性疾患の痛みの特徴を知っておくことが自己診断に役立ちます。
今回は腰椎椎間板ヘルニアによる痛みの特徴を紹介します。過去の記事も参考にしてください。

1)腰椎椎間板ヘルニアによる痛みの特徴
  通常はぎっくり腰と呼ばれる急性腰痛が特徴です。きっかけは色々です。腰を屈めて、下の物を持ち上げようとした瞬間や肉体労働や運動などと関連して発症することが多いですが、特にきっかけがみられないこともあります。ぎっくり腰は、二度三度と繰り返す人が少なくありません。ぎっくり腰を繰り返しながら、椎間板ヘルニアは進行します。
 椎間板ヘルニアの痛みは、通常は持続性であり、咳やくしゃみで強くなり、動いたり、座ったりが困難になります。
多くの患者さんでは、横になり身体をエビのように丸めてじっとしている姿勢が痛みを和らげます。
 腰痛のほか、神経根を圧迫刺激すると臀部や太もも後部や外側に痛みを伴い、この痛みは坐骨神経痛と呼ばれます。さらに、神経根への影響が強いと、脛や足にも痛みが広がります。
 ヘルニアの急性期(発症後1~2週間)は、激痛のため患者さんは歩行困難になります。急性期を脱すると、ヘルニアによる痛みは座位よりも立位や歩行で軽く感じるようになります。
 ヘルニアのタイプによっては、腰痛はなく坐骨神経痛が強い患者さんや、激痛に足の感覚障害や運動障害を伴う患者さんもおられます。ヘルニアによる激痛は通常は片側ですが、両側に起こる患者さんもおられます。
以上、椎間板ヘルニアによる腰痛をまとめると、急性発症であること、一定期間持続性であること、繰り返す傾向があること、痛みを増強させたり軽減させたりする要因があること、急性期と慢性期では痛みの性状が異なること、神経根症状を伴う場合があることなどです。さらに詳しくは、私の著書「腰椎手術はこわくない」で説明していますので参考にしてください。

次回は「腰部脊柱管狭窄症による痛み」について説明します。
 

腰椎変性疾患のfailed back surgery(手術失敗)患者の受診が増加中

.21 2015 failed back surgery syndrome comment(22) trackback(0)
腰椎変性疾患の手術失敗患者さんの受診が増えています。
椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、すべり症などの手術を受けたが、症状の改善が得られない、むしろ術後に症状が悪化したという患者さんです。

手術失敗の原因は、神経除圧が不十分か手術によって新たな神経根圧迫(絞扼)が発生したが多いのが実態です。
勿論、いつも書くように診断に誤りがあり、症状とは関係のない部位が手術されてしまった患者さんも少なくありません。

今回は、腰椎分離すべり症で腰椎固定術を受けられたが、術後症状は改善せず、むしろ悪化した患者さんについて紹介します。
この2ヵ月余りの間に二人の患者さんが当院で再手術を受けられました。

一人は70代男性で、約2年前に地元でL5/S1の腰椎分離すべり症に対して腰椎固定術(PLIF+ペディクルスクリュー固定)を受けられましたが、術後は両側L5神経根症状の改善がなく、その後歩行障害が進行しました。検査の結果、スクリュウーの緩みはないが、椎体間固定の骨癒合に失敗しており、狭小化した椎間孔内の外側部でL5神経根の除圧が不十分であることがfailed back の原因と診断いたしました。この患者さんでは、固定具はそのまま残して、MD法により両側の外側からL5神経根の再除圧を行いました。手術所見では、予想通り、L5神経根は椎間孔内で強く絞扼されており、周囲との強い癒着を認めました。この患者さんでは、術後の経過は順調であり、L5神経根症は両側ともほぼ解消して、歩行障害の改善も良好です。足の筋力低下も正常化し、知覚障害はみとめません。術後2年余り経過していましたが、幸い、神経根障害が回復性を残していたため良好な結果を生みました。

もう一人は40代女性ですが、同じくL5/S1の腰椎分離すべり症で、約8ヵ月前に腰椎固定術を受けられました。術後に左足の麻痺と痛みが発生し、歩行障害も高度になった患者さんです。PLIFとペディクルスクリューの状態には問題はなく、椎体間の骨性癒合は完成していました。しかし、神経障害性の坐骨神経痛と下肢痛を呈していました。この患者さんも、椎間孔の外側部の除圧が不十分と判断して、MD法により外側アプローチでL5神経根の除圧術を行いました。手術所見は、椎間孔の外側部でL5神経根の強い絞扼と癒着を認めました。術後、足の麻痺は回復し、術前は50mの歩行が限界でしたが、術後は痛みの少ない時には500m歩行できるようになりました。神経障害性の痛みは術前よりも改善しており、今後も改善が進むと予想しています。

二人の患者さんの違いは、神経根障害の程度の違いにあります。前者では障害は軽かったことで、術後の回復が良好でした。しかし、後者では神経障害が強かったために再手術後も神経障害性の痛みは改善傾向にありますが、持続しています。

この二人の患者さんの経験からも、術後に神経症状の改善しない、あるいは悪化した場合には、その原因を正確に診断し、
再手術でよくなる可能性がないかを検討することが重要です。そのことができる医師を求めてください。