高齢者の腰椎椎間孔部狭窄症の手術成績について学会発表し、その概略をブログにアップしました。

.21 2019 脊椎疾患 comment(0) trackback(0)
2017年の1年間に私が手術を行った腰椎変性疾患の種類については、http://spine.drshujisato.com/blog-entry-428.htmlで紹介しました。これを基にして、この度、日本臨床脳神経外科学会(2019年7月20日ー21日、岡山)で高齢者の腰椎椎間孔部狭窄症の手術成績を発表しました。65歳以上の腰椎椎間孔部狭窄症で単椎間手術27例の手術成績を検討しました。年齢は65ー84歳(平均75歳)、女17例、男10例、腰椎手術癧(3回:1例、2回:6例、1回:9例)を持つ患者を約60%で認め、側彎症例(Cobb角10度以上、平均17度)を9例、椎間孔狭窄症の再発5例、腰椎固定隣接椎間3例、他院でのfailed  back 手術4例、陳旧性圧迫骨折を4例(1椎体:2例、2椎体:1例、3椎体:1例)で認めました。続く

07/16のツイートまとめ

.17 2019 脊椎疾患 comment(0) trackback(0)
drshujisato

ブログ活動を再開します! https://t.co/sdAJptZIvo
07-16 00:13

単なる加齢変化なのか病的変化なのか? そもそもここから始まる腰椎変性疾患の診断と治療。

.17 2019 脊椎疾患 comment(0) trackback(0)
MRIで椎間板ヘルニアがある。脊柱管狭窄がある。あるいは、レントゲン撮影ですべりがある、側彎がある。画像検査を行うと年齢が増すごとに、色々な所見が目に入ってくる。患者は足の痛みを訴えるが、どれが原因であろうか? 何を基準にして、数ある画像所見をふるい分け、真の原因に迫るのか。医師は画像を見、患者の所見をとり、患者の症状のもととなる真の原因に迫ろうと試みる。ここで医師の力と経験の差が歴然となる。つまり、治療すべき対象を見誤って見当違いの手術が行われると、それを契機に患者は迷路・泥沼に落ちることになる。正しい診断こそ、正しい治療の第一歩なのだ。

ブログ活動を再開します!

.16 2019 脊椎疾患 comment(0) trackback(0)
しばらく休止状態にありましたブログ活動を再開します。腰椎変性疾患の手術治療の経験が増すほどに見えてきた真実を伝え、患者さんが誤った治療上の選択をせずに済むように情報発信致します。腰椎変性疾患は治る、治せる病気としてさらに確信を持てる段階に到達しましたのでご期待下さい。これからの超高齢社会においては益々生活の質が重要になります。自立した生活を回復、維持し、人生を楽しんで欲しいと願います。

頚椎椎間板ヘルニアの治療法の考え方について私見を紹介します。

.26 2019 頚椎椎間板ヘルニア comment(1) trackback(0)
頚椎椎間板ヘルニア(首ヘルニア)の治療法について説明する前に首ヘルニアの症状と進行について簡単に説明します。
1)首ヘルニアの一般的な症状
 首ヘルニアの症状はヘルニアの発生レベル(頚椎の何番目の椎間板か)とヘルニアのタイプ(障害受けた神経が神経根か脊髄か、両方か)によって違いがあります。すべてのレベルとタイプに共通する最初の症状は急に発生する頚部(首)の痛みです。
この痛みはやがて消失する場合(=自然治癒)と持続しながら痛みの範囲が拡大する場合(=慢性化、悪化)する場合とがあります。後者の場合、ヘルニアのレベルによって違いますが、痛みは首から肩甲部や肩、上腕・前腕、手指へと広がります。

2)ヘルニアのレベルとタイプによる症状の違い:
 首ヘルニアが神経根を圧迫した場合、ヘルニアがC5/6よりも下位(胸椎側)では鋭い耐えがたい痛みが首から手・指へと広がります。一方、それより上位(頭側)では痛みは肩から上腕までとなります。神経根障害は片側上肢の痛みになることが普通ですが、例外的に両方に起こることもあります。一方、首ヘルニアが脊髄を障害した場合には、鋭い痛みというよりはびりびりした不快な痛みが両方の腕や手指に出現します。ヘルニアの程度が強いと、ヘルニアのレベルと関係なく、両下肢のしびれや歩行障害、排尿障害などを引き起こすことがあります。

3)神経根や脊髄症状の進み方
 神経根や脊髄がヘルニアによって圧迫されると、始めは痛み・しびれなどの知覚神経症状から始まり、悪化すると肩や腕、手指の筋力が低下する運動神経障害へ、さらに異常感覚(物に触れるだけで痛い、手指の色調が悪い、異常に冷たく感じるなど)をもたらす自律神経障害へと進みます。そして神経障害は一定程度を過ぎると回復不能に陥っていきます。

4)首ヘルニアの治療の考え方
(1) 安静と薬物治療(ブロックを含む)で痛みがコントロールでき、痛みが消失していく場合には、手術は不要です。この場合の目安は痛みが発生してから3ヵ月位までに消失に向かうかです。首の痛みや肩甲部、肩付近の痛みの場合には、自然治癒が期待できます。
(2) 保存治療で改善せず、痛みやしびれが3ヵ月以上持続し、痛みやしびれの範囲が拡大し、筋力低下や異常感覚が発現する場合には手術が必要です。
(3) 保存治療で悪化傾向を取りながら慢性化した場合には神経障害が進行して、その後に手術を行っても痛みやしびれの改善が不良になります(すなわち神経障害性疼痛が残ります)。
(4) 熟練した脊椎外科医による顕微鏡手術なら、極めて安全性の高い手術になっていますので、手術を恐れてむやみに保存治療を続けることで取り返しのつかない脊髄や神経根の障害による後遺症状に悩み、苦しむことのないようにと望みます。
(5) 残念ながら、障害を受けた脊髄や神経根を治す、すなわち神経機能を元に戻す治療法は今のところありません。私ども外科医は神経根や脊髄を圧迫しているヘルニアを摘出して、神経根や脊髄の快復力を引き出すことしかできません。最後は快復力に期待するしかないのです。
6) 特に脊髄障害による後遺症は大きな機能障害となって患者さんの一生涯に渡って深刻な問題になると理解し、適切な時期を判断して手術を受けられることを勧めます。

最後に、外科医は手術によって期待できる効果と手術のリスクの両方を常に念頭に置いて患者さん個々に判断しています。既に手術効果が期待できない程に悪化、進んでしまった患者さんもいるでしょう。また、手術を危険で困難にする他の病気を持つ患者さんもいるでしょう。手術治療のプラスとマイナスの両面から慎重に判断することが必要です。どんな治療法も明確な根拠をもたない過大評価や過小評価は患者さんのためになりません。また、外科医は自らの力量・経験にもとづいた判断もしていますので、同じ患者さんでも医師によって判断が異なります。患者さんにとって、納得いく結論へとたどり着くことを切に望みます。