fc2ブログ

老害といわれないために。

.08 2020 脊椎疾患 comment(0) trackback(0)
高齢社会、定年延長、働き方改革、元気とやる気があれば高齢者でも働ける環境が整えられつつある。それはそれで喜ばしいことだ。少子高齢社会に突入するのだから。働ける老人が多いことに越したことない。しかし、手放しで喜べないことがある。老害である。老害とは、ひらったく言うなら、周囲はno thank you、本人は俺が俺が、俺がいなくては。まさに自分の価値だけは永遠不滅と思い込み、周囲の真意、空気を読めない自我自尊の老人のことだ。そんな老人が組織の上層にいると組織は停滞・破局に向かう。老害は周囲のやる気をそぎ続け、青田は枯れる。私もまさにそんな年齢に至り、自問自答する。社会における自分の存在意義とは何か。結局、それは社会が決めるもの。社会とは、まさに地域・周囲の人々にほかならない。見せかけの権威の衣を羽織り、いきがり、必死に自己保身・防衛するみじめで不遜な老人、そう陰で囁かれる老人にはなりたくないものだ。

病院長として在職中に数々の取り組みを行いましたが、中でも多職種協働医療の推進に特に注力しました。その理由は次の通りです。

.18 2020 脊椎疾患 comment(0) trackback(0)
わが国の医療はかって、権威主義、医者中心、診療科縦割りなどと余り良い形容がされていなかったことは皆さんの記憶に新しいことと思います。医療専門職はそれぞれに垣根を作り、わが城・わが巣作りに専念していた観が否めません。このような医療風土の中では、主客転倒し、客人である患者の方が身を細め、上から目線、高圧的な医療提供者の反感をかわぬよう振る舞わざるを得なかったのです。このことは医療専門職のみならず、事務員も例外ではなく、患者へのぞんざいな物言い・対応で、非難の対象にもなりました。いまでは、このような病院職員を見ることは珍しくなったので、若い方がこれを読むと、「意外、信じられない」と思うかも知れません。もしそうであるなら身近にいる年配の方に確認してみてください。なるほどと思うでしょう。しかし、上から目線、ぞんざいな物言いは医療界に限ったことではありませんでした。例えば、官公庁、警察、郵便局、国鉄(随分昔のことですが)、その他にも枚挙にいとまがないくらいです。わが国では、かってお客の方が小さくなっていたおかしな時代があったのです。

近年、それが大きく変り、本来あるべき姿に近づいたことは大変喜ばしいことです。しかし、医療界の内部にはまだまだ古き因習がくすぶっていると思うのは私だけでしょうか。「患者中心の医療」と、この頃の医療人が等しく口にする、このスローガンは口先だけの自己満足に終わってはいないでしょうか。これらの疑問が長く私を捉えていました。そうして辿りついた答えのひとつが「多職種協働医療」です。職種の垣根を取り払い、役割分担と連携によって患者を中心に行う医療。それぞれの職種は平等であり、役割が違うだけ。このような理念に裏付けされた医療風土を醸成する責任が病院経営者、さらに病院長・事務長などの管理者にあると私は固く信じます。新しい医療の仕組み作りにリーダーシップを発揮することが求められているのです。

平成31年2月24日に、金沢市の県立音楽堂で開催された第16回日本医療秘書学会の学術大会で、私は「多職種協働医療の時代における医療秘書の役割」とのタイトルで大会長講演を行いました。医師、看護師、その他のコメディカル、そして事務職、すべての職種がフラットな関係で、効率性の高い患者中心の医療提供体制を作り上げることが肝要と訴えました。そうなれば、多職種の役割分担と連携のもとで地域包括ケアシステムは本来の機能を果たすことができるでしょう。形よりも機能、区分け・個別化よりも「ごちゃまぜが」これからの社会のあるべき姿なのです。
ける
医療秘書の使命と役割

長年、病院長として病院経営を担い、かつNPO法人日本医師事務作業補助研究会の顧問として活動してきた経験から、連載「医療へ物申す」を始めます。

.16 2020 脊椎疾患 comment(0) trackback(0)
この3月末に金沢脳神経外科病院を退職しましたが、NPO法人日本医師事務作業補助研究会の顧問を引き続き担うことになりました。Covit-19 の影響で、今年度東京で予定されていた全国大会は中止に追い込まれ、地方会を含め多くの予定されていた活動が停止状態にあります。誠に残念なことです。感染は終息に向かっているとはいえ、第二波の到来が危惧される状況でもあり、まだまだ油断できません。安全をしっかりと見極め、適切な時期に適切な形で活動を再開することが極めて重要と考えております。
話は変わりますが、近年、医療の効率化と働き方改革における臨床支援士(いわゆる医師事務作業幇助者)への期待が今まで以上に高まりを示しています。その一方では、残念ながら時代錯誤と言わざるを得ない旧態依然とした古い組織論者による医療提供体制の進化・発展を阻むかのような言動を目にすることがあり、誠に遺憾としかいいようがありません。医療活動は公共性の高いものであり、無駄のない、安全で効率的な医療提供体制を構築することは公私を問わず病院管理者の重要な責務であることはいうまでもありません。理念なき病院経営は職員を不幸にし、かつ患者を裏切ることになります。
医療の健全な提供・発展を願い、病院長を長年務めてきた経験と医師事務作業補助研究会の顧問として見聞してきたことを踏まえて、このブログでは新たに連載「医療に物申す」を開始します。これからは辛口のコメントも遠慮なく行っていくつもりですので宜しくお付き合いください。

生活の質を損なう代表的疾患の腰部脊柱管狭窄症について、患者視点でまとめました。

.26 2020 脊椎疾患 comment(0) trackback(0)
腰部脊柱管狭窄症には、痛みが強いタイプ、痛みはないがしびれと間欠性跛行のタイプ、これらが混ざったタイプがあります。これらの基本型に加齢変化が色々と加わって、実際の脊柱管狭窄症は多彩な形をとります。一口に腰部脊柱管狭窄症といっても様々な形がありますので、診断と治療法の決定は患者個々に慎重に行うことが必要です。「正しい病気の知識が病気克服の第一歩」です。参考になれば幸いです。詳細は次のページへどうぞ。

腰椎椎間板ヘルニアが自然治癒に向かっているかどうか、患者が自分で判断する方法を紹介しました。

.23 2020 腰椎椎間板ヘルニア comment(0) trackback(0)
腰椎椎間板ヘルニアの患者の多くは、辛い痛みが徐々に和らいで行き自然治癒します。その一方で痛みが慢性的に長く続く患者もいます。ヘルニアになった患者が自分はどちらの方なのかが早く分かれば、治療法に長く無駄な悩みを持ち続けることは避けられるでしょう。今回は、患者が自分で判断できる方法について説明しました。詳しくは次のページをご覧ください。