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腰椎変性疾患に対する私の基本認識と手術患者の最近の傾向

.26 2012 脊椎手術 comment(0) trackback(1)
腰椎変性疾患(椎間板ヘルニアや狭窄症、すべり症など)の治療に対する私の基本認識を次に列記します。
1)腰椎変性疾患は加齢と共に進行する
2)馬尾、神経根、神経節の絞扼で神経症状は持続する
3)絞扼神経の除圧で神経症状は改善する
4)無効な保存治療の継続はより難治へと進める
5)神経機能障害が非可逆的(元に戻らない状態)になる前に手術介入が必要
6)神経除圧状態が長く維持されねばならない
7)再発を前提とした次の手を持たなければならない
8)患者の満足とQOL(生活の質)の回復が治療のゴール

手術患者の最近の傾向
1)高齢化(私の手術患者の内、70~90歳は全体の3割を占める)
2)病態の複雑化と多様化(複数椎間の障害、脊柱管内と椎間孔内、椎間孔外病変の合併、骨粗鬆症、圧迫骨折、  腰椎の側彎変形・回旋の合併など)
3)診断と手術治療のより困難な症例の増加

保存治療が無効になると、患者のQOL(生活の質)は間違いなく進行性に低下していく。40代、50代は何とかなっても、60代、70代、80代へと加齢が進むと生活の障害はより大きく、深刻になる。

私は、神経障害の発生機序と病態を明らかにし、最小侵襲による神経除圧と必要なら腰椎固定を組み合わせることで、従来、手術困難とされてきた腰椎変性疾患の患者にも、手術治療の道が開かれ、後期高齢者や手術リスクの高い患者でも手術治療が可能であることを証明してきた。
再発は恐れるに足りない。再発が起こるのは腰椎を含む全脊椎変性疾患の宿命であり、それを前提として、次に打つ手を持つことがこれからの高齢化社会を支える脊椎外科医に求められている。
 

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4月に行った脊椎手術は25件:腰椎20件、頚椎5件でした

.13 2012 脊椎手術 comment(0) trackback(1)
4月に行った脊椎手術は25件:腰椎20件、頚椎5件でした
 4月の手術件数がやや少なめであったのは、1件の手術時間が3~4時間くらいかかる固定手術が7件であったこととMD手術でも時間を要するものがあったこと、さらに、 ゴールデンウィークが一日重なったためです。
 脊椎手術25件
   腰椎手術 20件
      椎間板ヘルニア 6件:MD手術
          内1件は超外側型椎間板ヘルニア
      脊柱管狭窄症  7件:MD手術
      変性すべり症  4件:最小侵襲椎体間固定TLIF+ペディクルスクリュー固定術
       分離すべり症  2件;最小侵襲椎体間固定TLIF+ペディクルスクリュー固定
      腰椎症性椎間孔狭窄 1例:最小侵襲椎体間固定TLIF+ペディクルスクリュー固定術
      
   頚椎手術 5件
      頚椎症性脊柱管狭窄 1例:前方固定術
      頚椎症性椎間孔狭窄 1例:MD手術
      脊柱管狭窄症 2例:拡大椎弓形成術
      後縦靭帯骨化症 1例:拡大椎弓形成術

  このほか、緊急の破裂脳動脈隆のクリッピング術1例あり。

脊椎手術の患者年齢は35歳~78歳(平均59歳)
年齢構成は30代3例、40代3例、50代3例、60代8例、70代8例
今月、80代はいなかったが、70代は全体の32%を占めた。
男性18例、女性12例

腰椎の最小侵襲固定術は7例で行い、術式はmini-TLIF+ペディクルスクリュー固定であった。手術時間は155~250分、平均約3時間、出血量は55~135ml、平均90mlであった。

70代の男性では、頚椎症性椎間孔狭窄と腰部脊柱管狭窄症を認めたため、頚椎と腰椎の同時手術を行った。頚椎では、MD法により椎間孔拡大術、腰椎ではMD法により2椎間で神経根・馬尾の除圧を行った。手術時間は3時間35分、出血量は65mlであった。翌日から歩行開始できた。

脊髄・神経障害や感染症などを含め手術合併症はなかった。

全例において術前症状の改善を認めたが、手術までに脊髄や馬尾・神経根などの神経
障害が進行していた患者では、退院時にはまだその障害がそれぞれの障害程度に応じ
て、残存していた。一般に脊髄・神経障害の改善には3~6ヵ月を要する。

1月から4月末までの脊椎手術の合計は112例で、腰椎93例、頚椎19例
 最小侵襲固定術:23例

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2月に行った脊椎手術は30件:腰椎26件、頚椎4件でした

.03 2012 脊椎手術 comment(0) trackback(0)
脊椎手術30件
   腰椎手術 26件
      椎間板ヘルニア 9件:MD手術
      脊柱管狭窄症  8件:MD手術
      すべり症    5件:最小侵襲椎体間固定TLIF+ペディクルスクリュー固定術
      腰椎症性側彎症 3例:最小侵襲椎体間固定TLIF+ペディクルスクリュー固定術
      腰椎症性椎間孔外狭窄 1例:MD手術
   頚椎手術 4件
      椎間板ヘルニア 1例:MD手術
      頚椎症性椎間孔狭窄 1例:MD手術
      脊柱管狭窄症 1例:拡大椎弓形成術

  このほか、破裂脳動脈隆のクリッピング術1例、もやもや病の脳室内出血1例などの
緊急手術も行った。
脊椎手術の患者年齢は90代1例、80代1例、70代8例、60代11例、50代4例、
40代2例、30代3例で70歳以上が3割を占める。
男性18例、女性12例
最小侵襲固定術は8例で行い、術式はmini-TLIF+ペディクルスクリュー固定である。

手術は予定通りに終了し、合併症はなかった。
1月からの脊椎手術の合計は57例で、腰椎47例、頚椎10例。


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先月(1月)、私が手掛けた脊椎手術は27例:腰椎21例、頚椎6例でした。

.25 2012 脊椎手術 comment(0) trackback(0)
脊椎手術27例の内訳を次に示します。

腰椎21例
脊柱管狭窄症   10例 MD手術
椎間板ヘルニア   2例  MD手術
変形性腰椎症 3例  MD手術
分離すべり症 2例  mini-TLIF+ペディクルスクリュー固定
変性すべり症 4例、 mini-TLIF+ペディクルスクリュー固定

頚椎6例
頸椎症性椎間孔狭窄 1例 MD手術
脊柱管狭窄症 3例   拡大椎弓形成術
椎間板ヘルニア 1例   前方固定術
頸椎症性脊髄症 1例   MD手術

腰椎では、狭窄症やヘルニア、腰椎症の全例でMD手術が行われました。分離すべり症や変性すべり症では、最小侵襲固定術であるmini-TLIFとペディクルスクリュー固定を行っています。
頚椎では、頸椎症性神経根症と脊髄症の2例でMD手術を行い、脊柱管狭窄症では拡大椎弓形成術、椎間板ヘルニアでは前方固定術を行っています。

脊柱管狭窄症のMD手術1例では、術中に硬膜が破れ、馬尾が硬膜外に脱出しましたが、骨窓を広げ脱出した馬尾を硬膜内に戻し、縫合閉鎖を行いました。特に神経合併症はありませんでした。この患者は術後の経過よく退院しました。
その他の手術例では、特に問題はありませんでした。
全例で輸血なく、感染症の合併もありませんでした。


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