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腰椎手術と頚椎手術、そこに飛び込みでくも膜下出血の緊急手術があり、日が明けてからの帰宅になりまし。腰、首、頭と脳神経外科医らしい一日になりました。

.29 2014 独り言 comment(2) trackback(0)
28日の午前は腰椎症性椎間孔狭窄症のMD手術、午後は頸部脊柱管狭窄症に対する拡大椎弓形成術、そして、夜は緊急に入院された70代後半の脳動脈破裂によるくも膜下出血の手術がありました。腰椎と頚椎、そして頭部と、もう昨日になりましたが、28日は脳神経外科医として面目躍如の一日でした。私は、もともとは脳血管障害や脳腫瘍などの頭部疾患を専門にしていましのたので、頭部疾患の手術には今でも血が騒ぎます。三件とも無事終了し、今日もあっと言う間の一日でした。
明日は、午前は外来、午後は頚部脊柱管狭窄症に対する拡大椎弓形成術があります。
これから眠り、明日の鋭気を養います。

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道を究める夢を抱き、挑戦し続ける人々

.12 2014 独り言 comment(0) trackback(0)
大間の巨大マグロ釣りに挑む漁師達の格闘を記録したBS放送が今終わった。
名人といわれる漁師の経験と頭脳に裏打ちされた洗練された漁、その一方で二年に渡りなかなかマグロの釣れない漁師の苦悩。名人が苦悩する漁師に叱咤激励する。どう釣ればいいかは解っていると言い訳する漁師に、

「お前は解っていない。だから釣れないんだろう。解っていれば釣れるはずだ」。

群れの先頭を泳ぐマグロしか餌を食わないらしく、釣り上げるためには、その先頭をきるマグロの前に生きイカを落とし、流さなくてはならないそうだ。そのために沢山の漁船がソナーを使い、有利な位置を確保するため漁場に集中する。釣れない漁師は、その競争から逃げていたのが釣れない理由であった。

「勝負に挑め」。

名人の言葉が釣れない漁師を鼓舞する。
そして、番組の最後にはめでたしめでたしの場面が来る。

頭で解っていることと、実践の結果は別物であることを如実に示した大間のマグロ漁であった。これは、どんな職業にも言えることであろう。印象に残るマグロの一本釣り名人の言葉は、

「金のためにマグロを追っているのではない。400KGを超える過去の大間の記録を更新するためである。それでなければ、マグロ漁の歴史に名を残せない」。

どんな分野にも道を究める夢を抱き、戦い続ける人々がいる。皆、謙虚に反省を繰り返しながら、道への歩みを続けている。この姿こそが、実業界であろうとスポーツ界であろうと、その他すべての分野で先頭を歩む人々に共通している。

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明けましておめでとうございます。昨年1年間に私が手がけた脊椎手術の報告です。

.01 2014 独り言 comment(0) trackback(0)
 明けましておめでとうございます。日頃、私のブログにアクセスして頂いている方々に感謝致します。また、昨年も多くの方々の医療相談に回答させて頂きましたが、お役に立てたかいささか気になるところです。

 さて、腰椎変性疾患は「治る、治せる疾患」を私のポリシーに掲げ、昨年も再手術の受け入れや、他院で手術を受けることのできない高齢者や難度の高い患者、原因不明とされた患者の受け入れを行ってきました。すべての患者において低侵襲手術を前提としました。手術侵襲を最小化し、術後の患者の苦痛を可能な限り少なくすることが私の手術治療に対する基本方針です。もちろん、手術合併症を限りなく0に近づけることも手術における重要な課題と位置づけ、一定の成果を上げることができたのではと思っています。

 それでは、昨年、私自身が手がけた脊椎手術について報告します。脊椎手術の合計は285件でした。かって、多い年は年間400件超えもありましたが、近年は腰椎固定術を含めて時間のかかる難度の高い手術が増えていることが件数減少の主因です。現時点で、手術予約は6月先まで埋まっていますので、こちらのマンパワー不足の解消が大きな課題と言えます。
 昨年1年間の脊椎手術の内訳は次の通りです。
  腰椎手術:248件
   腰部脊柱管狭窄症  100件
   腰椎椎間板ヘルニア:52例 内6例は超外側型ヘルニア
   腰椎症性椎間孔狭窄:23例
   腰椎症性椎間孔外狭窄:14例
   分離辷り症:16例
   変性すべり症:37例
   腰椎症性側彎症:4例
   腫瘍:2例

   手術法別には
    MD手術:186例
    最小侵襲腰椎固定術:62例

 頚椎手術:34例
  椎間板ヘルニア: 8例(前方固定術)
  頸椎症性椎間孔狭窄:11例(MD法による神経根除圧)
  頸椎症性脊柱管狭窄:3例(前方固定術)
  後縦靭帯骨化症:4例(拡大椎弓形成術)
  脊柱管狭窄症:6例(拡大椎弓形成術)
  腫瘍:2例

 胸椎手術:3例
  黄色靱帯骨化症 :2例(MD法による骨化靱帯摘出)
  圧迫骨折に伴う脊柱管狭窄: 1例


 腰椎手術の内訳では、脊柱管狭窄症とヘルニアや椎間孔狭窄、椎間孔外狭窄などが複雑に合併している症例が多く見られたため、主病変で分類いたしました。さらに、腰椎すべり症があっても、手術自体が脊柱管狭窄に対する除圧術のみで固定術は不要と判断された症例は脊柱管狭窄症に含めました。


 私は、脊椎手術は患者の「生活の質の改善」に向けられるべきと考えています。患者視点に立って満足できる手術へ発展させることこそが私共脊椎外科医の使命です。脊椎外科医の戦場はまさにその戦いの場であります。
本年も一人でも多くの患者さん達の生活の質の改善を図るべく、スタッフと力を合わせ頑張りたいと思います。応援宜しくお願いいたします。

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脊椎外科医の戦場の独り言  H25 7 26

.25 2013 独り言 comment(5) trackback(0)
今日の午前は18歳の腰椎椎間板ヘルニアのMD手術を行い、午後からは77歳女性の腰椎すべり症と脊柱管狭窄に対する最小侵襲法による神経除圧と腰椎固定術を行った。
昨日は58歳男性の腰部脊柱管狭窄症のMD手術と90歳女性の腰椎すべり症と高度脊柱管狭窄症のMD手術があった。90歳女性は10年来の立位・歩行障害があり、排尿障害をも伴っていた。もう一度、台所に立ちたい、歩きたいという強い希望に押されて、手術を引き受けた。私は80歳以上の腰椎手術を多数行ってきたが、高齢者の腰椎手術は大変困難なものが多い。一般に高度の狭窄症であり、神経周囲の癒着が進んでいる。神経を障害しないように完全に神経除圧を行うことにはいつも困難を感じる。手術中の緊張感は特に強くなる。手術が終わると喉がからからになっている。術後直ぐ飲む一杯の水がとても美味い。

高齢者の腰椎手術は短時間で出血量を少なくやらなければならないと私は考えている。腹臥位の手術であり、心肺機能が低下しているので術中の補液は最少で済むよう出血量を少なくする。私が行う狭窄症のMD手術の所要時間は約1時間、出血量はせいぜい10mlくらいなので、超高齢者でも手術が可能になる。その他、色々と困難な問題を伴うのが高齢者の手術だ。だからこそ、外科医としての挑戦心も高まるわけだ。脊椎手術は常に危険と隣り合わせの手術なので、手術中は顕微鏡下の操作に一瞬の油断もできない。一週間、このような緊張の連続なので、週末はやや疲れを感じるのは仕方ない。明日の午前は2ヵ月待ちになっている外来患者さんの診察を行い、午後は24歳女性の腰椎椎間板ヘルニアのMD手術がある。

そして、夜は、NPO法人日本医師事務作業補助研究会が6月29日に金沢音楽堂で主催した第3回全国大会の実行委員の方々の慰労会がある。医師事務作業補助者達の支えがあるからこそ、私も含めて当院の外科医達は患者の診療に専念できる。こんなにありがたいものはない。
明日の晩は彼女らに精一杯楽しんでもらえる会にしたい。