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腰椎変性疾患を手術する医師は、最後まで責任を負うくらいの覚悟が必要!

.31 2014 脊椎外科医の心構え comment(9) trackback(0)
本年最後の記事になります。

手術した医師が転勤したため、再手術を受けられずに困っているという相談が時々寄せられます。

 市中病院では、医師が大学からの派遣医の場合には、半年から1年で交代することがよくあります。手術をした医師の後任医が治療方針や手術の力量などで前任医と異なる場合には、患者はしばしば困った問題に直面します。
それは再手術が必要になった時、どこで受けたらよいかわからなくなるといった問題です。手術を行った病院の後任医は再手術には乗り気でない、かと言ってどこかへ紹介してくれるわけでもない。

 他の病院を受診すれば、手術を受けた病院で受けなさいとにべもなく断られる。

 結局、保存治療を受けながら、出口の見えない迷路の中で生活の支障は増していく。このような患者さんは、私のブログや著書 「腰椎手術はこわくない」 で用いている言葉を引用するなら、まさに腰椎治療難民です。手術を担当した医師が消えてしまうことからも、腰椎治療難民が発生するのです。

 腰椎変性疾患は色々な形で再発があります。再発なく一生を終える人は幸運と思ってよいでしょう。少数の幸運な人がいる一方で、多くの人は再発を繰り返すことになります。

私の経験では、2度や3度は希でなく、4度、5度、最も多いのでは頸椎2回と腰椎5回の計7回という患者さんがいます。この7回の患者さんは、もう来ないからと冗談を言って、退院されていきました。

 私のように居場所が固定している医師の場合には、症状が悪くなればいつでも受診できますので、患者さんにとって都合がいいかもしれませんね。医師が代わってしまうことで、難民化が起こるのなら、このことも踏まえて、患者さんは病院や医師を選ぶことが必要かも知れません。

 しかし、派遣医の中にも、行き先を患者さんにきちんと伝えている律儀な方もいると聞きますので、結局は医師個人の患者さんに対する責任の感じ方の違いにいきつく問題なのかも知れません。

 私は現在、療養中ですが来春には必ず復帰して、私の手術を待っておられる大勢の患者さんを決して難民化させませんのでご安心ください。

 今日で本年も終わり、明日から新年を迎えますが、私のブログを読んでくださった沢山の方々に感謝申し上げますとともに、新年が皆様にとってより良い年になることを祈念します。

腰痛・坐骨神経痛で悩むより多くの方に読んでいただきたいと
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