患者は40代女性。
初回ヘルニア摘出術後約3ヵ月でヘルニアが再発した。初回ヘルニアよりも大きく、神経根の圧迫も強い。保存治療で自然治癒を期待するか、再手術を行い早期治癒へ向けるか。
私は再発例では、早期手術を原則にしており、この患者でも日程を調整して出来るだけ早い再手術を行った。
初回術前MRI矢状断像:左L5/S1に矢印で示すヘルニアを認める。

初回術前MRI横断像: ヘルニアは小さいが神経根を直撃している。

初回術後MRI 矢状断像:ヘルニアは摘出され、

初回術後MRI 横断像 :S1神経根がきれいに描出されている。

退院後、再び左下肢痛が発現し、歩行にも困難ありと再受診される。
再発術前MRI 矢状断像:前回の部位に大きなヘルニアの再発を認める

再発術前MRI 横断像

手術は、前回の17mmの切開創を開き、MD法で再発ヘルニアの摘出と椎間板摘出を行った。ヘルニアはS1神経根と
硬膜管に割り込み後方へ大きく脱出し、ヘルニアと硬膜・神経根の間には強い癒着を認め、瘢痕性組織も形成されていた。一口で表現するなら、S1神経根はヘルニアと瘢痕組織の中に埋まっていた。このS1神経根への圧迫影響を除去することが手術の目的である。ヘルニアを摘出しても、S1神経根の圧迫・拘扼が完全に除去されなければ、患者の症状はすっきりと良くならないのである。
手術時間は1時間10分、出血量は10mlであった。
再発術後MRI 矢状断像:ヘルニア摘出部位に小血腫を認めるが、やがて吸収消失する

再発術後MRI 横断像

術後すぐに下肢痛は消失し、術後10日で退院した。初回術後から残っていた足の小指しびれは認めるが、再発による新たな障害は残らなかった。術後、鎮痛剤は不要になった。
手術所見は既に神経根の周囲に癒着は強く、ヘルニア摘出に困難を伴ったが、再発ヘルニアはほぼ全摘出できた。術後経過は順調であり、再手術は成功と判定できる。
私ども外科医の手術は結果がすべてである。術後患者の症状が改善し、患者の満足を伴う治療結果がなければ、手術は成功したとはいえない。外科医が頭で考えた通り、予定通りに手術ができたとしても、結果がそれに伴なわなければ、手術は成功したとはいえないというのが私の見解である。
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