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腰椎椎間板ヘルニア手術の目的は神経根の除圧にある

.29 2016 脊椎疾患 comment(4) trackback(0)
腰椎椎間板ヘルニア手術の目的は、圧迫を受けた神経根の除圧にあります。
ヘルニアの摘出はヘルニアと骨との間で圧迫を受けた神経根を除圧するために行います。つまり、ヘルニアの摘出は神経根除圧のための手段であって、ヘルニア摘出自体が目的ではありません。従って、ヘルニアの摘出によって神経根が適切に除圧されれば、症状は改善されますが、神経根の除圧が不完全に終わると症状の改善は得られません。
術後に執刀医から摘出した椎間板を沢山見せられても,症状の改善が悪ければ、神経根の除圧は不良に終わったと考えるべきです。
ヘルニア手術後に症状が改善しない具体的な場合を次にあげます。(1)ヘルニアの取り残しがあって神経根の除圧が不十分の場合と(2)ヘルニアに狭窄症を伴っていて、ヘルニア摘出のみでは神経根の除圧が不十分な場合です。このような場合には、諦めずに再手術で神経根の適切な除圧を得ることです。

ヘルニア手術では、神経根除圧の適否が結果に対して重要な意味を持つのであって、手術方法が結果を決めるわけではありません。顕微鏡ラブ法でも、内視鏡を用いたMEDやPELDでも、私のMD法でも、重要な点は神経根の除圧が適切に行われたかです。勿論、手術侵襲が少ないことに超したことはありません。しかし低侵襲手術では、より高度の技術と豊富な経験が必要です。技術が未熟で経験の浅い背椎外科医では、患者を満足させる結果をだせないことや、却って症状を悪くすることが起こり得ることを知って外科医選びを慎重に行うことです。