腰椎椎間板ヘルニアで手術を受けたが結果が良くならないパターンを紹介しましょう
1)ヘルニアがきちっと摘出されておらず、神経の圧迫が解消されていない。
2)ヘルニアが脊柱管内に複数あり、手術で摘出されたヘルニアとは別のヘルニアが症状の原因である。
3)診断の難しい外側型ヘルニアや超外側型ヘルニアが見逃され、症状と関係のないヘルニアが摘出されている。
4)ヘルニアに脊柱管狭窄症が合併しているのに、ヘルニアのみが手術されている。
5)ヘルニアに腰椎症性側弯変形に伴う椎間孔狭窄が合併しているが、後者が見落とされている。
6)その他
ざっと挙げただけでもこれだけ腰ヘルニアの手術結果不良の原因がある。私が常に
脊椎外科医に重要なのは診断力と技術力と強調するのはそのためである。
もう一つ重要なことがある。診断も手術も完璧なのに患者が満足できない結果がある。
それは、手術時期が遅すぎて神経に障害が残った場合である。神経機能の回復は、神経が
100%回復できる時期に手術されたなら100%の回復が得られ、後遺症は残らない。しかし、
100%の回復が期待できない段階に進んでから手術を受けた患者では、それぞれの障害程度
に応じて神経の機能障害が残ることになる。
今まで、腰の手術は保存治療の最後の手段として行われてきたため、手術を受ける時期
には神経の障害が既に進んでしまい、神経のある部分はすでに回復性を失い、これが痛み
やしびれなどの後遺症として残った場合が少なくなかった。これを以て、手術をしても
良くならないなどと不当な言われ方もされたのである。
私の脊椎外科医としてのミッションは一般素人の方々に脊椎疾患の本質を知らせ、無効
な治療に長い時間を費やし、その挙げ句に治りにくい腰椎にしてしまったり、神経後遺症を
残すような生活に陥ってしまったりすることを防ぐことにある。
腰痛・坐骨神経痛で悩むより多くの方に読んでいただきたいと
思っております。応援クリックお願いいたします。

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