fc2ブログ

腰椎疾患をもった高齢者は医療難民であり、医療機関を彷徨うか諦めるしかないのが実情である。

.19 2012 腰部脊柱管狭窄症 comment(5) trackback(0)
先日、90歳の高齢男性の腰部脊柱管狭窄症の手術に引き続いて88歳の女性の腰椎変性すべり症に合併した脊柱管狭窄症の手術があるとブログに書いた。その女性はL4/5とL3/4のすべり症に狭窄症をともない、立位保持は困難となり、歩行障害も進んでいた。腰痛や下肢痛も患者の悩みであった。この女性では、すべり症はあるが、腰を動かした時のすべり部位の動きが軽いため、高齢であることから、MD法による神経除圧のみとした。L4/5とL3/4にそれぞれ17mmの皮膚切開を加えて行った。手術は成功し、患者は翌日から歩行を開始した。術後は下肢筋力が低下していたため、リハビリを行った。術後20日目に自宅へ退院された。退院時診察には本人に娘さんが同伴されたが、腰痛や下肢痛から解放され、歩行にも支障がなくなったことを大変喜んでおられた。高齢者のすべり症では、神経除圧のみでも良い結果が得られる。勿論、腰に無理をかけることは避けなければならないが、残る人生を明るい気持ちで過ごせることが何よりもすばらしいことである。私の外来には70歳代から80歳代の高齢の患者が増加し続けている。
腰椎疾患をもった高齢者を医療難民化させない私の戦いに終わりはない。 


腰痛・坐骨神経痛で悩むより多くの方に読んでいただきたいと
思っております。応援クリックお願いいたします。

     ↓           ↓

にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ 人気ブログランキングへ



関連記事

naomi
大変ご丁寧なわかりやすい説明を頂き嬉しく思います。
ありがとうございます。
2012.04.22 17:05
drshujisato
NAOMIさんへ
 医師によって診断・治療法・手術の考え方・やり方がすごく異なるなのが脊椎疾患の現状です。一般の方は困ると思います。さて、貴女の場合は、下肢の痛みと歩行障害がつらいようですが、一般論として、腰椎の場合には姿勢や歩行で下肢の痛みやしびれ、歩行障害が悪化します。これに対して、頚椎の場合には不安定歩行が中心で歩き始めから安定しない歩行になります。頚椎から起こる下肢の痛みは、異常感覚というほうが適切で、ぴりぴり、びりびりした感覚がしびれ感と共に存在します。貴女は腰椎はすべり症と狭窄症があるそうですが、下肢の症状は腰椎が主たる原因でないかと推測します。上肢は頚椎からくるもので、腰椎は上肢の症状はだしません。頚椎の狭窄やヘルニアの程度が強いと下肢にも症状がでますが、症状の特徴は前述した通りです。どちらを先に手術すべきかは、頚椎と腰椎の病気の進行度が不明ですので、明言できませんが、これも一般論として、頚椎は脊髄を障害し、腰椎は馬尾や神経根など末梢神経を障害するもので、神経組織の優先度を言えば、腰椎よりも頚椎が優先されます。しかし、これもまだ頚椎が軽く、腰椎が進んでいるのなら、腰椎を先に治すべきでしょう。私は同時手術をやることがありますが、これは両方ともが進行している場合です。貴女の場合は腰椎はすべり症と狭窄症ですので、年齢からみても神経の除圧と固定が必要になるでしょう。この場合には腰椎を先に治し、3ヵ月以上、間をおいてから頚椎を治すことになります。不明な点があるようなら遠慮なく質問してください。、
2012.04.22 13:50
drshujisato
せっかくなので返事しますが、
見ている暇がないのでパスさせていただきます。
あしからず。
2012.04.22 13:26
珈琲男
09o0724O
大人の嗜み、してますか?
やはり、女遊びはこうでなければ…面白くない
http://8OrC1k96.a.uukyc.com/8OrC1k96/
2012.04.20 18:43
naomi
いつも拝見させてもらってます。
質問させてください。頸椎と腰椎が悪いのでどちらの影響で脚が痛いのか、どちらから手術すればいいのかわからないです。
脊椎専門医も病院によって手術方法も、診断も違います。
腰はすべり症と脊柱管狭窄、首は先天脊柱管狭窄と二箇所ヘルニアです。
歩行障害と下肢痛、しびれ、両腕の痛みと筋力低下としびれです。
年齢は47歳、女です。よろしくお願いいたします。
2012.04.20 12:27

  • comment
  • secret
  • 管理者にだけ表示を許可する

trackbackURL:https://spine.drshujisato.com/tb.php/121-6747917d