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脊髄・神経が怖くては脊椎手術にならない!

.03 2012 脊椎疾患 comment(2) trackback(1)
私も脊椎手術を始めた頃には、脊髄や神経根が骨の中に見えてくると、胸が高鳴り、緊張感が一気に高まったものです。なぜなら、脳や脊髄、馬尾、神経根を手術で傷めると悲惨な結果が患者に生じることを脳神経外科医は誰よりも良く知るからです。
腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症は腰椎の中に存在する馬尾や神経根を圧迫して下肢の痛みやしびれ、歩行障害を生じます。その圧迫程度が増すに従って、これらの症状は次第に悪化へ向かうのです。この症状悪化を食い止め、神経の機能回復を図ることが手術の目的です。一方、神経の圧迫を除去する操作自体に神経組織を傷害する危険が潜みます。しかし、神経を傷害することを恐れて、神経に十分に近づけず、除圧が不十分に終わるなら症状の改善は得られません。
神経組織の除圧を的確に行う技術の善し悪しこそが手術結果を大きく左右するのです。
私は、ヘルニアや狭窄症の手術の多くは1時間以内に終わらせます。これは神経を意識しても、神経に近づくことや神経に接して除圧操作を行うことに恐れを感じなくなったからです。手術顕微鏡下では、高速回転ドリルを用いて、神経を圧迫する骨を削ります。この時にドリルを持つ手がぶれると当然のことながら、神経を傷つける恐れがあります。そのような高いリスクの中でも、冷静に淡々と危険な操作を行えることは、長きに渡る経験の積み重ねの賜と思います。



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drshujisato
大変お気の毒な状態と思います。
私は、現在貴女を担当している医師とは逆の意見で、子供の世話を含めて、生活を早く正常に戻すためにも、手術をすべきと考えます。手術をすれば、2週間までには家庭生活に戻ることができます。ヘルニアが1年半で自然に良くなる例はあっても、貴女のヘルニアがそれに該当するか、何の保証もありません。担当医も貴女が待てば良くなるという根拠を具体的に示すことは出来ないでしょう。そのような予測は困難であるからです。もし、そうなら、私の所に保存治療で良くならず、手術を希望して受診する患者は存在しないはずです。勿論、手術の結果は外科医次第です。確かな技術と経験をもった医師を選んでください。私のような最小侵襲手術でなければ駄目と言うことではなく、ある程度、切開してもヘルニアを安全にきちっと取れる外科医を選ぶことが重要です。
2012.07.04 09:36
トト
椎間板ヘルニアで四月より寝込んでいます。お尻から足の甲まで、左のみですが、痛みとしびれで歩行も困難です。二児の母で、下は10ヶ月です。病院では、手術しても良いが、赤ちゃんがいるから耐えれるなら薬で経過をみようと言われました。ヘルニアは長くても一年半で自然になくなるからと言われました。ブロックも全く効きませんでした。授乳中なので、薬も使わず、泣きながら耐えてましたが限界で、今は座薬を一日に二回使用してます。授乳以外は家事も育児もできません。座薬も効く時間が短くなってきました。手術がしたいのですが、どうなのでしょうか。アドバイスをお願いします。
2012.07.03 10:38

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2012.07.03 22:31 まとめwoネタ速neo