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県外から受診された内視鏡手術無効の60代の腰椎椎間板ヘルニアの患者 続報

.19 2012 腰椎椎間板ヘルニア comment(0) trackback(0)
2012/7/3のブログで紹介した内視鏡による初回手術失敗例の患者の続報を伝えます。

この患者は左L5神経根の障害が強く、左足の背屈力低下が進んでいたため、例外的な扱いとして受診後早期の手術を行いました。

術前診断は左L5/S1の外側型ヘルニアと超外側型ヘルニアの合併です。
手術はMD法(チューブレトレクターと手術顕微鏡を用いた最小侵襲手術)で行いました。
正中から左側45mmに18mmの皮膚切開を加え、直径18mmのチューブレトレクターを挿入し、L5/S1の椎間孔を外側から拡大すると共に外側型と超外側型のヘルニアを摘出しました。

先の内視鏡手術による癒着が神経の周囲にあり、瘢痕組織も出来ていました。もともと狭い椎間孔内がヘルニアにより埋められた状態の上、手術による瘢痕組織がさらに神経根の圧迫を強めていました。
手術時間は1時間20分、出血量は35mlと通常よりも手強いヘルニア摘出術でした。

術前には左足を僅かしか反らすことができなかったが、麻酔から覚めると、足を十分に反らすことができ、痛みもしびれも激減していました。患者は何度も何度も足を曲げたり、伸ばしたりしながら、にこにこ顔になっていました。

このように術直後に麻痺が速やかに改善するのは、神経根がまだ十分に回復力を残していたからです。グッドタイミングの手術でした。神経根の機能障害が進み、回復性を失っていたなら、これほども速やかな麻痺の回復は得られませんでした。神経根が完全麻痺に陥ったなら、最早、手術をもってしても良くすることはできないのです。

手術治療のタイミングはこの患者の例が示すように極めて重要なのです。
麻痺が進んできたなら、手術治療を検討することが必要です。


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