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腰痛や坐骨神経痛を精神的な問題にすり替える医師達への反論

.21 2012 腰椎椎間板ヘルニア comment(0) trackback(0)
以前、ためしてガッテンの報道で腰痛や坐骨神経痛が精神的な問題に由来する症状であるかのように扱われたが、そのような濡れ衣を着せられて肩身の狭い生活を送る患者は多い。

確かに、精神的な要因が腰痛に深く関わっていると思われる患者はいる。しかし、精神的な問題のみが原因で長く持続する腰痛や坐骨神経痛が引き起こされるのであろうか。私は疑問に思ってきた。なぜなら、私は今までに腰痛や坐骨神経痛の患者を相当数診てきたが、精神的疾患が腰痛や坐骨神経痛の原因と結論づけた患者は殆ど皆無に近いからである。一方、長く解消しない腰痛や坐骨神経痛のために精神を病んだ患者は多く診てきた。

私の経験から、どんな患者が精神的な腰痛・坐骨神経痛と診断されてきたかを述べたい。その殆どは、腰痛や坐骨神経痛の正確な診断がなされていないか適切な手術が行われていないかによるものです。

正確な診断がなされなければ、いつもブログに書くように適切な治療に結びつかない。当然のことながら、治療は失敗に終わるのです。この治療の失敗が患者を精神病的患者にしてしまうのです。つまり、患者を精神病的にする原因は医師の側にあるとさえ言えるのです。

腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などに対して、手術は保存治療が功を奏さず、症状が悪化し続けた時に行われます。問題は、手術治療によって良くなるはずの患者の症状が
良くならなかった時に起こるのです。

執刀医は患者の症状の原因と診断した部位に手術を行います。例えば、病気が椎間板ヘルニアとし、執刀医が手術でヘルニアを摘出し、術後MRIでヘルニアが予定通りに摘出されていたとします。執刀医は患者の症状は改善するはずと考えます。しかし、患者の症状は改善しない。執刀医は再検討するが、手術した部位以外には問題を発見できないと、患者の訴えに疑問を感じるようになります。患者が不安からヒステリックになったり、うつ的になったりすると、執刀医は患者の精神状態に症状の良くならない理由を見いだそうとするのです。
私は、誤診や誤った手術治療で腰痛や坐骨神経痛の良くならない患者を多数手術してきた。その殆どの患者で術後症状の改善が得られている。腰椎椎間板ヘルニアや狭窄症などの診断や手術がまだまだ未完成のために起こっている手術治療失敗例が実に多い。
私は脊椎外科医として次のことを言いたい:患者の精神的な問題にする前に、腰痛や坐骨神経痛などの真の原因の見落としがないかを慎重に再検討し、手術が適切であったか否かを謙虚に見直すことが手術を受けられた患者に対する執刀医の義務であり誠意である。


腰痛・坐骨神経痛で悩むより多くの方に読んでいただきたいと
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