ご質問させていただきます。
なぜ、除圧をすると痛み、痺れが治るのでしょうか?
NHKためしてガテンでも放送されたとおり、ヘルニアでも
まったく痛みがでない人が沢山おり、神経の圧迫が原因でないことが現状調査で示されています。
たまたま除圧したから治った、治らない場合は除圧がきちんとできてないと簡単に結び付けられるのでしょうか?
桂歌丸師匠は、有名な医師に何度も手術してもらいながら
なぜ治らないのでしょう?
誰もが、疑問に思うと思います。
神経の圧迫に原因があるのなら、原因を取り除ければ皆治る
はずです。皆が治らないのなら、それは原因とはいえないと思いますがいかがでしょうか?
是非ともお答え頂きたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします
お答えします。
もっともな質問ばかりで、多くの方々が疑問に思っている事を聞いていただきました。
次のように答えを準備しました。
(1)なぜ、除圧をすると痛み、痺れが治るのでしょうか?
回答:神経根が椎間板ヘルニアにより圧迫され、神経根を覆っている膜、神経根嚢と言いますが、この部分に炎症が起こると激痛になります。さらに、圧迫が持続し神経自体に障害が加わると神経機能障害としてのしびれや麻痺などが発生します。実は、この神経の圧迫状態と動きによる神経への持続的刺激が加わることで痛みは強くなり持続性にります。手術でヘルニアを摘出すると、神経根の圧迫がなくなり、動きによる刺激が加わらなくなるために、痛みは消失に向かうと共に神経機能は回復に向かうのです。しかし、神経の障害が強いと、神経の機能回復は不十分に終わります。
(2)NHKためしてガテンでも放送されたとおり、ヘルニアでも まったく痛みがでない人が沢山おり、神経の圧迫が原因でないことが現状調査で示されています。
たまたま除圧したから治った、治らない場合は除圧がきちんとできてないと簡単に結び付けられるのでしょうか?
回答:ヘルニアは症状を伴うものと伴わないものがあります。その通りです。一人の患者にヘルニアが複数個みつかり、どれが症状の原因か診断の難しいことがあります。MRIによるヘルニア診断の精度は上がってきましたが、まだまだ不十分な段階です。診断できていないヘルニアは少なくありません。例えば、外側型ヘルニアや超外側型ヘルニアなどの診断は未だに困難であったあり、脊柱管狭窄症や椎間孔狭窄症、すべり症などと合併しているため診断が難しいものもあります。つまり、ヘルニア自体の確実な診断がまだまだ困難というのが現状です。そのために、手術の必要な患者で手術は不要と判断されたり、手術を受けたが症状が良くならなかったり、患者にとっては期待はずれの結果が起こります。以前にブログで批判しましたが、ためしてガッテンの放映内容は脊椎外科を専門とする私には納得のいかない異議の多い内容でした。テレビで放映されるから、権威があるといわれている医師だから常に正しいとは限りません。この問題を論じると長くなりますので、この辺で止めましょう。
しかし、確実に言えることは、ヘルニアによって起こされている痛みならヘルニアを摘出すると良くなります。しかし、ヘルニアによる痛みでなければ、ヘルニアを摘出しても痛みは取れません。このあたりのことが、一般の方々には理解しにくい点と思います。
(3)桂歌丸師匠は、有名な医師に何度も手術してもらいながら 、なぜ治らないのでしょう?
誰もが、疑問に思うと思います。
回答:師匠の腰のことはよく知りませんが、難しい治療判断の必要なヘルニアであったかも知れませんね。有名な医師が手術をしても良くできないヘルニアはあるのです。パーフェクトな医師も常に完全に治る病気もこの世に存在しないのです。。
(4)神経の圧迫に原因があるのなら、原因を取り除ければ皆治る はずです。皆が治らないのなら、それは原因とはいえないと思いますがいかがでしょうか?
回答:そう理解すべきではないと思いますよ。神経の圧迫が原因であるなら、圧迫を取り除けば皆良くなるのです。あくまでも原則としてですがね。皆が治らないのは問題になっている原因がきちっと処理されていないからであり、それほど腰椎の病気の診断と治療は難しいのです。私はそう考えます。
腰痛・坐骨神経痛で悩むより多くの方に読んでいただきたいと
思っております。応援クリックお願いいたします。 ↓ ↓

- 関連記事
-
trackbackURL:https://spine.drshujisato.com/tb.php/170-106168e9