本格的な腰椎椎間板ヘルニアの発症前に、よくぎっくり腰を経験することがあることは
このブログで説明してきた通りです。このぎっくり腰は椎間板性腰痛です。もっと具体的に言うなら、髄核を支える線維輪という靱帯の破綻に基づく痛みと考えられます。この痛みは腰痛のみであり、通常は2週間くらいには消失していきます。
髄核の突出が強くなると、臀部あたりに痛みを感じます。さらに、大腿外側や後部あたりにまで痛みが広がってくると、坐骨神経痛と呼ばれます。この痛みも1~2カ月の内に自然消失してくことが少なくありません。
さらに髄核による神経根の圧迫が強くなると、L4/5ですと下腿外側に痛みが起こり、足背から母趾にしびれが起こります。L5/S1ですと、下腿後部のふくらはぎから足底にしびれが起こります。このように症状が足へと下がってくると、ヘルニアによる神経根の圧迫が強いと判断されます。
この下肢の痛みが自然に良くなる事も少なくありません。これは、ヘルニアがマクロファージによって貪食され、融解縮小していくためです。この過程はMRIのT2強調画像でヘルニアの色調の変化と縮小として確認できます。
ヘルニアの自然縮小による症状の良くなり方は、先ず、臀部や大腿部の痛みが軽減・消失し、歩行がしやすくなります。一方、下腿のしびれの改善は痛みよりもかなり遅れます。そのしびれの取れかたは、膝から足先に向かって順次下がっていく形をとります。すなわち、足先のしびれが最後になるのです。神経根の障害が強い人ほど、しびれの解消に時間がかかり、最終的に足先に残る人もあります。
以上、一言で腰椎椎間板ヘルニアの症状の改善の仕方を表現するなら、発症からの症状の進行を逆行するように、すなわち、ビデオを逆回しするように症状の改善が進むのです。このような改善を示しているなら、自然治癒の経過と判断できます。もちろん、MRIでそれを確認できたなら安心できるでしょう。
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