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原因不明の腰痛や坐骨神経痛には見逃された原因が潜んでいる。

.15 2012 坐骨神経痛 comment(3) trackback(0)
 私の外来には坐骨神経痛の原因不明例やfailed back surgeryの患者が増加している。このブログサイトから受診される方もいますが、最も多いのは口コミ情報からです。私の手術を受けた患者やその知人から受診を勧められてというケースが多い。

 最近、受診された50代の男性は坐骨神経痛で治療を受けているが、その病院ではMRIでも異常所見がなく、原因不明の坐骨神経痛と扱われていた。

 この患者は、右下肢の坐骨神経痛であり、坐位では痛みは軽減するが、立位や歩行で痛みが増す。右下側臥位や仰臥位では坐骨神経痛が強くなる。左下側臥位で寝ると痛みの増強はないとのことであった。
この症状は脊柱管狭窄症のものに似る。しかし、他院のMRIでは狭窄症も椎間板ヘルニアも認めないとの診断であった。

 一見しただけでは、脊柱管内にも椎間孔内に異常所見がないかと思われる。しかし、詳細に検討すると、右L5神経根は軽く膨隆した椎間板と上関節突起間で圧迫されていた。その圧迫程度は軽いように見えるが、腰椎の伸展による生理的な脊柱管サイズの縮小によってL5神経根の圧迫が増強し、坐骨神経痛が発現していたのである。

 このように立位や歩行、腰の伸展姿勢で発生する腰痛や下肢痛には必ず治し得る原因があると考え、諦めずに原因追求を行うことが重要である。なぜなら、このような痛みは次第に悪化する傾向を示すことが多いからである


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drshujisato
14./08/07のおこさんへ

> ブログ拝見させて頂いております。
> 私も左外側性ヘルニアで2回手術しましたが痛みの改善がありません。
> 炎症がおさまるまで時間がかかるが、痛みがおさまらなければ、脊椎に不安定性がある可能性が高いからあとは固定するしかないと言われました。
> 教えてください。
> 1、術前はすべり症のような所見はありませんでした。固定術になるのは痛みの改善がない私の症状一つで決めるものなのでしょうか。
> あきらかにすべっているような画像があれば諦めもつくのですが。
>  
  回答:外側型ヘルニアは、私の経験では固定術は不要です。しかし、術後も症状の改善の得られないケースでは、いまだに固定術が多くおこなわれているのが現状です。この場合の固定術はすべりや不安定性に対してではなく、腰椎の動きを留めることと椎間孔を広げることが目的で行われています。固定術自体が新たな痛みを持ち込むこともありますので、主治医とその辺もよく相談なさってください。

> 2、痛みが出る、無くなるがちょっとしたことで変化します。
> 痛みが2通りあります。
>
> ①左臀部、下肢の焼けるような痛み
>
> スタスタ歩くことが1番楽でほとんど無痛です。
> しかし、座位、仰向け、側臥位(特に左上)で痛みが容易に出現し、いずれも骨盤前傾を意識して胸を張り腰を反らし出っ尻にするとほぼ無痛になります。
> 何かに当たってしまって痛みが出現、骨盤前傾にするとそれが離れて痛みが引くようなイメージです。
>
> ②腰痛
> 腰がヒリヒリ痛く両下肢に力が入りにくいようなキュイーンとした痛みが起こることもあります。
> 毎日ではありませんが、出現時は座ってご飯を食べるのも辛いです。
>
> 基本は①か②かどっちか、②があると①はないし、②があると①がないです。
> 毎日どっちか、もしくは1日の中でも入れ替わります。。。
> 不思議です。
> 自分でも医師に訴えて意味不明な顔をされるのが想像できます。。
>
> これは固定術をしたら改善するような症状ですか?
> どうしても椎体が不安定になって当たる痛みとは思えないんです。
> 反り腰になって痛みが無くなるのに、固定したら骨盤は前傾出っ尻ができず今のあたしには痛みが増強してしまう姿勢になるような気がします。

回答:一般的に脊柱管狭窄症や椎間孔狭窄症は腰を反らすと痛みが強くなり、前に曲げると軽減します。これに対して、椎間板ヘルニアは腰を前に曲げると痛みが増強し、腰をのばしていると痛みが軽減する傾向があります。貴方は外側型ヘルニアと診断され、手術を2回受けておられますが、症状が改善していないのは、椎間板性の影響が残っており、神経根の除圧が充分にできていない可能性があります。腰痛には椎間板性の腰痛と根性の腰痛があり、これと根性の下肢の痛みが繰り返されているように思われます。これはあくまでも、一つの可能性と思ってください。貴方のようなfailed back surgery(失敗した手術)の原因は直接に症状と画像を検討しなければ、正確なことは言えませんので、悪しからず。
>
>
> 最後に、MRIは側臥位で撮ることはできないんですか?

回答:MRIの機械の中は狭く、側臥位で撮影することが通常はできません。ガントリーが広いと可能だとおもいますが、通常はできないと思ってください。
2014.08.09 11:47
おこ
ブログ拝見させて頂いております。
私も左外側性ヘルニアで2回手術しましたが痛みの改善がありません。
炎症がおさまるまで時間がかかるが、痛みがおさまらなければ、脊椎に不安定性がある可能性が高いからあとは固定するしかないと言われました。
教えてください。
1、術前はすべり症のような所見はありませんでした。固定術になるのは痛みの改善がない私の症状一つで決めるものなのでしょうか。
あきらかにすべっているような画像があれば諦めもつくのですが。

2、痛みが出る、無くなるがちょっとしたことで変化します。
痛みが2通りあります。

①左臀部、下肢の焼けるような痛み

スタスタ歩くことが1番楽でほとんど無痛です。
しかし、座位、仰向け、側臥位(特に左上)で痛みが容易に出現し、いずれも骨盤前傾を意識して胸を張り腰を反らし出っ尻にするとほぼ無痛になります。
何かに当たってしまって痛みが出現、骨盤前傾にするとそれが離れて痛みが引くようなイメージです。

②腰痛
腰がヒリヒリ痛く両下肢に力が入りにくいようなキュイーンとした痛みが起こることもあります。
毎日ではありませんが、出現時は座ってご飯を食べるのも辛いです。

基本は①か②かどっちか、②があると①はないし、②があると①がないです。
毎日どっちか、もしくは1日の中でも入れ替わります。。。
不思議です。
自分でも医師に訴えて意味不明な顔をされるのが想像できます。。

これは固定術をしたら改善するような症状ですか?
どうしても椎体が不安定になって当たる痛みとは思えないんです。
反り腰になって痛みが無くなるのに、固定したら骨盤は前傾出っ尻ができず今のあたしには痛みが増強してしまう姿勢になるような気がします。


最後に、MRIは側臥位で撮ることはできないんですか?




2014.08.07 19:25
drshujisato
メールアドレスがわかりませんのでここで回答します。
腰椎椎間板ヘルニアの再発だと思いますが、現在の症状は腰を伸ばした姿勢や立位。歩行などで
誘発されるが、運動、動作、生活には大きな支障がないと医師に判断されているため、手術という
話にはならないのでしょうね。再発手術は初回手術より困難になりますので、医師はできるだけ
手術をしないで済ませたいというのが本音でしょう。現在の症状はヘルニアが慢性化し、
狭窄症のような症状を呈するようになっているのだと推測されます。ヘルニアのような派手な痛み
はなく、腰を曲げていると症状は自覚されないのが特徴です。しかし、患者には気になる症状ですよね。
どうしても治したいと思うのであれば、手術が必要になるでしょう。MRIが最終判断には必要です。
参考になれば幸いです。
2012.12.17 22:46

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