15年に渡る腰痛癧があり、10年前に既に腰部脊柱管狭窄症を指摘されていた。3年前から間歇性跛行が出現し、保存治療を受けてきたが改善はなかった。昨年11月頃から左臀部から大腿外側部のジンジンするしびれが発現する。某医院を通院し、注射や内服治療を受けたところ症状は軽くなったが、本年1月頃から今度は逆に右腰から臀部の痛みとしびれが発現するようになった。痛みは今までにない程強くなった。間歇性跛行は10メートル以上の連続歩行は困難になり、仰向けで寝ることはできず、エビのように腰を曲げ、膝を曲げていないと眠れない状態になる。夜間も臀部や大腿部のしびれに悩まされる。
この患者さんの腰椎は、すべり症はないものの、腰椎症性の側彎変形がみられ、MRI画像ではL1/2からL4/5までの脊柱管狭窄を認めた。特にL4/5とL3/4に強く、L4/5の左側には椎間孔狭を伴っていた。
診断はL4/5とL3/4の腰部脊柱管狭窄症と左L4/5の椎間孔狭窄症であった。
手術はMD法によりL4/5では両側のL5神経根と馬尾の除圧と左では椎間孔拡大術を行いL4神経根を除圧した。さらに、L3/4では、両側の馬尾除圧を行った。L4/5とL3/4のそれぞれに18mmの皮膚切開である。
手術時間は2時間30分、出血量は20mlであった。
翌日から歩行を開始したが、患者さんの翌日の言葉は「右お尻から太ももの痛みはあるが、我慢できる程度。手術前は仰向けになれなかったけど今は仰向けになって寝られる。長い時間座っていることもできるようになった。」
術後2日目は、「傷がちょっと痛いくらいで大丈夫。」
術後3日目は、「手術前あんなにひどかったのに、今、何ともないの。暇でしかたないわ。」
看護師の記載は、右臀部痛なし。時々、姿勢変更する際に右股関節から臀部付近にかけてしびれに似た違和感が出現する時があるが、持続はしない。
80歳を超えても進行し続ける腰部脊柱管狭窄症。患者の生活の質を蝕み続けていく。
初期の頃は保存治療でそれなりに、あるいは何とか生活できるが、進行すると保存治療は完全に無効になる。
腰部脊柱管狭窄症が進行したなら、手術治療をおいて生活の質を回復できる治療法はないのである。不自由な生活で失われる時間、そして治療費、どれも多大である。
腰痛・坐骨神経痛で悩むより多くの方に読んでいただきたいと
思っております。応援クリックお願いいたします。

NPO法人日本医師事務作業補助研究会は実務者と配置管理者のために質の高いセミナーを企画しています。今回は「多職種協働における医師事務作業補助者の役割」がテーマです。参加者の皆さんに満足していただける企画・内容になっています。多くの配置管理者や実務者の参加をお待ちしています。
NPO法人日本医師事務作業補助研究会主催の「配置管理者セミナー in 札幌」のご案内
日時: 2013年4月13日(土) 13:30~16:50
場所: TPK ガーデンシディ札幌 NPO法人日本医師事務作業補助研究会HP
- 関連記事
-
trackbackURL:https://spine.drshujisato.com/tb.php/255-a2a0877d