ヘルニア手術が成功したかどうか、一般の人には知りようがありません。医師が成功したと言えば、その通り受け止めるしかないでしょう。術後症状が速やかに改善していれば医師の言葉に何の疑問も生じないでしょう。ところが、手術は成功していると説明されているのに、症状の改善が得られない時にはどう理解したら良いのでしょうか。通常は、症状の原因になっているヘルニアが摘出され、神経の圧迫が取りのぞかれたなら、患者は麻酔から覚めた時点で激痛が嘘のように軽減し、下肢が軽く感じ、術前冷たく感じていた足に温かみが戻っていることさえ珍しくありません。このようにヘルニア手術が成功したなら、患者さんは症状のすべてでないにせよ、つらい症状の改善が速やかに得られたことを実感できるのです。これに対して、術後も症状の改善が得られず、痛みが同様なら、手術は成功したとは言えないというのが私の経験からの判断です。ヘルニアが神経を圧迫し、それによって起こっている症状はヘルニアが摘出された後は、速やかに回復へ向かうというのが私が多数の手術を通して学んだ真実です。術後、時間をかけて徐々に良くなる場合は、手術で良くなったいうよりは、安静と薬物治療で良くなった可能性が高いと思われます。そのような方は退院して活動性が増した時に再び、痛みを持つようになるのが普通です。ヘルニア手術の効果は患者さん自身が直ぐに実感できるというのが私の意見です。

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