腰椎すべり症とはその言葉が示す通りに腰椎の骨と骨の並びがづれることで、下の骨に対しして上の骨が前にずれる前方すべり症と後ろにずれる後方すべり症があります。横にずれる側方すべり症もありますよ。骨と骨との間には生理的に許容される範囲の動きは誰にでもあり、そのために柔軟な腰の動きができるんですね。しかし、骨と骨とがずれるとは、明らかに非生理的、病的なことなのです。骨同士がずれる状態があると、先ず起こる症状は腰痛です。坐位から立ち上がる時や腰を屈めた状態から伸ばす時などに腰の伸びきらない痛みを感じることが多いようです。次第に一定の姿勢を保つこともつらくなってきます。このようにすべり症の初期の症状は腰痛なのです。この腰痛の時期が比較的長く続きます。途中、ぎっくり腰を起こす人もおります。骨がずれて、そこが病的に動いていると、長い年月の間にそのずれた骨の部位に狭窄症が発生します。狭窄症とは、通常はすべり症を伴わないものを言いますが、すべり症が元になって狭窄症が発生することがあるのです。この狭窄はすべりの進行と加齢に伴う椎間板の膨隆や靱帯の肥厚などによって進行していきます。そして、ある時から腰の痛みばかりでなく、お尻や大腿・下腿に痛みやしびれを認めるようになります。そして、立位の保持や歩行に障害がでてきます。これらの症状はすべり症を基に脊柱管狭窄が進行し、骨の中の神経の圧迫が強くなったことを示すものです。中には、ぎっくり腰から椎間板ヘルニアを合併して下肢に激痛の起こる人もおります。このすべり症の症状も改善と悪化を繰り返し、加齢とともに次第に悪化していくのが普通です。立ち仕事、長歩きが益々できなくなっていくのです。この病気は骨がずれ、すべり、病的に動くことから、ヘルニアを合併したり、狭窄症を合併して、患者さんの症状は悪化していくのです。この病気は女性に多く、40~50代頃から本格的に患者さんを悩ませていきます。それでは、この病気とどう向きあい、どう治療したら良いのかは続編で説明いたします。

↑ 腰痛・坐骨神経痛で悩むより多くの方に読んで
いただきたいと思っております。
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