脊柱管狭窄症などの保存治療から手術治療への切り替えはいつ、誰が判断すべきか?
との私からの問題提起に次のコメントが寄せられました。只今、保存治療を受けている多くの
患者さんが共有する疑問であろうと思います。これに対して、私の見解を述べさせてもらいます。
(コメント内容)
いつも読ませて頂いてます。
医学知識のない私でも今日の記事(
http://spine.drshujisato.com/)は怖くなります。
我慢することがどれだけ危険なことなのか。
保存療法をしつこく続ける理由はなぜなんでしょうか。
患者側としては、
@いつか自然に治る
@手術しても治らない
@手術すればよくなるが加齢が原因でどうせまた悪くなる
上記の説明?説得を受けて諦めて診察室を出て窓口で痛み止めと湿布をもらって帰る。
この繰り返しを延々と続ける人が大多数です。
なぜ保存療法でいつまでも引っ張るのか?
先生のブログを読でると診察室でされる説明が本音とは思えません。
(私の見解)
狭窄症やヘルニアなどの腰椎変性疾患は、今日でも手術で治せないと信じている多くの医師や施術者が存在していることが一番の問題だと思います。いつか自然になおる。手術しても治らない。手術をすればよくなるが加齢が原因でどうせまた悪くなる。患者に向けて、これらの言葉が日常的に多くの医師の口から発せられているのが現状です。しかし、それらの言葉で保存治療継続の理由とするのは如何かと私は思います。確かに、それぞれの言葉に該当する事実は存在するでしょう。しかし、それを以て、手術治療を否定的にとらえることには問題があると思います。腰椎診断学と手術治療は着実に進歩しています。私は、次のように患者に説明すべきと提案します。
腰椎変性疾患の多くは、自然治癒が期待できます。保存治療はそれをアシストする治療です。しかし、自然治癒に向かわない疾患も存在します。その場合には、手術治療を検討しましょう。保存治療は期限を区切り、発症後3ヵ月を目安に効果判定を行いましょう。
手術治療で良い結果を出すことは難しい場合がありますし、手術で悪化させてしまう危険もありますので、手術は実績のある脊椎外科医に頼みましょう。
自然治癒後も手術治癒後も再発する場合があります。その場合には、先ず、保存治療でアシストして、改善しなければ再手術を考えましょう。再手術はより難しい手術になりますので、さらに熟練した脊椎外科医に頼みましょう。
しかし、どうでしょうか。保存治療を本業に病医院・治療院を経営する医師や施術者のどれだけがこれに同意するでしょうか。さらに、実績のある脊椎外科医、熟練した脊椎外科医をどう探したらよいのでしょうか。
この辺が患者視点の腰椎治療を展開する大きな壁になるのです。かって存在したベルリンの壁のように高く堅固な保存治療の壁が患者と手術治療の間にそびえ立っているかのようです。しかし、自由を求める市民の手でベルリンの壁は崩壊しました。脊椎治療の壁も市民である患者の手で突き崩すしかないでしょう。患者の利益を優先する脊椎治療の時代を実現するために。そのためには患者が正確な知識を持つことが必要です。世に氾濫する数多の治療法(?)に惑わされない眼識をもつことが必要と思います。
腰痛・坐骨神経痛で悩むより多くの方に読んでいただきたいと
思っております。応援クリックお願いいたします。

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