drshujisato
顕微鏡手術と内視鏡手術の共通点は見る対象を拡大できることであり、違いは顕微鏡では立体像であるのに対して内視鏡では平面像であることです。顕微鏡では術者は直接に術野を見ながらの手術ですし、内視鏡はモニターを見ながらの手術になります。手術顕微鏡では肉眼でできる手術の全てを行うことができますが、内視鏡では用途が狭められます。しかし、内視鏡では経皮的に椎間板を切除することができますが、今の所、同じ事を顕微鏡ではできません。私の経験では、手術顕微鏡はあらゆる腰椎最小侵襲手術に用いることができ、内視鏡では無理とされる再発ヘルニアなどにも対応できます。手術顕微鏡は脳神経外科医、一方、内視鏡は整形外科医が多く用いていますが、これは各科の歴史を反映したものです。手術成績は顕微鏡を使うか内視鏡を使うかの問題というより、外科医の熟練度を反映していると言って良いでしょう。つまり、顕微鏡使おうが内視鏡を使おうが、その結果は多くの場合は外科医の腕次第ということです。再発ヘルニアの手術で結果を出すことは難しく、返って症状を悪くする危険も高いため、熟練した外科医でなければ手術に消極的なのが普通です。結局、腰椎手術は外科医次第ということが出来ると思います。