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今日の手術と色々思うこと

.26 2013 脊椎疾患 comment(0) trackback(0)
 午前は70代の男性の腰椎手術を行った。脊柱管内には狭窄やヘルニアが複数の場所にあったが、症状の原因はL5/S1の椎間孔狭窄症と絞り込み、MD法で椎間孔の拡大術を行った。L5神経根は椎間孔内で強く圧迫されていた。術後、坐骨神経痛は消失した。午後は50代男性の頚椎椎間板ヘルニアの前方固定術を行った。過去に本院でC5/6の前方固定を行っており、その隣のC6/7が今回の手術部位である。術後は症状の改善が見られた。
 脊椎手術は、頚椎でも胸椎でも腰椎でも、脊髄や神経根、馬尾の除圧が殆どの場合に必要になる。その際にこれら神経組織を傷つけずに十分な除圧を行わなければならない。その際に手術顕微鏡は最大の武器になる。これがなければ、どんな状況のもとでも安全に神経を除圧することはできないであろう。私がこの歳でも繊細で緻密さが必要な脊椎手術ができるのは顕微鏡のおかげである。
 今日は暮れに向けて退院予定の手術患者の退院時説明を手術の合間に二人で行った。二人とも中年の女性で、腰椎すべり症と脊柱管狭窄症の患者で、最小侵襲法で神経除圧と固定術を行った。二人とも、術後3週間くらいであるが術前には困難であった歩行は正常になり、下肢の痛みも消失していた。一人で足に軽いしびれが残るのと手術を行った腰部にまだ軽い痛みを感じるくらいまでに回復を示していた。一人の女性患者は、痛みなく歩けることに涙を浮かべて感謝してくれた。誰にも理解してもらえない腰痛や下肢の痛みの苦しさから解放された喜びをかみしめていた。
 腰椎疾患に悩む患者は孤独になりやすい。他の人には見えない、感じられない痛みや苦痛に耐えなければならないからである。周囲には誤解や偏見までがある。そのような患者と向き合い、手をさしのべることが私のミッションである。

腰痛・坐骨神経痛で悩むより多くの方に読んでいただきたいと
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