明けましておめでとうございます。日頃、私のブログにアクセスして頂いている方々に感謝致します。また、昨年も多くの方々の医療相談に回答させて頂きましたが、お役に立てたかいささか気になるところです。
さて、腰椎変性疾患は「治る、治せる疾患」を私のポリシーに掲げ、昨年も再手術の受け入れや、他院で手術を受けることのできない高齢者や難度の高い患者、原因不明とされた患者の受け入れを行ってきました。すべての患者において低侵襲手術を前提としました。手術侵襲を最小化し、術後の患者の苦痛を可能な限り少なくすることが私の手術治療に対する基本方針です。もちろん、手術合併症を限りなく0に近づけることも手術における重要な課題と位置づけ、一定の成果を上げることができたのではと思っています。
それでは、昨年、私自身が手がけた脊椎手術について報告します。脊椎手術の合計は285件でした。かって、多い年は年間400件超えもありましたが、近年は腰椎固定術を含めて時間のかかる難度の高い手術が増えていることが件数減少の主因です。現時点で、手術予約は6月先まで埋まっていますので、こちらのマンパワー不足の解消が大きな課題と言えます。
昨年1年間の脊椎手術の内訳は次の通りです。
腰椎手術:248件
腰部脊柱管狭窄症 100件
腰椎椎間板ヘルニア:52例 内6例は超外側型ヘルニア
腰椎症性椎間孔狭窄:23例
腰椎症性椎間孔外狭窄:14例
分離辷り症:16例
変性すべり症:37例
腰椎症性側彎症:4例
腫瘍:2例
手術法別には
MD手術:186例
最小侵襲腰椎固定術:62例
頚椎手術:34例
椎間板ヘルニア: 8例(前方固定術)
頸椎症性椎間孔狭窄:11例(MD法による神経根除圧)
頸椎症性脊柱管狭窄:3例(前方固定術)
後縦靭帯骨化症:4例(拡大椎弓形成術)
脊柱管狭窄症:6例(拡大椎弓形成術)
腫瘍:2例
胸椎手術:3例
黄色靱帯骨化症 :2例(MD法による骨化靱帯摘出)
圧迫骨折に伴う脊柱管狭窄: 1例
腰椎手術の内訳では、脊柱管狭窄症とヘルニアや椎間孔狭窄、椎間孔外狭窄などが複雑に合併している症例が多く見られたため、主病変で分類いたしました。さらに、腰椎すべり症があっても、手術自体が脊柱管狭窄に対する除圧術のみで固定術は不要と判断された症例は脊柱管狭窄症に含めました。
私は、脊椎手術は患者の「生活の質の改善」に向けられるべきと考えています。患者視点に立って満足できる手術へ発展させることこそが私共脊椎外科医の使命です。脊椎外科医の戦場はまさにその戦いの場であります。
本年も一人でも多くの患者さん達の生活の質の改善を図るべく、スタッフと力を合わせ頑張りたいと思います。応援宜しくお願いいたします。
腰痛・坐骨神経痛で悩むより多くの方に読んでいただきたいと
思っております。1日1クリックずつ応援お願いいたします。

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