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腰椎固定術後に下肢の神経症状が悪化する理由は?

.15 2014 腰椎最小侵襲固定術 comment(3) trackback(0)
今日は70代男性のL4/5の腰椎変性辷り症と脊柱管狭窄、L3/4の腰部脊柱管狭窄症の神経除圧術と腰椎固定術を行いました。腰痛と下肢の痛みとしびれ、間欠性跛行が主症状です。
なんとかかんとか、だましだまし生活してきても、結局、生活が困難になり、手術を受けなければならなくなる。この間、どれほどか生産的な生活を犠牲にし、医療費を負担してきたことか。
 この患者さんでも、私は生活の質を回復することが手術の第一の目標であることを説明しました。

さて、今日のテーマについて説明します。
腰椎すべり症が原因の狭窄症が神経根や馬尾神経を圧迫して起こる臀部や下肢の痛みやしびれは神経除圧術によって順調に改善に向かい、立位保持や歩行もしやすくなります。

その一方で、腰椎固定術後に下肢の症状が悪化することがありますが、この原因の多くは神経除圧が不十分のまま固定術による辷りの矯正がなされ、神経の圧迫が増強するためと私は推測しています。ブログ相談には、このような問題が起こった患者さんからの相談が少なくありません。このような場合には手術のやり直しが必要と私は考えていますが、実際にはそうなっていないことが多いと思われます。

私は腰椎固定術では、術後の下肢症状の悪化を防止するためにも下肢の神経症状を改善するためにも適切な神経除圧は不可欠と考えています。神経除圧が適切だと、腰椎固定術を契機に下肢の神経症状が悪くなることは先ず起こらないというのが私の経験からの結論です。
今日の患者さんでも腰椎固定を行ったL4/5では、両側のL5神経根と馬尾神経の充分な除圧を行いました。さらに、脊柱管狭窄の進んでいたL3/4でも馬尾神経除圧を行いました。術後、下肢症状の悪化は起こりませんでした。
これが適切な除圧・固定術で得られる普通の結果と私は思っています。

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佐藤
ありがとうございます。

そのような仕組みになってるとは知りませんでした。

国民医療費については私も心配しています。
こういう言い方は良くないかもしれませんがあえて言わせて頂きます。
ヤブ医者(その町の市民ではすでに知られてる)と言われる
整形外科、脳神経外科の診察と患者の話を適当に聞く、
そもそも治す気がない、親身になって治療可能な医師への紹介も積極的にせず、電気をあてる、温める、窓口で湿布を山盛り出す。

このようなことを延々と続けることに怒りを感じています。
その診察や湿布や痛み止めの薬など腰痛に悩む人には
効果もなくどんどん悪化していきます。そのような診察に対しても保険が使われています。
これほどお金(税金)のムダ使いはないのではないでしょうか?

正しい診断もできない、積極的に良い医師や病院への紹介もせずに税金に群がって保険請求してる医師は痛みに悩む国民にとって邪魔な存在です。
金さえ儲かれば患者の痛みなんてどうでもいいわけです。
良識のある人間ならこのまま自分の医院に通わせても時間とお金のムダだと判断していつまでも引っ張るようなことはしないと思います。
しかし、延々と患者を引っ張る医師があまりにも多いです。

こんなムダな診察や投薬にどれほどの税金が使われてるのか。
こんなことならアメリカみたいな医療制度になっても良いと思ってます。
ヤブ医者ばかり増えると良い医師を探すのが困難です。
そして、国民医療費もどんどん増えて、良い医師に診察してもらうことまで困難なシステムになっていくばかりです。
2014.01.24 17:00
drshujisato
ごもっともな疑問です。国は国民医療費の抑制策として、医療の役割分担を推進しています。大学などの特定機能病院や地域支援病院、500床以上の大病院の外来患者数を抑制するために、紹介率を一定数満たさなければ、初診料や再診料の減額処置を課す方策を決めており、今年の診療報酬改定では、この紹介率を更にあげることが予想されています。ますます、一般の患者さんがこれらの高機能病院を受診するにはハードルが高くなっていくように思われます。国が膨らみ続ける医療費の抑制を目的としているいる以上、紹介状をもたない患者が高機能病院を受診することは困難になっていくと思われます。国民にとっては、診てもらいたい医師はどんどん遠くの存在になっていくことと思います。私がおこなっているMD手術のような最小侵襲手術は、保険適応にならないとして、実費で支払いを求める医療機関もでています。こういうことも含めますと、医師選びは益々重要になっていくように思います。現在の医療制度は医療費の削減が主たる目的で、国民視点になっているとは思えませんね。
2014.01.23 23:47
佐藤
先生の病院は他院からの紹介状が無くても診て頂けるようですが、日本全国には名医と言われる医師や大病院での診察を受けたい場合に「紹介状」がないと診てくれない医師がいます。

この場合、町の診療所や医院などで一度診察を受けて希望する病院の医師への紹介状を書いてもらわないといけません。
しかし、「その医師は知らない」、「私はその医師への紹介状は書けません」と断られる場合があります。

仮に、先生への診察を希望する時に紹介状が必要とした場合に先生を知ってる町の診療所を探すとなるとこれがまたハードルになります。

なぜ、このような仕組みになってるんでしょうか?
このような不都合なシステムが腰痛に苦しむ患者を悩ませています。
私の周りにも◯◯病院の◯◯先生に見てもらいたいけど紹介状がないと診てくれないから通えない・・・と言う話を聞きます。

2014.01.21 19:48

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