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81歳の女性患者の腰椎へピンポイント手術

.24 2014 腰部脊柱管狭窄症 comment(0) trackback(0)
今日は、81歳の女性の長い年輪を刻んだ腰椎へピンポイント手術で挑みました。
間欠性跛行と左大腿部の痛みで生活が困難になっていました。
腰椎はといえば、MRIでは、L2/3に中程度の脊柱管狭窄症とL4/5に高度の脊柱管狭窄、同じL4/5の左側に外側型ヘルニアを認め、L5/S1には椎間板ヘルニアを認め、腰椎症性変化もそれなりに進んでいました。

この患者さんの生活の質を回復することが必要と判断しました。そこで先ず、患者本人と家族に説明したことは、立って歩ける状態を回復することを第一のゴールにしましょう。その次のゴールは下肢のしびれなどの症状がどこまで改善するか、それを時間をかけて見ましょう。しびれが取り切れるかどうかは3ヵ月以上、経過をみて最終ゴールを判断する必要があるでしょう。なにぶんにも、長い時間をかけて症状が進んできたのですから、事前の正確な予測は困難です。

そんな説明を行い、MD法(チューブレトレクターと手術顕微鏡を用いた最小侵襲手術)により、18mmの皮膚切開で、左側から両側のL5神経根を除圧し、さらに左で外側型ヘルニアを摘出し、左L4神経根を除圧しました。
手術時間は1時間10分、出血量は10mlで成功です。術後、経過に問題なさそうですし、明日から歩けるでしょう。

今回、l2/3とL5/S1は症状とは無関係と判断し、手術の対象とはしませんでした。今後、問題になれば、またピンポイントに対処すれば良いというのが私のポリシーです。

現在の症状の原因になっている部位にピンポイント手術を行うことで、患者の手術による痛みは軽減され、80歳を超えた方でも翌日から歩行が開始できます。術後は鎮痛剤は多くの患者で不要です。

明日は、70代の男性の進行したL5/S1の腰椎分離すべり症による高度の椎間孔狭窄にたいして、両側L5神経根の除圧と椎体間固定、ペディクルスクリュー固定を予定しています。立位・歩行が困難になってきたために、手術を希望され受診された患者さんです。なかなか難度の高い手術ではありますが、成功を期して頑張ります。

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