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今日も70代の腰椎手術2件、どれだけ経験を積んでも易しい手術はなし!

.27 2014 腰椎MD法 comment(3) trackback(0)
今日は2件の腰椎手術がありました。1人は70代男性で5~10mの歩行で間欠性跛行が出現する患者さんで、L4/5とL3/4に腰部脊柱管狭窄症を認めました。L2/3とL1/2にも狭窄性変化を認めましたが、症状の原因はL4/5とL3/4と判断し、
MD法による神経除圧を行いました。L4/5とL3/4にそれぞれ18mmの皮膚切開で行う方法です。術後、下肢の症状の改善が得られています。

もう1人は、10年前に他院で腰部脊柱管狭窄症の手術を受けられた70代後半の女性ですが、両側の下肢に痛みとしびれ、間欠性跛行が出現するようになったと受診されました。MRIでは、L4/5とL3/4で過去に除圧術が行われていますが、症状に関係しそうな病的所見は認めませんでした。しかし、L4/5に軽いすべり症と不安定性があり、同じレベルの両側の椎間孔狭窄を認めました。不安定性を伴うすべり症があるため、最小侵襲法で、L4/5の両側の椎間孔を解放し、L4神経根を除圧しました。椎間孔内は瘢痕性組織で埋め尽くされていました。これらの瘢痕組織を除去し、神経根を脊柱管内から椎間孔外へと除圧しました。さらに、両側でペディクルスクリュー固定と椎体間固定TLIFを行いました。これで、症状が改善してくれると期待されます。

明日は、50代男性のL4/5とL3/4の腰部脊柱管狭窄症のMD手術があります。一日の終わりは、くたくた状態ですが、翌日の朝、患者さんを見ると元気と勇気が湧きます。

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Nami Ogawa
佐藤先生
ご多忙の中、ご丁寧に、また親身になってご指導いただき、こころより感謝いたします。昨日、近くのクリニックへ受診しました。押すのも引くのも厳しい状態と言われ、紹介しても手術は断られるかもしれない、術前の抗血液凝固剤の服薬中止中のリスクや術中、術後の腎機能の低下のリスクを指摘されました。また、内視鏡では出血も考えると腰部切開も覚悟して行わないとといわれました。今は、調子がいいときは、痛みもなく歩けるので手術は決断しかねています。馬尾型の予後も色々調べましたが、体力低下との競争と思います。本人の決断が大事なので今は、見守っております。総合病院で対応が大事とのご教授、他でも指摘されました。まことにありがとうございます。娘が金沢にいるので、金沢はいいなあと感じました。本当にありがとうございます。また経過をご報告させていただきます。
2018.07.11 09:51
drshujisato
18/07/02のNami Ogawaさんへ

 高齢で基礎疾患が多いようですので、確かに麻酔リスクは高くなるのでしょうね。
私は年齢を問わず、全身麻酔がかけられる患者であれば、手術を行う方針をとっています。
特に心機能、呼吸機能、腎機能、糖尿病などが要注意と考えています。
当院では、麻酔科医がリスクを判断していますが、リスクの高い患者は総合病院で手術を行うのがよいと思います。
私の経験では、80歳以上の患者では、2時間以内、少ない出血量で手術を行うのが安全と考えています。
私の場合、術後に問題となった患者はおりません。
以上、参考になれば幸いです。

from SHUJI SATO
2018.07.10 22:47
Nami Ogawa
初めまして佐藤先生。お世話になります。父が先月脊椎管狭窄と診断され、あちこち検索したどり着きました。ご教授お願いいたします。男性85歳、腰部3か所、うち1か所が圧迫型で、他は不明とのこと。治らない場合は手術といわれました。現在は、しびれどめのみ処方されていますが効果はありません。現在は、テンピュールクッションを導入し、椅子に座っている分には、痛みはなく、立ち上がる時に痛みがありますが、それをこすと、まだ、買い物など歩くことはできます。しびれは両足にあります。70代で心臓にステントを4つ入れていて現在も服薬中で、腎臓機能もGFR40代、クレアチニンは、1,0代、BUN20代 貧血は、Hb10 TP6.5です。初診の整形医に透析と脅かされ、そこはいきたくないと中断し、別の近医師に受診し、相談によっては病院を紹介希望です。 このような状況で、本人が楽しんできた旅行もできず、家にいて病院しかいかない日々です。かといって心臓と腎臓も機能が低下していて、手術は可能なのか心配です。本人は内視鏡手術を希望していますが、どちらにしても全身麻酔で腎臓への負担もあると思います。血液凝固阻止剤は術前に控えるなど、他の手術では行えました。整形の先生に相談し、病院を紹介していただくにしても、総合的に対応可能な病院がいいとかかりつけの主治医からはいわれているようです。先生の手術される高齢の患者さんの全身状態はいかがでしょうか。手術に耐えられると判断される値などはどの程度なのでしょうか。大事な父です。長生きして人生を楽しんでほしいと願っています。このように相談を受けてくださる先生に感謝申し上げます。私は医療従事者です。
2018.07.02 14:52

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