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腰椎変性疾患の手術は患者の一生において何度でも必要になることがある。

.09 2014 腰椎変性疾患 comment(6) trackback(0)
今日は80代の女性の人生3回目の手術を行いました。60代に他院でL4/5の腰椎固定術を受けています。
70代半ばに固定隣接椎間の左L5/S1の椎間孔外の狭窄に対して、
私がMD法で2回目の手術、左L5神経根除圧術を行いました。
症状の原因が他院では不明とされ、私を受診されたのです

手術後は、症状が改善して、生活を楽しんでおられました。

その方が、再び、L5神経根領域の痛みが再発し、腰を伸ばして歩けなくなったと、前回手術の5年後に再受診されました
L4/5は固定が完成しており、L5/S1の椎間孔外では前回の手術で左L5神経根が除圧されています。
MRIとCTからは、今回の症状の原因を診断することは極めて困難でした。
それでも、今回の症状の原因はL5/Sの左で前回手術とは異なる部位での椎間孔狭窄が原因と診断し、MD法による再除圧術を行いました。
術後、しびれは改善しており、これで症状の改善が期待できます。

腰椎変性疾患は、その方の人生において、二度でも三度でも、あるいは、それ以上に再発する可能性があります。従って脊椎外科医として大事なことは、再発するたびに、必要があれば、手術を繰り返して、症状を改善させ、患者の生活の質の改善を図ることです。
再手術を嫌う脊椎外科医は少なくありません。
再手術を積極的に受け入れる脊椎外科医がこれからの世の中で、ますます必要になるでしょう。

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ブラウン
佐藤先生、お忙しい中のお返事、ありがとうございました。

長年たくさん患者さんを診てこられた先生の言葉は、私を含め多くの患者に希望と勇気を与えていることと思います。ありがとうございます。

脊椎外科は、医師患者双方が満足する結果を出すのが難しい分、やり甲斐のある分野ですね。
2014.05.29 20:00
drshujisato
腰椎固定術を受けられたのですね。
経過が良いとのこと、何よりです。
腰椎のヘルニアや狭窄症、すべり症などは、加齢につれて、発生する可能性は高くなる傾向があります。
固定した隣接椎間の問題は、ご心配のようにあり得ることです。
しかし、もし問題が起こったら、治せますので、心配無用です。
人生が長くなると、それだけ腰にもがたがくるので、その都度、治せるように
私ども医師は力をつけていかなければならないと思っています。
ともに頑張りましょう。、
2014.05.28 23:42
ブラウン
以前より先生のブログを拝読しております。

30代ですが、数年前L4L5の固定術を受けました。素人目にも明らかに異常がわかるくらいのすべり症、ヘルニア、脊柱管狭窄症でした。

産まれて間もない子供がおり、固定をすると隣接椎間にトラブルが起こる可能性があるという説明に、私自身なかなか手術に前向きになれなかったのですが、筆舌に尽くし難い痛みに手術を受けました。

今は余程無理をしない限り痛みもなく、やりたいことを楽しめる幸せを痛感している毎日です。

いつかまたトラブルが起きたら…と考えると辛くなりますが、この先長い人生でそうなる可能性は高いですよね。

ドクターもそうですが、患者も何度も立ち向かえる強い気持ちを持つことって大切だなぁと思っています。

前向きに頑張ります。先生も頑張って下さい。



2014.05.28 21:43
佐藤
ありがとうございます。

頼れる医師を地元で見つけることができません。
受診する際はよろしくお願い致します。
2014.05.12 15:28
drshujisato
ヘルニアや狭窄症で、画像検査で異常が明らかで、症状がそれに一致するなら、診断や手術法に迷うことはないでしょう。
しかし、脊柱管外側部や椎間孔内や椎間孔外では、画像上目立たない所見でも、患者の症状が強いことがあります。外側病変ほど、病変と症状程度が一致しない傾向があります。だから診断がむづかしいんですね。
私は、腰椎変性疾患の種々の病態を経験し、手術を行ってきた経験から、かなり微妙な変化でも、その病的意義を
判別できるようになりました。一例、一例の経験の積み重ねで、画像を読む目が育ったと思います。
私の外来を受診されるのであれば、ベストを尽くしましょう。
2014.05.11 23:34
佐藤
>MRIとCTからは、今回の症状の原因を診断することは極めて困難でした。
>それでも、今回の症状の原因はL5/Sの左で前回手術とは異なる部位での
>椎間孔狭窄が原因と診断し、MD法による再除圧術を行>いました。

現状では素人が見ても明らかに大きなヘルニアがあるとか明らかな狭窄があり、かつ患者の症状も相当に悪くない限り相手にしてくれない医師が多いと思います。

今回の記事を見ると画像所見では素人が見ても明らかに悪いと診断できなくても患者が辛い痛みをうったえてる場合は先生は長年の経験によって再手術をされたということでしょうか。

先生のような外科医は私の地元にはいません。

画像を何より優先して、患者の苦痛度を診断に考慮しない医師がほとんどです。
画像所見=症状=苦痛 が一致しない限り治療をしてくれません。
一致しない限りは湿布と薬のみの治療が延々と続けられます。

時間を作って先生の外来を受診するしかないと思いました。

2014.05.11 10:03

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