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腰椎変性疾患は何度でも繰り返えすことを胸に刻んで生活を!

.04 2014 腰椎退行変性疾患 comment(17) trackback(0)
椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、すべり症などは再発の頻度が少なくないことを知って、生活を考えることが
必要です。あれもしたい、これもしたいは誰もが望むことですが、腰椎の変性疾患を発症した人は
欲張らず、慎重になることも必要です。その理由を説明します。

最近、三度目、四度目、五度目の腰椎手術を受けに来られる方が増えてきました。年齢は当然ですが、70代の人にがぜん多いです。50代、60代で最初の手術を受け、再発を繰り返しながら70代に至るといった経過です。
ヘルニアや脊柱管狭窄症の初回手術部位での再発や、初回手術とは別の部位での再発、腰椎固定術を受けた方が新たに隣接椎間にヘルニアや狭窄症を起こしたり、再発の形は実に様々です。

初回手術後、調子の良い方々は「喉元過ぎれば・・・・」の生活になっていきます。無理はないと思います。痛みがなくなるともとの健康な腰に戻ったと錯覚してしまいますから、それが普通だと思います。私はそれでいいんだろうなと受け止めていますが、再発すると、当の患者本人はそんなはずではなかったと落胆されます。中には確信犯のような豪傑者の患者もおられますが。

手術で治したといっても、悪い腰の部分修理のようなものですから、また故障することは充分にあるのです。「腰椎変性疾患は加齢と生活と体質が絡み合って起こる病気」ですが、この中で患者さん自身が注意できるのは「生活のみ」と言ってよいでしょう。加齢は生きている限り避けられませんし、体質も本質的に変えることは困難です。生活を変えるとは、仕事やスポーツなどによる腰への負担を軽減して、腹筋や背筋を鍛錬する習慣を持つことですが、実は、これもなかなか困難です。仕事を変えるなどそう簡単にはできませんし、好きなスポーツ、特にゴルフなどは諦めるなどとんでもないという方々も多いようです。

このような理由から、腰椎変性疾患の再発防止は困難であり、一度罹患した人は二度目、三度目、もしかすると四度目、それ以上の再発に見まわれることがあるのです。

私は、長い期間、何度の再発にも対応できる手術法を探求してきました。そして、現在、再発患者をできるだけ多く受け入れ、症状の改善に努めています。今週、85歳の男性が以前に腰部脊柱管狭窄症の手術を受けられたが、数歩しか歩けない状態になって受診されました。その方は、前回手術のL4/5の狭窄症の再発ではなく、別の部位であるL5/S1の両側の椎間孔狭窄が原因でした。MD法で両側の椎間孔拡大術を行い、L5神経根を除圧して、症状の改善が得られ、杖を用いてですが、歩けるようになって退院されました。

この方が前回手術後、今回までの生活でどれだけ注意を払っていたかは判りませんが、痛みのない、不自由のない生活を生き抜くためには、それなりのご本人の注意も必要なことを退院時に説明させていただきました。

腰痛・坐骨神経痛で悩むより多くの方に読んでいただきたいと
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2014.07.15 08:56
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2014.07.11 23:49
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2014.07.09 22:52
drshujisato
なつさん、
良かったですね。大事にしつつも、生活を楽しんでください。
おめでとう。
2014.07.09 22:10
けいこ
整形外科(違う医師)を受診してきました。結果的には「パキパキ音は.原因を調べようがない」「無理をした分だけ.痛みは長引くから無理しない事」「安静が1番」コルセットは必須だよ― でした。先生が指摘して下さった病気に関して~親指に痛みが走るも言いましたが「もう1回調べてみようか…」の.一言も出ないで終わりました。椎間板が減ってるのは確かなのに「椎間板症から来る症状だよ」とも言われず。う―ん(-.-;)「脊柱専門医さんじゃないと駄目なんだろうか…」と.しみじみ(ため息)実感してしまった結果でした。脊柱専門医さんいる病院に変わろうか?どうやって調べよかな…なんて。痛みは.ずっと続いてるのに…何か出口のないトンネルに入ったみたいです。
2014.07.09 12:06
なつ
お久しぶりです。こんにちは。
昨年、11月に相談させて頂きました なつ です。
腰椎椎間板ヘルニアと腰部脊柱管狭窄症のため、今年の1月にL4/5 椎弓形成術を行いました。先生がおっしゃっていた『うまく除圧出来た時は麻酔から覚醒した時に、痛みと痺れがなくなっている』と言う様に、私もキレイに痛みがなくなっていて本当に嬉しかったです。少しづつ仕事の負荷も増やしていき今では、ほぼ元の生活を送っています。もうあの痛みは経験したくないし手術もしたくない、そんな気持ちでPTから指導を受けた生活上の注意点を守りつつ、自主リハビリも継続して行なっています。
主治医に今の仕事(介護職)はオペ後も続ける事は可能か と聞いたところ『スポーツ選手が生涯、スポーツ選手として活躍出来ないのと同じ。身体が無理になれば、同じ介護の仕事でも身体を使わない内容を選ぶ事も必要になる』と言われました。もっと丁寧な説明でしたが、実にわかり易く納得しましたし、不安がスッとなくなりました。
今は仕事でも痛みを感じる事はなく(動作には十分気をつけています)、趣味の旅行も楽しんでいます。これまでよりも回数は減らしますが冬にはスキーを再開しようと思っています。
「再発を心配する気持ち」と「生活を楽しむ」バランスが大事なのかなと思っています。
まだ手術後半年しか経っていず、これから先が課題ですが自分ができる事は頑張っていきたいと思います。
2014.07.08 19:02
drshujisato
「一度引っ込んだヘルニアが狭窄症の術後に出てきたのでは、との説明を受けました。」とのことですが、
ヘルニアが椎間板内に引っ込むことはありませんので、もともと出ていたか、あるいは、新たにヘルニアが出たのだと思います。
腰椎変性疾患の方が、術後にどんな生活をすればいいのかは、なかなか難しい問題ですね。
臆病になり、引きこもるような生活になっても困りますし、過信も困りますしね。
私も生活の質を重視する立場を取っていますが、ほどほどの感覚もだいじだと思います。
手術の件、お任せください。
期待にそえるよう頑張りますよ。
2014.07.07 22:04
のりこ 64歳
6月6日に佐藤先生に診察して頂き7月4日に主治医の先生の診察がありました。他医院で狭窄症の手術の前後のMRIのDVDを持参、一度引っ込んだヘルニアが狭窄症の術後に出てきたのでは、との説明を受けました。
術後の私の「生活」の何が原因でヘルニアが出てきたのかはっきりは解りませんが、気をつけて生活をしていたつもりですが、気づかないうちに、「この位なら良いかな」と自己判断で、腰へ負担をかけていた行為もあるかもしれません。
その診察の時に、加齢、体質、の話がでました。今回の佐藤先生の「腰椎変性疾患は何度でも繰り返すことを胸に刻んで生活を!」の内容は今の私にブログ上で診察して下さったようで、これから手術を受けますが、腰椎変性疾患である事を常に自覚をして、生活を変えなければならないのですね。
趣味の家庭菜園もガーデニングも、腰には負担が多すぎます。
残念ではありますが、少しでも原因となるようなら止めなければなりませんね。
佐藤先生を信頼して安心して、手術の日を待ちます。よろしくお願いいたします。
術後には背筋、腹筋などのストレッチなどは指導していただけるのでしょうか?

他医院でも術後の生活について佐藤先生のように「加齢、体質、生活」の説明がなされていたなら、と残念です。「畑でもなんでもしても良い」の言葉を信じて、再発を繰り返している方達もたくさんおられると思います。



2014.07.07 17:27
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2014.07.07 09:18
drshujisato
昔ながらの腰椎手術を受けられた方は、二度と腰の手術は受けたくないと言われますね。
私が、小切開手術にした理由はそこにあります。
再発があり得る病気ですから、再発した時に手術を受けやすいように
痛みの少ない手術にしました。
これは正解であったと思ってます。
2014.07.06 23:16
drshujisato
そうですね。難民を出さず、受け入れよう取り組みを続けますよ。
お役に立てれば幸いです。
2014.07.06 23:12
けいこ
何で…整形外科は.専門性を求められる様になったのか?それは「整形の医師会で.専門性が必要と認識してるから」ですよね? インターネット検索すると→整形外科専門医・脊柱専門医(指導・認定医・内視鏡手術認定医)と.記載あります。あとは「先生の力量(器の大きさ)」なんでしょうね。母の主治医さんは若手ですが45才くらいの方で…診察室入室から.退室してドアを閉めるまで.姿勢×歩き方をしっかり見てるんです。先生自身が.椅子に座ってるのに.背筋は真っ直ぐで「背中に板入れてません?」と.言いたくなるくらい。背もたれに背もたれないんです~私も.母の初診日→最後の診察日まで一緒に入室してましたが.背もたれない椅子に座った状態で.先生が母の後にまわり.頭の先→姿勢を見てました。いきなり質問されるんです「杖持ち歩きしてる?」いきなりだと.自然と本音出ますよね?たまに…と言うと「杖だけは絶対持ってと.何度も言ってるよね!?」と。今は私がコルセット必須な生活です…。
2014.07.06 21:39
ヘルニア手術経験者
すばらいい内容だと思います。
あっぱれです。
2014.07.06 20:18
けいこ
脊柱管狭窄症で入院し.手術した事で「2度と手術は受けない」と言ってました。内視鏡ではなく普通のだったらしいです。傷跡が…トイレが近くなったり.そのため外出を控えたり.歩ける様にはなりましたが.引きこもりが心配です。(子供)娘は…私しかいませんので(10年前に姉が他界)。そんな中で私が「椎間板症」発症してしまい.減った椎間板は元に戻らない→寝る時以外はコルセット着用し~いつまで続くの?この対処療法…自分の将来×親の介護.先生みたいな方が体力の続く限り.長く.難治性の脊柱疾患の患者さんのために.いて欲しい先生と感じてます。ブログ…続けてくださいね~私も.救われています。毎日痛くない日はないけど…勉強になっていますので(お世辞でないですよ)
2014.07.06 17:42
佐藤
そうですか。
先生が手術できなくなると困る腰痛難民が増えます。
私も1日も早く先生に診てもらうために準備してます。
2014.07.06 14:38
drshujisato
もっともなご指摘です。
私は今年66歳になりますので、20年後は生きている保証もないですね。
現在でも週7件のペースで手術を行っていますが、全国から難しい患者さんが
増えていますので、これ以上のペースでの手術は無理ですね。
私も将来のことを案じています。私の切り開いた道をさらに広げる
若い医師の出現を期待しているのですが、
現実はなかなか厳しいですね。
私個人としては、体力と気力が続く限り、メスを持ち続けたいと思っています。
まだまだ大丈夫ですので、ご安心くださいね。
2014.07.05 23:38
佐藤
すごく先の話になるかもしれませんが
先生が年齢的にメスを握ることができなくなった場合は
先生の患者さんは再発した場合はどのように対応するものなんでしょうか?

例えば20年後。
さすがに先生は手術をされていないと思います。
しかし、先生が今手術をした患者さんが10年後、20年後に
再発をして先生を訪ねても先生は手術ができません。

先生のような医師が全国にたくさんいれば良いのですが。
再発することを念頭におくということは2回目、3回目も
先生に切ってもらいたいと願うのが患者の気持ちだと思います。

先生にとっては酷な要求になるかもしれませんができるだけ長く
仕事を続けてもらいたいと考えるのが患者の希望です。

2014.07.05 15:55

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