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腰椎固定術後の隣接椎間の問題について

.23 2014 腰椎固定術の隣接椎間問題 comment(13) trackback(0)
腰椎固定術後の隣接椎間の問題は、古くて新しい問題です。
固定を行った腰椎と行われていない腰椎の間で起こる問題を隣接椎間の問題と言いますが、固定した上下2カ所の
椎間に問題が起こり得ます。
どんな問題が起こるかと言いますと、大きくわけて、脊柱管内の問題と椎間孔の問題に分けられます。
脊柱管内の問題としては、椎間板ヘルニアや狭窄症があります。椎間孔でも同じく、ヘルニアや狭窄症があります。
これらとは別に隣接椎間にすべり症が発生して、これに狭窄症やヘルニアを合併することもあります。
固定隣接椎間はボルトの影響で、MRIの評価は難しくなります。特に、椎間孔周辺の問題は診断困難です。
そのため、椎間孔狭窄や椎間孔内ヘルニア(外側型ヘルニア)や椎間孔外ヘルニア(超外側型ヘルニア)があっても、
診断できず、見逃されてしまうことが多いのが現状です。
私が固定術を行った患者さんでも、他院で固定術を受けられた患者さんでも、上述した固定隣接椎間の問題が
発生して、受診されるケースが増えています。
余程のすべり症がない限り、殆どのケースでMD法によるピンポイントの神経除圧術を行っています。
それで症状は良くなります。勿論、再発は起こりえますので、個々の患者で次の手を容易しておく必要があります。
再固定術は最後の最後と考えています。

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まるん52歳女性
ありがとうございます。
そう言えば、再発が起こるとしたらどこの部分か、主治医に質問したことがありました。
答えは固定したところの上の部分が可能性が高いということでした。
すっかり忘れてしまってました。
先生のおかげで思い出しました。
調子に乗らないように気を付けます。

2015.11.13 23:31
drshujisato
15/11/07のまるん(52歳女性)さんへ  Re: 術後腰痛のその後

経過を知らせてくれてありがとう。
経過が良好でよかったですね。
私も主治医が注意されたように、運動のやり過ぎは次の問題を引き起こすきっかけにもなりますので、ほどほどにすることをお勧めします。筋力を鍛えるために、腰椎に相当の負担をかけることになりますので、腰椎の負担が次の問題を起こす危険があります。
具体的には、固定隣接椎間にヘルニアを起こしたり、すべり症をおこしたりがあります。手術後の時期によっては、ボルトが骨の中で緩むこともありますので、ご注意ください。

それではお大事に。

FROM SHUJI SATO
2015.11.08 22:25
まるん52歳女性
前回、昨年7月30日に術後の腰痛についてコメントさせて頂きました。
現在年齢が53歳になりましたが、体調はかなり良くなりました。
今年の2月で定期検診がすべて終わり、スポーツクラブで水泳のほかに、マシンジムの筋トレ、格闘系のエクササイズ、ヨガやピラティスも始めました。
筋トレのメニューは、当初スポーツトレーナーが、私の体力測定を行ったうえで考えてくれたものをこなしていました。
エクササイズも少しずつ回数を増やしていきました。
現在、週に3~4回通っています。
運動量としては、休憩をはさみながら1時間から3時間ほどスポーツクラブで体を動かしています。
消費カロリーは300~380Kcalくらいだと思います。
前屈は健常時と変わらずできますが、体を後ろにそらすのは何となく怖いので、ブリッジなどはしません。
仰向けに寝たあとと、同じ姿勢、例えば座りっぱなしや立ちっぱなしの時は腰痛が出ますが、激しい運動をしても全く腰痛が出ません。
一番体がぎくしゃくするのは、朝起きた時です。
寝ている間は右か左かの横向きです。
トレーニングは主治医から
「あまり無理しないように」
「痛いと思うことはしないように」
と言われてますが、動かしていたほうが筋肉が固まらなくていいような気がします。
ちなみに今年の1月に骨密度を計ったら「115%」でした。
腰痛から逃れたいがために、筋肉によるコルセットを作ろうと始めたトレーニングで、術前よりも益々体が頑丈になってきたようです。
固定術で取り付けて頂いたボルトは、歩けなかった時のことを思えば、現在本当に体の一部として大切なものです。
手術をしてよかったと思います。
以上ご報告まで。
2015.11.07 23:59
まるん52歳女性
ありがとうございます。
骨粗しょう症はないと言われましたが、固定術後5か月目から更年期障害によるホットフラッシュが始まり、プラセンター筋注とホルモン治療(エストラジオール筋注)を始めました。痛みに対してプラセンター効果も期待しましたが、腰に注射するわけではないので腰痛にはきいてないと思います。
トリガーポイントブロック注射も考えましたが、私の通う病院では麻酔科の外来がなく、主治医も「痛みがなくなるのは作用がある間だけだから」と、おすすめされませんでした。ネット上でも、固定術に詳しくない麻酔科医が金属部分に針を当ててしまい、感染症の危険もあり、整形外科に転送する場合もあると載っていましたので、治療の選択肢から外すことにしました。
私より8日遅れで同じ手術を受けた8歳下の女性でヘルニアの方がいました。彼女は20代の頃、チョコレート嚢胞で片側卵巣摘出しています。固定術前に治療していた別の個人病院でブロック注射の治療を2週間したそうですが、改善されずに紹介状をもって手術を受けに来たと言ってました。固定術後の様子を聞くと、足の甲から指先にしびれがまだ残っているそうですが、私のような腰痛は全くないと言ってます。個人差があるのですね。
これからどれくらい経過すれば腰痛から解放されるかわかりませんが、あきらめずに運動を続けていきたいと思います。
この先、痛みがなくなったらご報告いたします。
2014.07.31 00:27
drshujisato
L4/5の腰椎固定術後の腰痛にお悩みですね。
歩行ができるようになったことは、すべり症に伴う狭窄症の症状は解消されたことを示してます。
腰に異様な音がしなくなったのも固定術の効果ですね。
腰椎固定術後の腰痛は、固定術に特有の問題とされてきましたが、
本当のところの原因については不明といって良いでしょう。
通常の大きく開創して固定を行う方法は、腰部の筋肉のダメージが大きく、これが術後腰痛の原因ではないかと
推測されていますが、同じ手術を受け、MRIでは筋肉のダメージが強いにも関わらず、腰痛のない人も少なくないので、本当のところの原因はなかなか特定が困難です。
私は筋肉のダメージが術後腰痛の主因と考え、最小侵襲固定術へと改良を進めてきました。その結果、初回固定術では、腰痛を訴える患者は極めて少なくなっています。この結果から、筋肉のダメージが腰痛の主因であろうと推測しています。しかし、再手術や側彎症、骨粗そう症の進んでいる患者では、腰痛を残す人がいます。
腰椎固定術後の腰痛の問題は、患者は勿論、医師にも大変悩ましい問題です。色々と薬を試しても、余り効果がないのもこの術後腰痛の特徴といえます。運動に関しては、腰椎固定術から既に1.5年以上が過ぎていますので、固定が完成しているのなら、運動量を増やす方向で良いと思います。腰にひねりを加えたり、重い物を持ち上げたりは、筋力がそれなりについてからのことと考え、まずは、腹筋と背筋の鍛錬が必要です。
歩行や水中ウオーキング、横になった姿勢での腹筋・背筋の訓練などを行っていくと良いと思います。運動中、その後の腰痛に注意して、痛みを強くしない範囲で運動を進めていくことが良いでしょう。
2014.07.30 22:29
まるん52歳女性
初めまして。5年前にチョコレート嚢胞で卵巣破裂、開腹手術をした翌日から、腰の骨がゴリゴリという音がしていました。4年前に介護の父を抱えた翌日、右足鼠蹊部に激痛、近所の整形外科に行くと「すべり症」と診断されましたが、今のところコルセットぐらいしか治療法はない、それより股関節の方がはまりが浅い気がすると言われました。その病院には通院せず、毎朝起きると鼠蹊部の痛みと戦いながら、1時間ほどすると痛みがなくなるという生活を送っていました。平成24年11月下旬、間欠性跛行(10分限界)が始まり、年末には1分も歩けなくなりました。平成25年1月末に別の病院の脊椎脊髄指導医に腰椎変性すべり症・腰部脊柱管狭窄症でL4.L5脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(後方椎体固定)を受けました。手術については成功でしたし、腰のゴリゴリという音もなくなり、歩けるようになったので、してよかったと思っています。アライメントはきれいで問題ないのですが、腰の筋肉痛がずっとあります。退院後のリハビリは歩くことと言われましたので通院によるリハビリはありませんでした。当初は10分歩行後に着席すると腰にずきんとする筋肉痛がでてまして、30秒ほどでじわーっと痛みがなくなっていってました。現在でもじっと立ちっぱなしの姿勢が15分以上だったり、30分以上連続歩行になると、着席時に同様の痛みがあります。主治医にはトラムセット配合を処方してもらっていますがそんなに効果はありません。常に腰の筋肉が張っている感じがします。腹筋背筋を鍛えなさいとのことで、プールでの歩行やスイミングに週に2日以上通い始めて半年になります。仕事をしていますので、通勤には20分歩行と電車には15分~25分立つことがあります。術前からすると体重を1年かけて15%減量し、BMI21、体脂肪率24.9%です。いまだに慢性腰痛(筋肉痛)と上を向くと肩甲骨の間が痛みます。胸椎のMRIでは異常ありませんでした。こういった痛みは術後どなたにでもあるのでしょうか。それとも再発の予兆でしょうか。術後リハビリを専門家に受けることがないので、どの程度の運動が適当なのか見当がつかないでいます。過剰に鍛えて再発することもあるでしょうか。次の定期検診は術後2年経過した時と言われてます。ネット上で術後1年以上経過した患者さんの様子がわかるようなサイトがあまりありません。また、手術をしていない腰痛の方の体操はありますが、固定術をした方の腰痛体操の紹介はありません。佐藤先生はご経験が豊富でいらっしゃるので、私のような患者がいなかったのかお尋ねしたくなりました。あつかましく申し訳ありません。
2014.07.30 00:10
佐藤
ありがとうございます。
2014.07.28 20:09
drshujisato
腰椎固定術は主に前方と後方です。
私は前方の経験はありません。すべて後方から行います。
前方と後方は、それぞれに一長一短があります。
詳しくは書きませんが、外科医が習熟した術式を選択しているのが
現状です。
患者の立場からは、自分にとってどちらの術式が良いか、外科医の経験とあわせて
決定することになります。
2014.07.27 22:32
佐藤
ありがとうございます。

追加で固定術についてお聞きしたいことがあります。
固定術の術式ですが。
前方固定術、後方固定術と二種類あるんでしょうか?
もっと他にもありますか?

先生は、前方固定術と後方固定術をどのように使い分けてますか?
また、前方固定術と後方固定術の違いですがネットで調べると
前方固定術のほうががっちり固定されると説明してます。

前からと後ろから・・・患者にとって、あるいは医師にとって、そして術後の予後に違いはあるのでしょうか?

たんなる好みで術式を選択するものではないとは思いますが違いがわかりません。
2014.07.25 19:47
-
このコメントは管理者の承認待ちです
2014.07.25 00:09
drshujisato
腰椎固定術の隣接椎間の再発のみならず、他の椎間に再発したもの全てを含めての
データーはまだ出していません。今度、検討して紹介したいと思います。
再発手術後の再発は皆無ではありません。
一人で5~6回という患者さんもおりますが、私はMD法で対応できる限り、MD法で対応しています。
固定術は医師によって、適応基準はかなり違うと思います。
固定術はまったく行わないと公言する医師もいますが、私は除圧のみでは成績のでない
患者がでることを自らの経験で知っていますので、適応をしぼり、固定術も行っています。
患者側からはできるだけ固定術は受けたくないというのが本音ですよね。そのため、どうしても必要なら
最小侵襲に固定を行うというのが私の考えです。
2014.07.24 23:12
佐藤
腰椎固定術の再発率は先生の経験ではどの程度でしょうか?
固定しなければ治らない状況に対して行うとは思いますが。
再発に対して手術して、また再発する可能性もあるのでしょうか?

過去の先生のブログでは他の病院で固定術を勧められた患者さんを
先生が診断した結果、固定は必要のない患者もいると書かれてました。
固定をするかしないかの診断も医師によってかなり違うんですね。

できれば固定をしたくない患者は多いと思います。

2014.07.24 20:08
-
このコメントは管理者の承認待ちです
2014.07.24 09:33

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