最近30代前半の男性のL5/S1の椎間板ヘルニアのMD手術を行いました。
この患者さんのヘルニアはS1神経根のすぐ内側にあり、S1神経根を後方かつ外側に強く圧排していました。
ヘルニアは椎間板のほぼ直上にでており、薄くなった線維輪に被われていました。
表面を押してみると、ふわふわと柔らかい状態でした。
線維輪に切開を加えると、そこから髄核がはみ出してきました。髄核を周囲と剥離して、器具を用いて
引っ張ると、ずるずると椎間板腔からも髄核がつながって引き出されてきました。
大きな塊として髄核が摘出されました。線維輪は裂けていて、そこから残っている髄核を引き出すと
柔らかい髄核がさらに容易に引き出されてきました。
このような柔らかく、脆いヘルニアに時々遭遇することがあります。
このような性状のヘルニアの患者さんが、比較的早期に再発したこともあります。
今回の患者さんは、喫煙癧もなく、肥満もなく、特に重労働しているわけではありません。
椎間板の変性といってしまえばそれまでですが、なぜこのような髄核になるのか、興味のある所です。
私は、今までの経験から、このような柔らかく、ずるずる出てくる患者さんでは、再発を防ぐためできるだけ
摘出するようにしています。そのことによる再発防止の効果がどれだけあるかは、これからの検討課題と考えています。
さらに髄核が餅のように柔らかくなっていることがあります。このようなヘルニアをもった青年で、術後、入院中に直ぐに再発した患者さんがいました。
私の印象では、このようなずるずると出てくる柔らかい髄核の患者さんでは、別の部位に新たなヘルニアが起こったり、
同じ部位での再発が起こり易いのではと疑っています。
今回の30代の男性でも、L5/S1以外に2カ所にまだ軽いですが、ヘルニアを認めました。ヘルニアになりやすい体質があるかのような今回のヘルニア患者さんでした。
腰痛・坐骨神経痛で悩むより多くの方に読んでいただきたいと
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