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次のコメントを紹介します;「腰椎手術に対する医師の矛盾」

.29 2014 コメント紹介 comment(6) trackback(0)
私ども脊椎外科医にとって、大変耳の痛いコメントが寄せられましたので、ここで皆さんに紹介します。

コメント:
いつも疑問に思ってることがあります。
医師が手術を選択するタイミングに関する矛盾です。

麻痺や膀胱直腸障害などあきらかに「これは手術するしかない」というほど酷くなるまで、手術をしようと言わない医師がいます。

今手術をすれば後遺症が残らない、あるいは今手術をすれば綺麗に改善して日常生活が楽になるという時期には、ほとんどの場合、医師からは「保存療法」、あるいは「様子を見ましょう」と言われます。
患者が相当な苦痛をうったえても、「麻痺」や画像所見で明らかに酷くない場合は手術をしません。

その結果、医師が手術を選択する頃には、症状はかなり進行してるので、術後も症状が残ることがあります。
そういった患者に対しては医師は必ずこういいます。

「神経のダメージが進んでたので仕方ないですね」

「じゃあ、なぜここまで酷くなるまで放置したんですか?」というのが患者の気持ちです。

酷くない時は手術をしない。
酷くなったら手術をするけど、症状が残ると「神経のダメージが進んでたから・・・」と矛盾した説明で患者を丸め込む。

すごく矛盾してると思います。

このコメントに対して、医師として私は言葉を失います。指摘されたように、「手術はまだ早い」と言われた患者が悪くなって、手術をうけても「神経障害が強いので後遺症が残る」と医師から言われたり、手術をするにはまだ早いと言われ、悪くなってからは「もう歳だから手術は無理」と言われてしまう。患者から、医師にはもともと直す気などないのではと疑問視されてしまうような現状が少なくありません。このような現状を変えていくためには、患者となられた人たちが腰椎変性疾患に対する正しい知識を持つことが必要です。私は、皆さんにその知識を提供していきたいとこのブログに取り組んでいます。

腰痛・坐骨神経痛で悩むより多くの方に読んでいただきたいと
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drshujisato
14/08/31の幸さんへ

手術で良くなった患者さんからのネットへの発信は少ないのかも知れませんね。そのため、手術を含めた治療で良くならない患者さんの声がネット上に飛び交っているように思われます。
幸さんは素晴らしい医師とのであいがあり、生活の質を取り戻せたのだと思います。
明日のブログ記事として紹介させていただきますね。
ありがとう。

FROM 佐藤 秀次
2014.08.31 22:40
現在64歳女性です。
2年前に尊敬できる主治医に出会い、変性すべり症の手術を受け成功し、
佐藤先生には術後の不安を取り除いて頂き大変お世話になりました。
また最近は、違う欄でお世話になり有難うございました。

「腰椎手術に対する医師の矛盾」
この課題のせいで、私もすべり発症から手術までの約2年間、
痛みとの闘いや多額の診療代を無駄に費やしました。

初診は個人経営の整形外科医院で、「手術はお勧めできません」と言われ、
毎日電気治療に通うよう指示されました。
しかし電気をかけても、殆ど効果を感じることはなく、
疑問を抱き2週間ほどで中止。

何故手術を勧めなかったのでしょう?
すべり症が電気治療で改善するのでしょうか?

入院設備のない個人の医院では、手術が出来ない。
手術出来る病院を紹介すれば患者を一人逃してしまう、
ということなのでしょうか?

待合室は電気治療を受ける患者でいつもいっぱいでした。
後期高齢者は一度の支払いがかなりお安いし、治療の直後だけでも症状が落ち着けば医師の言葉に疑問も抱かず、習慣のように通っているのかな?と思ったものです。
又、個人病院は利益を得るため、そんな患者の弱み?諦め?に
つけ込んでいるのかな?などとも思います。

その後、人づてに聞いた整体のような所に数ヶ月通いました。
「手術を受けなくとも治ります」との言葉は、藁にもすがりたい身には救いの神に思え、保険適用外で一回5000円の治療費も惜しみなく支払いました。

しかし、治療後暫くは痛みが取れ腰も軽くなりますが、また元に戻る・・の繰り返しに、断念し、又病院探しとなりました。
後で考えれば、すべり症が整体で治る訳はないですよね?

私の場合、幸運にも手術して頂いた主治医を探し当てることが
出来ましたが、初診の病院にしがみ付いていたらいまだに
腰痛に悩まされているどころか、神経根が傷み、回復不可能に
なっていたのでは?と思うとゾッとします。

信頼できる病院や医師選びは本当に大変なことです。
しかし患者も賢くなり、一ヶ所に固執することなく情報網を駆使して後悔のない医師選びをなさいますよう僭越ながら助言させて頂きます。

2014.08.31 20:42
drshujisato
14/08/30の佐藤さんへ

今回のコメントもブログ記事として紹介させていただきます。
多くの患者さん達が共有している思いですね。
佐藤さんのようなコメントをこれからブログ記事としても紹介させてもらうことにしました。
医師を変えられるのは、患者さんの力だと思いますのでね。

FROM 佐藤 秀次
2014.08.30 23:39
佐藤
患者の気持ちを短い文章で書けば「正直に言って欲しい」です。

分からないことは 「分からない」と。
自信がないのであれば、「自信がありません」と。

患者に、「未熟な医師だと思われたくない」、「この先生は分からないんだな」ということがバレるのが怖い。
その気持は分かりますが、そのプライドは患者にとって不幸なのです。

正直に説明してくれたら次を考えることができます。
「手術をしてもどうせまた悪くなる、だから痛みと上手に付き合いなさい」と無駄な通院を続けさせることはやめて欲しいのです。

自分に対応できないからと言って、「手術を諦めさせる」、「治せる医師を探す気力すら奪う」、「この疾患は治らないものなんだという間違った考えを刷り込む」のは本当に良くないことです。

先生の過去の記事に、関東地方から先生の所へ手術を受けにこられた医師がおられましたね。
自らが腰痛になると私達一般人と同じ行動をとってるじゃないですか。
自分を治してくれる医師を必死で探す。
保存療法を選択せずに手術して治すことを前提として行動をするんです。

自身のことになると精力的に医師選びをするのに、一般の患者には「保存療法」を選択するのはあまりにも身勝手です。
私達一般の患者も保存療法ではなく治してくれる医師に頼みたいのです。

患者さんに正直であって欲しいです。
分からない、自信がない、のであればそう言って欲しいです。
「この医師は駄目だ」なんて評価はしません。
「正直で素晴らしいお医者さんだ」って好感を持ちます。

プライドのせいで患者の大切な人生(時間)を奪わないで欲しいです。





2014.08.30 15:10
drshujisato
14/08/30  佐藤 さんへ

 そう言われても仕方ない現実がありますからね。
私ども医師は、患者さんの声を真摯に受け止めることが必用と思います。
そうでなければ、背椎手術は誰のための手術か判らなくなりますからね。
いつも鋭い指摘ありがとう。

from 佐藤 秀次
2014.08.30 13:29
佐藤
記事への紹介ありがとうございます。

>患者から、医師にはもともと直す気などないのではと・・・

これに関しては多くの方が感じています。
私も感じてます。

①手術で治せる自信がない。もし治らなかったら非難される。それなら手術せずに曖昧に診察してたほうが疑問視されたとしても非難まではされないので我が身を守れる。

②酷くなるまで何度も通院させて湿布・薬を出したほうが開業医は儲かる

③そもそも適切な手術のタイミングが分からない

④医療制度の問題でお金のかかる手術を簡単に選択できない?

⑤放置しても治ることがあるから画像所見関係なくとりあえず保存療法を選択することがマニュアル化してる

今までの経験から上記の理由が医師側の都合としてあるのではないかと疑ってます。
2014.08.30 00:15

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