腰椎変性すべり症は男性と比べて約3~4倍の頻度で女性に多い腰椎変性疾患です。腰痛で始まり、次第に神経根や馬尾の圧迫がすすみ、下肢の神経症状が悪化する病気です。変性すべり症が進行すると、薬物治療やその他の保存治療は効果を失っていきます。腰とのつきあい方で、ある程度は進行を遅らせることはできますが、進行を止めることはできません。私の経験では、50代後半~60代頃から、下肢の症状が次第に強くなり、生活の支障が大きくなっていきます。
このような変性すべり症に対する無効な保存治療を受けた末に手術治療を受けられ、生活を取り戻した患者さんからのメッセージが寄せられましたので、ご紹介します。
現在64歳女性です。
2年前に尊敬できる主治医に出会い、変性すべり症の手術を受け成功し、
佐藤先生には術後の不安を取り除いて頂き大変お世話になりました。
また最近は、違う欄でお世話になり有難うございました。
「腰椎手術に対する医師の矛盾」
この課題のせいで、私もすべり発症から手術までの約2年間、
痛みとの闘いや多額の診療代を無駄に費やしました。
初診は個人経営の整形外科医院で、「手術はお勧めできません」と言われ、
毎日電気治療に通うよう指示されました。
しかし電気をかけても、殆ど効果を感じることはなく、
疑問を抱き2週間ほどで中止。
何故手術を勧めなかったのでしょう?
すべり症が電気治療で改善するのでしょうか?
入院設備のない個人の医院では、手術が出来ない。
手術出来る病院を紹介すれば患者を一人逃してしまう、
ということなのでしょうか?
待合室は電気治療を受ける患者でいつもいっぱいでした。
後期高齢者は一度の支払いがかなりお安いし、治療の直後だけでも症状が落ち着けば医師の言葉に疑問も抱かず、習慣のように通っているのかな?と思ったものです。
又、個人病院は利益を得るため、そんな患者の弱み?諦め?に
つけ込んでいるのかな?などとも思います。
その後、人づてに聞いた整体のような所に数ヶ月通いました。
「手術を受けなくとも治ります」との言葉は、藁にもすがりたい身には救いの神に思え、保険適用外で一回5000円の治療費も惜しみなく支払いました。
しかし、治療後暫くは痛みが取れ腰も軽くなりますが、また元に戻る・・の繰り返しに、断念し、又病院探しとなりました。
後で考えれば、すべり症が整体で治る訳はないですよね?
私の場合、幸運にも手術して頂いた主治医を探し当てることが
出来ましたが、初診の病院にしがみ付いていたらいまだに
腰痛に悩まされているどころか、神経根が傷み、回復不可能に
なっていたのでは?と思うとゾッとします。
信頼できる病院や医師選びは本当に大変なことです。
しかし患者も賢くなり、一ヶ所に固執することなく情報網を駆使して後悔のない医師選びをなさいますよう僭越ながら助言させて頂きます。
この方がラッキーだったのは、ご本人が書かれているように尊敬できる脊椎外科医との出会いがあったことです。このような出会いに恵まれることは大変困難であることは、私のブログ相談室に寄せられているコメントや相談などから明らかです。しかし、この出会いを求めることが腰椎変性疾患を根本的に治す上で、決定的に重要なことと思われます。
腰痛・坐骨神経痛で悩むより多くの方に読んでいただきたいと
思っております。1日1クリックずつ応援お願いいたします。

- 関連記事
-
trackbackURL:https://spine.drshujisato.com/tb.php/348-e7feb2b2