fc2ブログ

医師から腰椎手術は完璧と言われたが、症状は改善しない。なぜなのか?

.01 2014 腰椎変性疾患の手術治療 comment(5) trackback(0)
過去にもこれをテーマにしたことがありますが、相変わらず医師からは手術は成功した、完璧だと言われたが、術前の症状の改善が得られていないとの訴えを持って、ブログ相談室を訪れる方や、私の診察を受けに来られる方が多い。

腰椎変性疾患の手術治療が成功したとは、当然のことながら、患者さんの症状は改善していなければなりません。患者さんの辛い症状を治すために手術を行ったのですから、症状が良くなっていなければ、手術は失敗なのです。

医師が患者さんの症状の原因を診断して、その原因に対して完璧な手術を行ったとしても、症状の改善のない場合には、症状の原因とは無関係な部位に手術を行ったということになります。医師によっては、その結果を失敗と受け入れずに、良くならなかった患者の身体の側に問題があるかのような言い訳をすることがあるようです。

私の経験では、誤診こそが手術失敗の最たる原因です。手術を行うべき部位を適切に診断することが腰椎変性疾患では、極めて重要なことです。さらに、手術方法の選択も同じく重要です。最近、PELDやPLLDに関する問題例が散見されます。最新の低侵襲手術法というキャッチフレーズによって、患者さんが大きな期待を寄せるのは無理のないこととと思います。しかし、不完全な神経根除圧のため、痛みが改善しなかったり、逆に悪化する患者さんが見られます。病気に応じて、適切な手術方法を選択することが必要です。その判断を適切に行えるかどうかが、医師の診断力・判断力なのです。

最近、他院で内視鏡手術を受けたが、症状の改善が不良で、あらたに症状の悪化が起こった患者さんが受診され、MD法で再手術を行いました。この患者さんの手術失敗の原因は、外側型ヘルニアによる椎間孔狭窄が見逃されていたことと、神経根の除圧が不完全なことでした。誤診と不完全手術が重なった気の毒な事例です。

繰り返しますが、腰椎変性疾患は症状の原因である腰椎の部位を正確に診断し、それに対して適切な手術法で的確な神経根除圧を行わなければ、症状は改善しません。すなわち、手術は成功しないのです。

術前の症状が手術で良くなっていないのにも関わらず、医師から手術は成功、完璧と説明された場合には、その言葉をそのまま受け入れないことです。このことを、わかり易い例えで言うなら、虫歯の治療のため歯科に行き、治療を受けたが痛みが良くならなかったなら、歯科医がいくら治療は完璧といっても、そのまま信じる人はいないでしょう。腰椎変性疾患も同じなのです。

患者さんの症状の改善のみられない手術成功などは、腰椎変性疾患ではないことを忘れずにいて、仕方ないと諦め、泣き寝入りしないことです。
腰椎変性疾患の手術の成功・失敗の判定者は患者さん自信なのですから。、


腰痛・坐骨神経痛で悩むより多くの方に読んでいただきたいと
思っております。1日1クリックずつ応援お願いいたします。

1245_32.png 1245_32.png にほんブログ村 健康ブログ 腰痛・ギックリ腰へ

関連記事

drshujisato
14/10/03 しゃぼん玉さんへ

 腰椎変性疾患に対する私の最大の関心事であり、私がやらなければならないと考えていることは、腰椎変性疾患の全容の解明です。これは腰椎という骨性構造とその中を通る神経組織の両面から全体的・総合的に解明しなければならない問題です。従来の医学は、腰椎変性疾患の全体像の内の多くの部分を解明してきましたが、いまだ全体像の解明・把握には至っていません。群盲像を撫でるという言葉がありますが、腰椎変性疾患はまさにこの言葉が示す状態なのです。そういう状態の中で、実戦を通じて私に見えてきたものをこのブログで紹介しています。まだまだ道途上ですが、向かっている方向性に間違いはないと確信しています。
どの分野にも、現状に疑問をもち、その答えを探求して戦う人々がいます。その内の一人として評価していただくことは大変名誉に思います。学会や同業者が私をどう評価しているかは知りませんが、毎年、学会で発表する機会を与えてもらっていることから、一定の評価はあるのかなと思ってはいます。しかし、真理の探究こそが私の目的です。真理の解明のための機会を与えてくれるのは学会ではなく、患者さんです。患者さんの中にこそ、求める真理が隠されています。これからも事実にもとづいた発信を続けますので、宜しくお願いします。

from 佐藤 秀次
2014.10.04 22:06
しゃぼん玉
不適切な内容でしたら公開しないで下さい。
今日、TBS番組(SMAPの中居さんの番組ですが)を見ました。

「近藤誠医師」の話でした。
「癌とは戦うな」という本で有名な医師だそうです。
昔の乳がん治療と言えば全摘が当たり前だったそうですね。
その癌の治療方法に疑問を投げかけて多くの外科医に非難されながらも自分の経験・勉強を続けることである程度の成果を出すことができたという話でした。
もちろんテレビ番組なので作りが「全ての癌」に当てはまるような印象を与える内容になってますが「癌」の中にもいろいろパターンがあるとは思います。

ただ、この番組で感じたことは「佐藤先生」の腰痛治療に対する熱意と同じものを「近藤医師」に感じました。
患者さんのために現状の医学で常識とされてる考え方に流されずに「もっと他に良い治療法はないのか?」と研究する姿勢です。

先生の発信する腰痛治療に対する診断や手術や考え方が
今の外科医の世界でどのように評価されてるのか分かりませんが治らなくて苦しんでる人が多い分野です。
これからも発信を続けてください。

よろしくお願いします。
2014.10.03 23:36
-
このコメントは管理者の承認待ちです
2014.10.02 19:34
-
このコメントは管理者の承認待ちです
2014.10.02 07:12
TM
おはようございます。
本当にそうですね。私の母がそうですから。

術後、痛みがあることを医師に伝えたら首を傾げるし、せっかく手術してもらったのにあんまり痛いって言うと悪いって言うんですよ。

私がいながら辛い思いをさせて、悪い事をしました。

それは良くないことを話しました。
患者さんの訴えに耳を傾けることが大事だと思うのですが。

今日、診察です。股関節MRIの結果、神経根ブロックの変更、効果の話をしてきます。
2014.10.01 06:47

  • comment
  • secret
  • 管理者にだけ表示を許可する

trackbackURL:https://spine.drshujisato.com/tb.php/357-f498642a