腰椎変性疾患の手術治療に対する医師による考え方、方針の違い
1)手術の効果に否定的で、手術でむしろ悪化する危険性が高いと考える医師は、手術治療に否定的な態度をとります。このような医師は保存治療に固執する傾向があります。良くならない患者さんは黙って他の医師へ鞍替えしていくことになることが多いようです。
2)手術は最後の手段と、手術を消極的に肯定する医師の立場があります。患者さんが耐えられるところまで保存治療を行い、どうにも我慢のできない状況に追い込まれてから、手術の話を持ち出します。このような手術の考え方は、最悪な状態に陥ることを防ぐことのみに手術治療の目的がおかれ、患者の生活の質を重視する視点は欠けています。
3)手術治療を積極的に考える立場にもおよそ二通りあります。
一つは、手術自体が患者に与えたり、残したりする痛みや生活の質の低下はやむを得ない代償と考える立場です。このような考え方の医師は大きな切開、筋肉損傷などで起こる患者さんの苦痛な術後症状はやむを得ないと割り切ります。実際には、割り切らざるを得ないと言った方が正しいでしょう。
もう一つは、手術自体が患者さんに与える傷害を極力減らし、手術にともなう患者さんの苦痛を可能な限り最小にする、最小侵襲手術の立場です。私はこの立場を取っています。
実際には、従来の大きな開創手術から新しい最小侵襲手術の間には、手術の低侵襲化の色々な段階があります。
あなたの担当医はどのタイプでしょうか。手術を決める際には患者さんの希望もありますから、一概に医師がどうのこうのと言えない問題ではあります。
外科医としての技術は、患者さんの身体への傷害を少なくするほど、高度の技術と豊富な経験が必要になります。時代は間違いなく低侵襲手術へ向かっていますが、対応できる医師がまだまだ少ないのが現状です。
腰痛・坐骨神経痛で悩むより多くの方に読んでいただきたいと
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