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坐骨神経痛の原因について

.15 2015 坐骨神経痛 comment(3) trackback(0)
 一般の方向けの雑誌などでは、坐骨神経痛の原因について様々なことが言われていますが、
私の経験からは、腫瘍と感染性疾患を除外すると、腰椎変性疾患が原因の殆どを占めています。
梨状筋症候群を疑わなければならない患者は希であり、仙腸関節症は皆無です。

 腰椎変性疾患とは椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、腰椎(変性・分離)すべり症、腰椎症、腰椎側彎症などであり、坐骨神経痛の原因となる腰椎レベルはL4/5とL5/S1です。しかし、例外が存在します。腰椎には奇形(亜型)があり、普通は5個の腰椎が人によって6個であったり、4個であったりするため、腰椎と神経根のレベルが一致しないことがあります。さらに神経根にも亜型があるため、同様に一致しないことがあります。

 しかし、大部分の患者さんで、坐骨神経痛はL4/5とL5/S1の椎間レベルで起こると考えてよいでしょう。
その理由は、坐骨神経は一部L4神経根の要素を含みますが、殆どはL5神経根とS1以下の神経根から成り立っています。
坐骨神経痛に関係する神経根は、L5神経根とS1 神経根であり、L5神経根はL4/5とL5/S1、一方S1神経根はL5/S1で障害されるからです。

 従って、坐骨神経痛はL5神経根性坐骨神経痛とS1神経根性坐骨神経痛に分けられます。
L5神経根性坐骨神経痛はL4/5の脊柱管外側部とL5/S1の椎間孔と椎間孔外のヘルニアや狭窄病変で起こります。他方、S1神経根性坐骨神経痛はL5/S1の脊柱管外側部のヘルニアや狭窄病変で起こります。

 坐骨神経痛の診断でしばしば間違いが起こるのは、L5/S1の椎間孔と椎間孔外の診断が困難だからです。これらの部位の診断法を熟知していないと、坐骨神経痛は原因不明とされたり、誤診されたりすることが起こります。

 急性発症の坐骨神経痛や、腰を前に屈めたり伸ばしたりすることで、痛みが増強したり、あるいは軽減したりする坐骨神経痛では、腰椎変性疾患が坐骨神経痛の原因と考えて診断を進めることが重要です。、

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2015.06.17 09:07
drshujisato
15/06/15のC.K.さんへ Re: すみません、イニシャルに変更しますね

 神経根症状が強いようですので、大変お気の毒に思います。
画像を先に送ることができるということですので、そうしてください。
事前に検討ができると当日の診療が速やかにいくと思います。
今後の方針を含めては、秘書課の担当者から説明がありますので、ご相談ください。
できるだけご希望に沿うように配慮したいと思います。

それでは画像をお願いします。

FROM SHUJI SATO
2015.06.15 14:49
C、K 國場ちか子
おはようございます。何度も投稿してしまいご多忙中本当にすみません。 腰椎分離すべり症ボルト固定術を受けた49歳の女性です。 質問なのてすが左足親指、人差し指、中指を曲げると以前にもまして痛みと指先や甲が硬くなってる感じです。意識してグー、パー、グー、パー、をしてますが吊ってしまったりするようにもなりました。腰のボルトが当たるのか痺れが強さを増します。締め付けられるような痺れ焼けるような痛みのある痺れ取れますでしょうか? 主治医がおっしゃるように簡単に仰向けで寝ていて当たるものなのでしょうか?今日15日午後3時半に外来受診です。資料提供と金沢脳神経外科病院への紹介状をもらってきます。毎日の生活に支障をきたしており苦痛な日々を送っています。資料などを頂いてきましたら直ぐに郵送させますので佐藤院長先生画像診断宜しくお願い致します。昨夜はマイスリー二錠も飲んだのですが眠れずに夜を明かしてしまいました。かなり参ってしまってます  情けないほどこんなにも惨めな自分になるなんて想像もしてなかっただけに手術して良くなると信じてただけにやりきれない思いです。坐骨神経痛の恐ろしさを身にしみながら今日もまたもだえ苦しむ私です。
2015.06.15 09:28

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