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医師の選び方について、大変貴重な体験談を寄せて頂きましたので、ご紹介頂します。

.15 2015 医師の選び方 comment(12) trackback(0)
 医師の選択ほど難しく、慎重にならなければならない問題はないと言っても過言でないことは、過去にも繰り返し述べてきました。
技術だけを売り物にする医師は患者さんの心と向き合うことをしませんので、やりっぱなしの手術に終わります。
 背椎疾患はとりわけ患者さんの心と向き合うことなくして、患者さんの満足を得られる治療にはなりません。
今回紹介するSukakoさんのコメントは、背椎外科医をどう選ぶべきか、大変示唆に富んだ内容と思います。手術法が患者さんを良くするわけではありません。Sukakoさんが喝破したように、手術の目的は切開の小ささを競うわけではなく、入院期間の短さを競うわけでもありません。その最終目標は、患者さんが満足できる結果を受け取ることにあります。それは患者さんと医師の間の心の交流なしにはなし得ることはできません。医師が身の丈を知り、患者さんと真摯に向きあってこそ、手術という残酷な行為がヒューマンな行為に変わるのだと思います。
それでは、Sukakoさんのコメントを紹介します。

医師の選び方について
以前こちらの掲示板で何度かお世話になったSukako, 男、50歳です。

「医師の人間性の未熟さや診断力・技術力の不足が患者さんを苦しめる原因として多いようです。」という先生のご意見に共感しております。私は腰椎ヘルニア手術をここ数か月で2回受けました。最初の病院の担当医師はMRIを見るなりすぐに手術を提案し、症状の詳しい説明や術後に起こり得る合併症等についての口頭による説明はほとんどなく、こちらが何か質問しようとするとあからさまに嫌そうな顔をし、家族を入れての術前のカンファレンスもありませんでした。彼は脊椎内視鏡手術の技術認定医で、自分の手術を受けられることに感謝しろとでも言わんばかりの態度でした。今思えばその時点でそこでの手術を止めておけば良かったのですが、人間性に問題はあっても技術力があるのならいいかと思いその病院で手術を受けたのですが、術後に激しい頭痛に襲われ足の痺れもひどくなったのでその事を医師に聞くと、「とにかく手術は絶対に失敗していない」ことばかり強調して、痛みや痺れについて詳しく説明してくれませんでした。

術後数週間してから歩けなくなるほど痛みがひどくなったので、MRIを基に診断してもらったところ再発しているとのことでした。再発したのがその医師の手術のせいではないとは思いますが、再手術は他の病院で受けようと思い、術式も佐藤先生のブログを読んでから内視鏡ではなく顕微鏡がより安全でより確実に違いないと思い、顕微鏡下の手術を行っている病院を探しました。もちろん可能なら佐藤先生にお願いしたかったのですが、この痛みをあと半年待てる状況ではなかったので、とにかく顕微鏡下の手術を行っている病院で再手術を受けることにしました。その病院の担当医は、手術方法の説明や術後起こり得る合併症も含めて丁寧に説明してくれました。こちらの質問に対しても全てきちんと答えてくれ、家族を交えての術前のカンファレンスも徹底的にやってくれました。現在、再手術後約3週間ですが、術前にあった足の痛みはほとんどなくなり、神経根の除圧は十分になされた模様です。若干の足の痺れは残っていますが日常生活で大きな問題のない範囲内です。

今回、2度の手術を経験して思ったことは、人間性に疑問を感じた医師から手術を受けることは避けた方がよいという事でした。又、技術認定医であることにこだわり過ぎる必要もないと思いました。技術認定医を持つ医師の診療は得てして混んでおり、一人当たりの診察時間が大変短くほとんど流れ作業になっている様な気がしました。術式についても、現在最も低侵襲ということでPELDによる手術が喧伝されていますが、1泊2日で退院出来ようが1週間入院しようが、傷口の大きさが8ミリであろうが15ミリであろうが、そのこと自体に大きな差はないと思いました。もちろん低侵襲であることに越したことはないですが、一番大事なことは、より安全により確実に治してくれる事だと思いました。

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drshujisato
15/07/28の痛みに弱子さんへ  Re: 腰椎分離すべり症術後の痛み

固定術後、症状が改善し、その後痛みが再発してきたのであれば、原因として幾つかの可能性があります。
「痛みが脳に刷り込まれた」は原因を特定できないための苦し紛れの言葉と思います。
必ず治せる原因があると思いますので、他の医師の診断を受けることをお勧めします。
医師による「痛みが脳に刷り込まれた」との説明は、医師の逃げ口上のことが多いのが実情です。

from SHUJI SATO
2015.07.30 22:58
痛みに弱子
初めまして
52歳女性です。

昨年末に腰椎分離すべり症の手術をしました。
術後5ヶ月目頃から再び痛みが酷くなってきました。
術後まいつ1回レントゲンを撮り、今年6月には、MRIも撮りました。そして今月の14日には、首のレントゲンも撮りましたが、どれもキレイで手術は成功してるとの事。
しかし痛みと痺れは増していくばかりで、ボルタレンも効かず、デパス、リリカ、トラムセットなどは、めまいや吐き気などで合わず、主治医は、脳への刷り込みが原因かも…
もう、痛みを和らげる方法は
ないのでしょうか?
2015.07.28 18:04
drshujisato
15/06/26のY.Iさんへ  Re: 椎間板ヘルニアで動けなくなりました

症状からも、L5/S1の椎間板ヘルニアと思われます。
発症後約1週間で痛みの強い時期ではあります。筋力低下がないようですので、急ぎ手術が必要な状態と
言うわけではないと思われます。
ヘルニアで排尿障害が発現する時には、馬尾が両側で障害されますので、両側臀部から下肢および会陰部の痛みやしびれが発現し、筋力低下も起こります。
現在、感じておられる排尿に関する変調は心配な問題ではないでしょう。痛みによる間接的症状と思われます。
ご存じとは思いますが、ヘルニアは自然消失する例が多いので、神経障害が進まない限りは、まずは痛みなどに対する
保存治療を行います。
しかし、自然治癒に向かわない方もおられますので、その時には手術が必要になります。
発症から3ヵ月以内に手術が不要か必要かの判断を行います。
誠に申し訳ありませんが、医師の紹介はしておりませんのでご了承ください。
もし、手術が必要になったとしたら、傷の大きさに余りこだわらずに的確な手術を行う背椎外科医を選ぶことを
お勧めします。手術顕微鏡あるいは内視鏡を用いる手術をお選び下さい。
それではお大事に。

FROM SHUJI SATO
2015.06.30 18:35
Y.I
まして。コメント欄で失礼いたします。
つい先日の22日(月)に犬(7kg)を右腕に抱えた瞬間、腰・・・というか右太ももから足先に掛けて痺れと激痛が走り、寝たきりになってしまいました。
現在、入院中でMRI検査を行い5番目の脊椎とせん骨のあいだに大きく椎間板が飛び出し、椎間板ヘルニアということがわかっています。
このままでいいのか不安になり、調べていたところに佐藤先生のブログを見つけ、信頼できそうな先生と思い失礼ながら書き込ませていただいております。
今いる病院は、救急車で運んでもらった病院で、脊椎の手術は行っていません。
現在の症状は、寝返りは打てますが、ある角度と方向は、右太ももからふくらはぎの付け根まで激痛が走る状態です。
右足の裏と指、右側の甲の部分が常時痺れてますが、感覚はあり、足首、親指共に力を入れられる状態です。
入院時より少し痛みはうすくなっている気はしますが、痛み止のせいなのかは不明です。
痛み止は、点滴でノイロトロピン1Aを入れ、ロキソニンを服用してます。
サークルに乗ってしまえば、左足のみで何とか移動はできます。
ただ、寝ている状態だとあまり尿意や便意を感じず、何となく出るんじゃないかな?とタイミングでサークルに乗るとしたいのがわかると言う状態で、先生に伝えたところ便意が完全に無くなったらアウトだから、手術も考えたほうがいいのかな?と言われました。
今のとこら痛みが薄くなっているかんじもするのですが、もし手術となるとどこの誰に依頼するのがよいのか悩んでしまいます。
このブログを読んで佐藤先生に手術して欲しいとは思いつつも、時間的にも厳しそうな感じですので、東京で佐藤先生と同じような考えで行っている先生をご紹介いただけないかと、勝手ながら書き込ませていただきました。
現在寝た状態が続いているからか、左の骨盤あたりも、なにか刺さるような痛みがでています。
元々ギックリ腰などをやっており、腰痛持ちではいるので、そちらの痛みかもしれません。
東京在中で46才男性です。
仕事もあるため、早くきちんと治したいと願っています。
勝手なお願いで大変申し訳ありませんが、すがる思いで書き込ませていただきました。
お忙しいなか恐縮ですが、宜しくお願い致します。
2015.06.25 19:56
drshujisato
15/06/23のRAさんへ  Re: ありがとうございます

リハビリ頑張って下さい。

FROM SHUJI SATO
2015.06.25 19:21
RA
佐藤先生

重ねてご指導いただきありがとうございました。
手術前に先生のことを知っていれば…と本当に悔やまれます。

少しでもよくなるよう、前向きにリハビリに取り組んでいこうと思います。


2015.06.23 18:37
drshujisato
15/06/22のRAさんへ   Re: ありがとうございます

脊柱管拡大術後に神経根障害が発生した場合には、その程度にもよりますが、
1~2週間の経過を見て、改善傾向なければ除圧術を検討するようにしています。
脊柱管狭窄症に椎間孔狭窄症を伴っている患者さんでは、神経根障害の発生を防止するため
脊柱管拡大術に椎間孔拡大術を併用しています。
完全に神経根障害の発生を防止できるわけではないことを知っておいてください。

FROM SHUJI SATO
2015.06.22 22:48
15/06/16のRA
佐藤先生

ご返信どうもありがとうございます。

神経根の障害を少しでも減らすよう、3カ月の可能性を信じて頑張ります。

神経根除圧術は手術後どのくらいの時期までに実施するものなのでしょうか。
2015.06.22 10:04
drshujisato
15/06/16のRAさんへ  Re: 脊柱管狭窄症の手術後について

頚部脊柱管狭窄症による頚髄症で受けられた脊柱管拡大術の合併症が発生したものです。
右肩が上がらなくなったのは右第5番神経根の障害が起こったためです。C5麻痺と呼びますが、手を肩よりも上に持ち上げられないが、手指の動きはあるのが特徴です。左肘を伸ばせないのであればC7神経根、曲げられないのであればC5,C6神経根の障害が考えられます。いずれも脊柱管の拡大術に関連して発生した神経根障害です。自然経過で改善される場合もありますが、麻痺が残る場合もあります。
このような合併症は頻度は少ないですが、脊柱管拡大術に合併することがあります。このような場合には、私は神経根除圧術を追加する方針をとっています。しかし、どれだけの改善が得られるかはやってみないとわからないのが現状です。
脊柱管拡大術によって脊髄の圧迫が解消した結果、足の力は改善しているのですが、上肢には手術の合併症として神経根障害が発生したと理解してください。
治療法は、一般的にはリハビリになろうかと思います。術後3ヵ月くらいは改善の可能性がありますので頑張ってください。

それではお大事にしてください。

FROM SHUJI SATO
2015.06.17 23:28
RA
はじめまして。コメント欄で申し訳ございません。脊柱管狭窄症の手術をうけた夫について相談させてください。神奈川県在住、75歳、男性です。

5年ほど前から冬になると足が痛むことがあり、鍼治療で治っていました。
体力はあり、コレステロールが高めで服薬中です。血圧は平常です。

今年の1月、転倒後に膝に力が入らなくなり、鍼灸の先生に診てもらっていま
したが、症状が悪化(右足が上がらなくなり、ステッキで歩くのが困難)。
3月初めに整形外科を受診しました。

整形外科にて、MRIをとり、神経から来る症状で「脊柱管狭窄症」と診断され、手術が必要と言われました。

脊椎の手術ということで、大きな手術のため、他の病院の整形外科の先生にも診察を受けましたが、同様の診断で、手術が必要と診断され、5月10日に手術を受けました。

手術
頸椎の第2~第7までを広げる手術を受けました。首の後ろを切開し
て骨を開き人工的に広げる方式です。

MRIで見る限り手術は成功と言われましたが、手術直後から、両肩から腕のあたりの強い痛みを訴え、手術後は右肩が全く上がらなくなってしまいました。、肩は動かないが手は動かせました。

左手は特に異状がなく、左手で右手をもって右腕をコントロールしていました。ところが、手術後1週間たち、左ひじにも力が入らなくなってきました。

6月15日の状況
リハビリの効き目でしょうか。両手は指が開いて力も入ります。しかし、右肩・左ひじは力が戻りません。

足は力が入るようになりましたが、肩に力が入らず首にもコルセットを着けている為、普段は、車いすで移動しています。

ベッドに起き上がるのが大変で、リハビリで一人で起き上がれるよう練習していますが、電動ベッドを利用して苦労して起き上がっています。

また、6月1週ごろから、手先や首周りの冷えを訴えています。その他、夜間頻尿となり、ベッドに寝ると2時間持たないペースになっています。

本人は足は力が入るようになっているので、手を何とかしたいと、リハビリに取り組んでいます。

今後は現在の病院から、リハビリ病院に移るよう言われています。しかし、現在の手術した病院でも、めどがつくまでいてよいと言われています。2カ月経過するとリハビリ病院に入れないと聞き、どうしたらよいのかと悩んでおります。

肩や腕を直したい、と願っております。ご意見を伺えますでしょうか。どうぞよろしくお願い致します。

2015.06.16 12:00
drshujisato
15/06/15のTMさんへ  Re: 大阪から

お久しぶりです。
お母さんが元気にされていることを知り大変嬉しいです。
もう一年が過ぎたのですね。
この間、私は4ヵ月ほどの入院生活を送りましたが、すでに外来診療も手術も始めています。
私にとっては患者さんの診療が一番の薬のようです。
お母さんに宜しくお伝えください。

FROM SHUJI SATO
2015.06.15 22:40
T.M
佐藤先生。お世話になります。
昨年母がお世話になりました。
ごもっともだと思います。

ちょうど1年前大阪の大学病院で脊椎間狭窄症の手術をし、半年後金沢で先生に手術してもらった母は今大変日常生活に満足しています。

大学病院で1番手術件数が多い医師と聞きましたが、インフォームドコンセントが全然でした。
私も医療者として今となって反省しています。

佐藤先生のように時間をかけてお話ししてくれると母も安心していました。
これから暑くなります。
先生もお身体ご自愛下さいね。
先生の復帰を母に話したら大変喜んでいました。
2015.06.15 20:16

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